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第34話 お披露目

夕暮れになり、お祭りの終わりが近づいてきた。


「ニコライさん、シスターシーナ、そろそろお願いできますか?」


ラスターに促されて、ニコライさんと一緒に広場の真ん中に立った。


「みなさん、今日は一日、楽しんでいただけましたか?」

「最後に、ニコライさんの発明をお披露目したいと思います。」


ラスターに続いて、ニコライさんが、前にでる。


「こちらは、ラスターさんと、シスターシーナからの依頼で作成しました。」

「今日は、本来の用途とは違う使い方をしますが、これがあると、火事の鎮火にとても役立つと思います。」


車輪のついた、大きな機械が、広場の真ん中に移動してきた。


「なにが始まるの?」


「大きな物がでてきたね!」


村人たちが、期待に満ちた眼差しを向ける。


「今から、この機械を動かします。」

「みなさん、カウントダウンをお願いします!」


ラスターのかけ声で、カウントダウンがはじまった。


3……、

2……、

1……、


ゼロ!!!


――そのとたん、


ブワッと、大量の水が放出された。


水柱は空高く舞い上がり、ザザーッという音とともに、地面に振り注いだ。


キャーッという子供たちの歓声と、同時にどよめきが広がった。


ニコライさんが、さらに水を送り、噴水を高くする。


子どもたちは水をかぶって、大はしゃぎしていた。


「ラスター、すごい物ができたわね!」


「はい。さすがニコライさんです。

想像していたよりも、水が高く上がりました。」

「シスターシーナ。これで、火事の鎮火が早くなりますね」


大量の水をかぶりながら、ラスターが、嬉しそうに言った。


お披露目は、大成功だった。


私たちは、村人から、次々に声をかけられた。


 「こんなアイデアを思いつくなんて、シスターシーナ、すごいわ。」


「ニコライさん、よく作ってくれたね」


「これで、火事の時も安心だね」


――ありがとう、ありがとう。


どの村人も、笑顔だ。


「喜んでもらえて、私も嬉しいです。」


……ああ、私はこの村で、役に立つことができたんだ。


村人たちが、前よりも私に打ち解けてくれているのを感じる。


いつの間にかこの世界が、私にとって居心地のいい場所になっていた。



でも、



どうしよう。


――こんなに、居心地がよくなってしまって、私は、元の世界に帰ることができるの?



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