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第31話 お祭りの日


数日が過ぎた。


教会の中の飾り付けも終わり、お祭りを迎える準備が整った。


村全体に装飾がされ、いつもよりも、華やかになっている。


村人たちも、当日を心待ちにしているようだった。


「いよいよ、明日ですね。」


ラスターが、最後の飾りを取り付けて言った。


「そうね、楽しみね。」


私は、大きくうなずいた。



――――――



窓を開けると、気持ちのよい青空が広がっていた。


――よかった、いい天気だ。


いよいよ今日は、お祭りだ。


みんなで作った飾りが、太陽の光でキラキラと輝いていた。


楽しそうな子どもたちの声が聞こえてくる。


出店から、いい匂いもしてきた。


自然と、お腹もすいてくる。


「おはようございます、シスターシーナ。」


ラスターが迎えにきた。


お祭り用なのか、いつもの黒い服ではなく、少しカジュアルな服を着ている。


雰囲気が違うラスターが、新鮮だった。


「いよいよ今日は、お祭りですね。シスターシーナ、準備お疲れ様でした。」


「私だけじゃないわ。村の人みんなが頑張ったのよ。」


あれっ。


みんなが頑張った――


仕事している時、こんなふうに思ったことはなかった。


今なら、みんなが頑張っていたことがわかる。


仕事の時も、そうだったはずなのに、どうして気づかなかったのだろう。


――私、周りが見えるようになったのかもしれない。



それは、大きな気づきだった。


そんな私に、ラスターは目を細めた。


「せっかくのお祭りです。今日は、ぜひ、こちらを着て参加してください。」


ラスターが、鞄から取り出したのは、美しい色合いのワンピースだった。



あれっ?

なんだか、見覚えがあるような……。


「これって、市場に飾ってあったものじゃない?」


市場の洋服屋さんの店頭に飾ってあった、このワンピース。

なんだか気に入ってしまい、じっと見ていたんだ。


「はい。ぜひ、こちらを着てください。」


「いつの間に買ってくれたの?……ありがとう、ラスター。」


久しぶりにシスター服ではないワンピースに袖を通す。


「……変、じゃないかな?」


でも、久しぶりすぎて、しっくりこない。


恐る恐る、ラスターに聞いてみた。


「シスターシーナ、よくお似合いですよ。」


そうなんだ……似合ってるの?


ラスターは、お世辞を言うような人ではない。


意外にも褒められてしまい、照れてしまった。


「さあ、行きましょうか」


「あ、それと、これも……」


立ち止まったラスターが、髪にピンクの花飾りをつけてくれる。


距離が近づいて、思わず息が止まった。



そっと鏡を見ると、華やかになった自分が映っていた。



そんな私を見て、満足気な顔になったラスター。


「これでいいですね」


「では、いきましょう」


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