第23話 変わっていく村
ラスターが、村人を一人ひとり見ながら言った。
「前任のシスターミッチーと、シスターシーナしか存じませんが、お二人を見ていて、シスターの仕事は一人でできる量を超えているように感じました。」
「これは、後々のシスターの負担を減らす、良い機会だと思います。」
なるほど、と、村人から声がした。
「……たしかに、シスターに頼りすぎていたかもしれないな。」
「そうね、私たち、それが当たり前だと思っていたものね」
……空気が、少し柔らかくなった気がした。
――そして、
はいっ、
と元気な声がして手が上がった。
「私、お裁縫は得意ですわ。ぜひ、縫い物などは、私にお任せください。」
あれは……、ラスターのリストにあった、ジュリアさんだ。
「ありがとうございます、ジュリアさん。」
「実は、皆さんの特技を元に、リストを作ってきました。」
「ちょうど、ジュリアさんには、お裁縫をお願いしようと考えていました。」
ラスターが持ってきたリストを広げる。
「私たちで勝手に決めてしまったのですが、みなさん、こちらのリストを見ていただけますか?」
「もちろん、お断りしていただいても大丈夫です。」
「引き受けてくださる方は、お名前に、丸をつけてくださいね。」
リストを見に、村人たちが集まってきた。
「シスターシーナ、ラスターさん、こんなに考えていたんだなあ。」
「毎日、忙しいのによくやってくれたわ。」
リストに、次々に丸がついていった。
さらに、
「私にも、何かできることはないかしら?」
「僕も、庭仕事ならできるよ」
リストになかった人まで、名乗り出てくれた。
「みなさん、ご協力ありがとうございます。順番にお聞きしますので、並んでくださいね。」
ラスターが声をかけると、すぐに列ができた。
――村人たちが、自分たちの力で、この村の仕組みを変えようとしている。
その光景に胸が熱くなり、また、涙が溢れそうになってしまった。
……私は、すっかり涙腺が弱くなってしまったようだった。




