第33話 楽しい時間
「ラスター、すごいわ!」
パンッと音がして、射的の的に命中した。
ラスターは、もしかしたらスナイパーだったのかもしれない。
次々に景品に当てていき、お店の店主が青ざめてきたので、私がラスターにストップをかけた。
「今日のところは、これくらいにしましょう。」
なに、そのセリフ。
どこかで聞いたような言葉に、思わず笑ってしまった。
獲得した景品を、子どもたちに配るラスター。
「シスターシーナ、よかったら、お祭りの記念にどうぞ。」
渡してくれたのは、手のひらサイズのマスコットだった。
牛のような動物が、頭を上下に振っている。
なんだか『赤べこ』によく似ていた。
「ありがとう、ラスター。」
これは、帰ったら部屋に飾ろう。
そして、屋台でリンゴ飴のようなお菓子を食べて、料理屋の出店で、焼きそばを食べた。
「ここのも美味しいですよ。」
ラスターが、教えてくれるけど、もうお腹はいっぱいだった。
「ラスター、ごめんなさい、もう入らないわ。」
ラスターは、見た目は細いのに、とてもよく食べた。
隣で、気持ちのよい食べっぷりを見ていると、
「あ、こんなところにいた!」
と声をかけられた。
「ニコライさん!」
久しぶりの、発明家のニコライさんだった。
「二人とも、探しましたよ……。」
「なんとか、例のものが出来上がりました」
「今日、予定通り、お披露目しましょう。」
「出来上がったのですね!」
「ありがとうございます、ニコライさん」
良かった。お祭りに間に合った
んだ。
「それにしても……」
ニコライさんが、私を見て、
納得したようにうなずき、
「そうでしたか。おめでとうございます。」
と言った。
まただ。
なんなんだろう?
ラスターは、ニコライさんに、
シーッと、唇の前に指をたててみせた。
ニコライさんは、ニヤッとすると、
「これは、失礼しましたラスターさん!」
ラスターに、ペコリと礼をした。
「では、広場に移動しましょう」




