第37話 長老の話
ラスターの姿が見えない。
――お祭りの次の日。
朝、教会にラスターの姿がなかった。
嫌な予感しかしない。
お祈りに来たベルグさんに、声をかけてみた。
「すみません、ラスター、見ませんでしたか?」
「うーん、今日は見てないねえ。」
と首を捻るベルグさん。
そして、昨日から心配していた通りのことを言った。
「シスターシーナ、朝からお熱いですね。」
「やっぱり、恋人がいないと、寂しいですかね?」
「ベルグさん、そうじゃありません!」
即座に否定したけれど、
「照れなくていいんですよ。」
「みんな、お似合いだって、噂してましたからね。」
と、追い打ちをかけられてしまった。
……これは、かなり状況が悪いのかもしれない。
「心配しなくても、そのうち帰ってきますよ」
「では、失礼しますね」
笑顔で、ベルグさんは帰っていった。
どうしたらいいのだろう。
しばし考えていると、すっと光が差し、教会の扉が開いた。
「シスターシーナ、ちょっといいかね?」
杖をつき、ゆっくり入ってきたのは、村の長老だった。
その後ろに、ラスターもいる。
……長老が、私に何の用だろう?
私に思い当たることは、たった一つしかなかった。
ラスターは長老まで巻き込んで、真面目に、おかしな責任をとりにいくに違いない。
私は、何を言われても驚かないように、心の準備をすることにした。
「シスターシーナ、」
長老が話し始める。
私は、思わず息をのんだ。




