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透明の「扉」を開けて  作者: 美黎
25の扉 発光
2146/2148

ここだけの話


「…………て、言うか、ここだけの話よ?ここだけの話、実際ヨルって。他の人としてみたいと、思う?」


「 いいや?」


「まあ、そうよね。………でも相手がアレだしなぁ。」


  

  どうやら 静かなお茶の時間は

  レナの爆弾発言で終わりを告げたらしい。


 まあ

 別に、そこまでの「爆弾発言」でもないけれど

新婚のレナがそんなことを考えていたとは些か意外である。


 だけど、姉さん達の話も聞いているから。


もしかしたら そちらからの話かも、知れないけれど。



「………いや、基本的にお客様のことを言うのはナシだと思ってるけど、ヨルだから。うん、言わせて、なんか?実際知ってそうだし??」


「  アハハ、なんだかわかんないけど 大丈夫だよ。 とりあえずどうぞ。」


「うん、あのね。………姉さん達はまあ、そんな感じなんだけど、逆に、そっち(デヴァイ)のお客様とか、ラピスの方からとか。まあ、向こうの店で話を聞く事もあるんだけど、なに、その、別の人と?………うん、してみたい人が意外といるのよ。ほら、殆ど親が決めた人と結婚してるから。」


「   成る程? でも、実行には至ってない?よね ? まだ」


「…………まだ、なんだ。………ヨルの認識でもそうなんだったら、いずれそれはあり得ない事でもないのね。………そうかぁ。なんか想像できないけど。まあ、でも、愛が関係ないなら、アリなのか。」


「   う~ん、でも。 みんな、興味本位と言うか、やっぱり「そういう意味で愛されたい」?んじゃないかな??  なんて言うんだろう、「本当に好き同士」?「溶け合っちゃう」、みたいな感覚、味わってみたいんじゃない? 話には聞くもんね。そういう描写があったりするし  ?ん?こっちにはないか?   でも、まず 女性は自分からそんなこと言っちゃいけなかったから。余計にそうなんじゃない? 」


「…………そうよね。いや、勿論私は無いんだけど、意外とそういう願望漏らす人、多いのよね。それでまた、姉さん達の話も相まってなんか。こう、うん、好奇心?旺盛な人が多いんだなって。………いや、相手と合わないと感じてる?のかな、満足してない人が多いんだな…って。」


「   そうね。 私もそれはわかるわ。 いや、違う違う。 なんだっけホラ、いつぞや話したじゃん?、湖のところで。 記憶よ記憶。 」


「………はぁ、焦ったじゃない。…まあ別にヨルが今、そう思ってても悪いわけじゃないけど。なんか、いつもの感じを見てると………うーん、なんか気焔、凄そうだもんね。」


「  っ、 「凄そう」  フフ 」



 (金色)の 「いつもの感じ」が どうなのか、

 それは私にはわからないけど。


レナが一人で唸りつつも、なんだかんだ 納得していっている様子が 面白い。


「   体だけで、「合う 合わない」を探すのは難しいとも言えるけど、その求めること自体は良いことだよね。 自分に正直になってるってことだから。」


「………まあ。そうも取れるわね?」


「  うん、だから 「自分の欲しい感覚」、「足りないと感じるところ」を埋める為に、なにかを求めるのは悪いことじゃないし、普通のことでも あるんだよ。 だから今、そういう流れが来てるのは自然とも言える。 まあ、本人達がどこまで意識してるかは、また全然別の話だけど そういうことだね。 」


「…………ふぅん。じゃあ、別に「他の人としてみたい」って、思わない私は。運がいいのかしら。」


「   だと思うけどね。 ああ見えてあの人、かなりレナのこと好きだからさぁ。 たまに観えると面白いの。 なんか、ホント 私にちょっかいかけてたのなんて、冗談だったんだってわかるから。 全然違うんだもん、ウケる 」


「………コホン」


 照れながらも考え込んだ彼女は 

 今度はどんなことを 話し始めるのか。


それを楽しみに待ちながらも、いろんな風に拡がる世界を想像して 「その展開」に制限を付けない様、自分で「スペースのいろ」に雑味がないかを 確かめ始める。




    そうだよ ねぇ


   うん  

    自分の「一番の欲望」を叶えること


 

    「それ」が 「なに」であっても

     真剣に追い求めれば

    必ず「自分の道」へ近づくし

    必ず「そのこたえ」に 納得できる。



      ん? いや 


    「納得できる様になる」のか 


      まあ

     それは いいと して 。




「   ふむ 」


「それならさぁ?もし、いろんな人と試してみて、「自分の求めるもの」?…それが、見つからなかったら、嫌よね。だってそれって感覚でしょう?実際、世界のどこかにはいるかもしれないけど、その人に巡り合って、それでまたやれるかどうかなんて。何分の一かしら。」


「     「やれるかどうか」。 うん  まあそうね」


「………だって、そうじゃない。それこそ、奇跡…よね?」


「  そうね? そうとも、言うね 」


 さっき「思わない」と言った私と

 彼以外は考えられない、というレナ


じっと私を見ている彼女は「ここに奇跡が二つもある」、なんて 思っているのだろう。



 しかし 実際「奇跡」とは

 別に「滅多に起こらないこと」などではなくて。


 発露が「光から」だと忘れてしまった私達に後付けされた、「普通に当たり前だった光景」であり

「決めてきたことをベストタイミングで踏んでいった時の 顕れ」である。


だから 二人とも「然るべき様にしてこうなっているし」、私達は収まるべきところに収まっているだけで。

本来、「奇跡」などではないが まあその話は今、置いておくとしよう。



「    えっとね、でも、そこで「巡り合わないから」、ラッキーなんだよ。そこから、始まるの。 「それってどういうことなんだろう」って、思うんだよ。 それは「いない」のか、「まだ出会っていないだけ」なのか、 それとも「自分が想像している感覚が 違うのか」。 そこからまた求めるものが変わったり、いろんな(ハテナ)が湧いてきて、それをずっと追っていけば、 「自分の必要」に巡り合う。 」


「「自分の必要」?………その、欲しいものとか、求めてる事じゃなくて?」


「     そうね。 それを、ずっと求めていくと。 手に入った場合、それが「物」だと それはそれで色褪せたり壊れたり、手に入れた後は放っておいたりして、なんか「手に入れた時の鮮やかさ」は、薄れて行くじゃない?  実際、アレ(交わり)だって 飽きるっていうじゃん。」


「…………確かに。………たまに姉さんが言ってる………。」


「    フフ。 物じゃなければ、余計に。 例えば愛情、だとしても ずっとずっと好きだって言い続けてくれる人、自分に対してずっと丁寧に愛を注いでくれる人なんて。 実際 何人いるか。」


「それ!それも多いわよね~。なんだかんだ、最初は仲良かった夫婦も多くて。話を聞くとね。だから余計に世知辛くなっちゃう。………つい、心配にもなるし。みんな、「男なんてそんなものよ」とか言うのよ。」


「  フフ  とりあえずレシフェは心配ないでしょ。 そこは「意志」の問題だから。  あ、そうそう ()()()()()()、なのよ。」


「………ん?」


 「成る程なぁ」、と ポンポン進む話の展開に頷きながら パクリとオヤツをひとつ、口に入れて

レナにもひと休みする様、手で促す。


段々真剣味が増している彼女は拳を握り締めていて、体が緊張してきているのが わからるからだ。


それに別に、これは「脅かされる的な内容じゃあない」。


 多分、普段からレシフェに接している彼女は

私がこれから言うことが とても理解できるだろうし、レナ自身もそういうところがあるから共感できると 思うんだ。


 

  さて して 

  その「意志」が 「交わることの云々」と

  どう繋がっていくのか。


 自分もわからぬまま、

 はっきりと視えている糸だけを掴んで

  話し始めたんだ。

 





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