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第45話 決断
この世界と元の世界は、時間の流れは同じなのだろうか?
行って帰ってきた人がいないので、それは、誰にもわからなかった。
もし、同じように時が流れているとしたら、一刻も早く帰らなければならない。
雪が降り始めたということは、元の世界では、決算が近いということだった。
「ラスター、雪が降り始めたわね」
「そうですね。」
「……今年の雪は、あまり嬉しくないですね。」
ラスターが、暖炉に火を入れてくれた。
この薪は、ベルグさんが教会まで持ってきてくれた物だった。
私が元気がないことを心配した村の人たちが、食べ物を持ってきてくれたり、声をかけにきてくれたりした。
優しくされればされるほど、別れがたく感じてしまう。
ユラユラと揺れる、暖炉の火を見ていると、現実か、夢の中なのか、曖昧になるような感じがした。
――突然、パチンッ!と薪が爆ぜた。
その音にハッとして、目が覚めた気がした。
そうだ、
私は、帰らなければいけない。
会社が、困るのがわかっているのに、そのままにするなんて、できないんだ。
「残念だけど、もう、のんびりしている時間はないみたい。」
私は、すっと立ち上がった。
「ラスター、私、元の世界に帰ります。」




