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第15話 小さな気づき


……とはいえ、私は事務課長だった。


PCが使えないこの世界では、私のスキルなんて、なにも役に立たない。


どうしよう。


何かいい方法はないの?


考え込んでしまった私に、ラスターが声をかけてきた。


「シスターシーナ、大丈夫ですか?」


「今、考えがまとまりそうだから、ちょっと待って。」


モヤモヤしていた私は、ビシッと言ってしまった。


シュンとしてしまったラスター。


いけない、これは言い過ぎたかも。


「大丈夫だから、ちょっとだけ考えさせてね?」


私は言い直した。


「はい、すみませんでした……。」


「私は、隣の部屋にいるので、何かあったら呼んでくださいね。」


ラスターが立ち上がる。


なんて素直なんだろう。


部下たちも見習ってほしい。


あ、でも……。


部下達には、『ちょっとまって』で終わっていた。


それは、気分を悪くしたに違いない。


ラスターは気づけたのに、なんで今まで気づけなかったんだろう?



私、もしかして、何か変わったのかもしれない。



こちらの世界に来て、仕事に追われなくなったから、変われたのだろうか?


でも、それだけじゃない気もする……。



でも、気づけるようになったのは、大きな変化だった。


元の世界に帰る時には、この反省を活かさないと……。


ああでもない、こうでもないと、考え続けた。


でも、


夜遅くまで考えたけど、結局この日は、何も思いつかなかった。


仕方ない、明日にしよう。


私は、今日のところは諦めて、眠ることにした。



――次の日。



隣の部屋に入った私は、盛大に驚いた。


そこには、


まだ仕事をしている、ラスターがいたのだった……。


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