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第6回 グランベア退治


――私たちは、夜の畑にいた。



善は急げと、素早く立ち上がったけど、外はもう夜になっていた。


止めなかったラスターも悪い。


ランプと月明かりを頼りに、夜の畑にいるのは、何とも心細かった。


もう、早く済ませて帰りたい。


しばらく、畑の周りを歩いてみる。


――というか、本当にグランベアなんて出るの?


「ラスター、今日のところは出直しましょう。」


そう言いかけた時。



――ガサッ。


畑の向こうにある山から、音がした。



え。


何、今の音。


気のせいだと思いたい。


――ガサガサッ。


さらに、大きな音がした。



恐る恐る、音のした方を見る。


――そこにいたのは、



私の背を優に越える、とても大きな生き物だった。


熊っぽい名前から、ちょっと可愛い姿を想像していたけど、思っていたより大きい。


グランベアは、畑に腰をおろして、キャベツを食べているようだった。



「ラスター!グランベア!」


私は小声で言った。


「そのようですね。」


慌てないラスター。


「早く、さっきの本を出して。」


私が催促すると、


え?


と、首をかしげたラスター。


「シスターシーナが、本を持っていたのではないですか?」


「持ってないっ!」


なんということだ。


肝心の本を置いてきてしまった。


一度、戻るしかない。


私は、ラスターを引っ張った。


「帰りましょう」


……ふと、


グランベアが動きを止めて、私たちのほうを見た。


私たちの存在に、気づいてしまったようだ。


「これは、まずいですね。」


私は、目を疑った。


グランベアは、ゆっくりと、こちらに向かって歩いてきた。


「こっちに来てるじゃない!」


私はパニックになりそうだった。


それでも、ラスターは慌てない。


「うーん」


何かを考えているようだ。


……ラスターを囮にして、逃げようかしら?


とても、シスターとは思えないことが頭に浮かんだ。


その時。


ポンっ、


とラスターが手を打った。


「そうでした。」


「あまりに久しぶりで忘れてましたが……あの本のミニサイズを私はいつもポケットに入れていたのでした」


ガサガサとポケットを探ると、


手のひらに乗るサイズの本が出てきた。


――それは早く思い出してほしかった!


ラスターはページをめくり、グランベア退治の章を開いた。


「ここです。」


指差したページは、


「なにこれ?まったく読めない……。」


見たことのない文字が、ずらっと並んでいたのだった……。



お話をお読みいただきまして、ありがとうございます。

明日から、投稿する日は18:00に投稿させていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

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