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透明の「扉」を開けて  作者: 美黎
25の扉 発光
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ある意味新しい展開


「…………なに、って言えばいいのか。あのね、そこから確かに「お客」は減ったんだけど、なんか違う客層が増えてきてるのよね。」


「  ん? 違う? 客層 」


「そう。なんだろう、シンプルに言えば「純粋にそれそのものを楽しむ」、って言うか。………それを突き詰めるって、言うか。なんての、ほら、アレよ。」


「   もしかして、「絶頂感」のこと ?」


「…………ヨルの口からそう聞くのはなんか、ある意味新鮮だわ。でも、そういうこと。」


「    ふぅん ?」



 思うに 「これまで」は

 「秘密の浮気」

 「息抜きみたいなことを楽しむ人」が多くて。


 きっと「純粋にその体験」

    「体感」

    「行為を楽しむ人」というのは

  多くなかったに違いない。


レナの意外そうな口調からは「そういう色」が感じられるが、しかし それはそれで、「わからなくは ない」。


「   ? 」


 だったら実際、レナが話したいことは

 一体、どういう「なかみ」なんだろうか。



「あのね、それに合わせられる姉さんならいいんだけど、今までと方向性が全く違うでしょう?だから、なにか噛み合わないらしくて。」


「 ああ  」


「そういう意味で、揉めたり………まあ、ちょこっとだけどね?姉さん達側の心の問題?もあって、ほら、そうなると「馴染みの相手」って言うより「体の相性の良い相手」な訳じゃない。なんだろう、前とは違った、割り切った関係になるのかな。相手をコロコロ変えるわけだし。だから、心のバランスが人によってはガッタガタで。」


「   成る程? 確かにその急な変化について行ける人は多くないかもね。 今までが、今までなだけに。」


「そうなのよ…。だから体調、って言うより心の事なの。ほら、お客さんはさぁ、外から来る訳だから勿論違って当たり前なんだけど、こっちは違うから。いきなり時代が変わった?………なんだろう、別の所で店をやってるみたいな感じよ。まあ、(はた)から見てるからそう言えるけどね、渦中の姉さん達はまだまだ混乱中。」


「   なるほどねぇ 」


 「問題」というか なんと言うか

 これは 流れの中で起こる「必然的なこと」だけれど


確かに当事者達にとっては辛い「こと」で、慣れるまでには ある程度の「時間」が必要だろう。


だけどその前に「慣れる必要があるのか」、

 そして

「それをそのまま受け止めるだけで良いのか」。


 その色々をきちんと見て、乗り越えなければならないが その為に必要な「チカラのサポート」が「この小瓶達」ということなんだろう。



「  でも、勿論 レナはマッサージ続けるし。 それでいいし、私もまた蜜を創るよ。それが、これまでは「体メイン」のアプローチだったけど。ここからは「心メイン」って感じになるってことだ。」


「…………そんな、単純にいく?」


「 行くよ。 まあ、それしかないとも言うけど。 心と体は繋がってるからね。 それに、以前から心も癒していたから店が続いてるんじゃん。」


「…………そうかなぁ。」


「 そうだよ。 だから、今度からはそれも意識して、そこから入っていけば繋がってるから大丈夫だと思う。    そう考えれば、レナがこうして店をやっててくれる、っていうのも計画()の一部なんだろうな  」


「え?………どういうこと?」


「  うーん 」


 それを 言葉で説明すると、こんがらがるかも 知れないけれど。


きっと「私の扱い」に慣れたレナなら上手く翻訳してくれるだろうし、

 「この流れ」は「せかい(わたし)の一部」だが

 「その光を実際積んできたのはレナ」だ。


だから 感謝の意味も込めて、きちんと精一杯わかりやすく 自分のことばで語ってみる。



「   えっとね、まあ、ここから客層が変わった理由も徐々にわかるだろうし、姉さん達の苦労にも それはそれで、其々のこたえが出る時が来るのね。 その、時代が変わって行くことで見えてくるものがあるから。 で、その大きな流れの中で、私とレナは 出逢ってて。 そんで、結局レナは癒しの店をやりたいって夢を叶えて、そしてその形も世界の変化と共に変わって行くし、 だからそれは自然な流れなワケ。 「変わるのが普通」、というか 。」


「………うん。」


「  だけど、それが どう変わろうとも。 ここまでやってきた「レナの仕事(行為)が土台になってる」から、新しいことを始めても繋がってチカラは通るし、馴染みも いい。 流れとしては最高だよ。 先ずは体を解してから、なかみ? 心に行くのは順番として必要だからね。 ここまでは下準備みたいなもので、こっから本質に入って行く。」


「えっ、でも。心って、どう癒すの?マッサージは、体じゃない。」


「  まあ、 そうね 」


  改めて「どう」って 言われると

  改めて

  「なに」って言える()()は 無いのだけれど。


 それは「レナのハートとマッサージ」があればそう成るだろうし、実際「それ」もまた「出して見せれるもの」じゃないから 説明するのは難しい気がする。



「   う~ん、 えっと。 あー、そうか。」


 そうなると ちょっとまた、「はなし」は変わっちゃうけど。


  でも 結局は 「そういう話」、です よね ??



 検索し始めた明晰君が

 スペースの中で 視せている映像(景色)は。


 「レナが 客層が変わった理由」を姉さん達に話しながらマッサージをしている場面なのだけど、それが実現するには「レナがその話をわかる(理解する)必要がある」。


 そう、少しずつ

    少しずつ

  「()を解しながら」「(中身)にアプローチして」、

  柔らかくしながら染み込ませていくのだ。


 

 しかし、この方法を取るには ここから「私の言うそもそも論」を()()()()()必要が ある。


 この「受け入れること」がポイントで、

本心から納得していないものは他人(ひと)の心を動かさず、マッサージと共に発揮される筈の効果は期待できないからだ。



「    う~ん ?」


「えっ、ちょっとなによ。教えて?あるんでしょう?」


「   まあ。 ある、けど。 新婚さんに わかるかわかんない。」


「……………て、言うか。ヨルに分かるなら、私にだって解るでしょうよ。新婚みたいなもんでしょ、そっちだって。」


「       確かに。 そういう意味で、言えば ?」


「まあいいから話しなさい。聞いてから、考えるから。」


「    それはそうね。 じゃ、ちょっと待って? 纏めるから。」


「はいはい。」


 そう言うとレナは、 

 最後の一枚のクッキーを 私の口に放り込み

新しいオヤツを調達しに 立ち上がって食器棚へ向かっている。


 だから その後ろ姿を観ながら

  どう話そうか

 考えようとしたけれど、それも止めて。


 先ずは ストレートに

 正直に話すしかないと、腹だけ括っておいたのである。










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