第21話 仕事を分担してください
――そして、礼拝の日になった。
お祈りが終わると、村人たちが席を立とうとした。
そのタイミングで、ラスターが声をかけた。
「みなさん。しばらくそのままで、話を聞いていただけますか?」
「シスターシーナからお話があります。」
村人たちの動きが止まり、再び椅子に腰を下ろした。
それを見て、私は前に出た。
すうっ、と息を吸い込むと、
大きな声で、ハッキリと言った。
「村のみなさん。私から、提案があります。」
「シスターの仕事を、これからは、みなさんで分担していただけないでしょうか?」
――仕事は、それぞれ得意な人にお願いしたいこと。
――『受付』という案内を、ラスターにやってもらうこと……。
話終えると、一瞬、しんとした後。
静かだった教会に、ざわめきが広がった。
「シスターシーナは、何を言い出したんだ?」
「シスターシーナは、シスターの仕事をしたくないのかしら?」
「前任のシスターミッチーは、村の為に一生懸命やってくれたのに。」
「まだ、若そうだから、楽がしたいんじゃない?」
口々に言う村人たち。
こんな前代未聞のことは、理解できないようだった。
――違う、そうじゃない!
私は、心の中で叫んでいた。
私は、私がいなくなった時のことを考えているのに……。
……この状況は、
会社で、同じようなことになったのを思い出した。
仕事の効率が良くなり、みんなの為になると思って提案したのに、
あの時も、
「若くして、課長になった人には、わからないよな」
とか、
「負担になる私たちのことは、考えてくれないんだ。」
なんて言われたっけ。
反論されると弱い私は、強く言えなくて、結局、私の提案は、通らなかった。
――どこに行っても、どうせ変わらない。理解なんてしてもらえないんだ――
村人のざわめきは、どんどん大きくなっている。
どうしたらいいのだろう??
――何日もかかって、考えた案なのに。
悲しさと悔しさで、無気力になった私は、下を見ることしかできなかった。
――その時だった。
ラスターが、一歩前に出た。
「みなさん、お静かに。」
「少し、話を聞いていただけますか?」




