表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透明の「扉」を開けて  作者: 美黎
25の扉 発光
2141/2143

微量な光を 展開しながら


      ♪

         

         ♫



 それからも「日常」は 変わらず素敵に 過ぎている。


「    ♪ 」


 そして「そんな なんでもない日々」を満喫している()のハートは「なにをしていなくとも」、満ちていて

だからこそ、今 自分の元には順調に「可能性が溜まり始めている」のが わかる。



「   そうね。 確かに。 」


 この頃の「下っ腹に感じる心地良いムズムズ」「充足感」はきっと「可能性」で

日々 微量な光を溜めて(積んで)いる私が()()()()()()()()()()の 「成る前の状態」なのだ。



「  ふむ。 」


 確かに実際、

 日々「私の積んでいる光」は 「微々たるもの」で。


 だけど「それ」は 「大きさ()」じゃなく「質」だから、

 「適切な時に ピタリと効いて」

 「大きなかたちと成り 帰ってくる」。



「   そう、思えば。  すべてはやはり、「無駄」じゃあ 、ないんだよね 。 直ぐに結果が見えないから そう思ってるだけで。 だからこそ、こうしてなんでもない日々を楽しむのが「吉」だわ。 ♪ 」


 先日、「子供達へ差し込んでいる話の結実」を

 想像してから。


やはり「生活に織り込むこと」の大切さを再認識した私は 今日も今日とて、「自分」を眺めつつ

 晴れた空の下を元気よく、歩いていた。



  "結局 やる()()なんて なにもない"


 そう心底わかった()であるが、「自分を浄めながら」「やりたいことを元気にやる」のは必要である。


もし、本当に「やることがないから」と言って

「もう終わったし?」なんてダラけていたら

 必然的に世界の空気もダラけて。


 私も段々 澱んでくるだろう。



「   よい しょ、 と 」


 そもそも、「1の扉」に居た時から

休みの日に丸一日籠っていると 調子が出なくて「自分のリズム」に支障を来たすのはわかっている。


だからこうして 「いつもの日常」に「微細な光を織り込むだけでいい」と知って。


目的の「納品」ついでに運動しながら、テクテクと灰色の道を 歩いているのだ。



「     ふぅむ ? 」


 祭祀の度に、少しずつ変化を遂げてきた灰色の島であるが この間の「大きな節目」からは

目に見えて「環境」が変わってきた「感じが」、する。


 これは「感じ(感覚)」だから

 きっと全ての()が感じる訳じゃないだろうけど

変化の波に乗るのが上手い人であれば、きっとそれを感じ取って「いい予兆」を上手く招き入れている筈だ。


「   ふふ」


 だから 風から感じる芽吹きの気配と

 以前よりも濃く、所々に覗く緑の鮮やかさ

 そして それを支えながら力強く息づく土の色を

  しっかりと ()()()


 その、微細な変化をしっかり留めると

「ピョン」と小川を越えて見える、屋根を目指し

 カバンの中でカチャカチャ鳴る小瓶と共に

 フンフン歩いて行った。








「いらっしゃい。…フフ」


「 えっ、なに? なんで??」


 なんでか 出迎え開口一番、堪え切れない笑いを漏らしているレナは 肩を振るわせるくらい、笑っている。


「    そんな? そんなに、笑う? 逆に気になるわ。」


 だから とりあえず

ジェスチャーで「奥へどうぞ」と言っている彼女より先に、いつもの部屋へと向かうことにする。



   やっぱり。 「光」が、

    前より明るくなってるよね


   ん?


    でも「晴れが増えた」所為 か。


   今日も

    「雲」、少なくなってたしなぁ




 蔦の緑が見える、並んだ窓が 明るい廊下を通って。


突き当たりの部屋が レナの休憩室でもあるいつものお茶部屋で、扉を開けると少し前にリクエストされて創った簡易ベッドが「使われている形跡」が 観える。


「   やっぱり。 まだ、忙しいんだ?」


「そうねぇ。ひところよりは、落ち着いてるけど。…やっぱり始めた頃よりは断然忙しいわね。ほら、癒しの店の話もしてたじゃない?だからマシになると思ってたんだけど…それに……まあ、座りなさいよ。色々聞きたいこともあるし。」


「   えっ  なんだろ?」


「まあ、聞きたいことって言うか?言いたい(報告したい)ことかもだけど。とりあえずお茶淹れるから待ってて。」


「 ありがとう、じゃあオヤツ出しとくね。」


「はぁい。いつもありがとう。」



 湯気の香りがする部屋の中は いつもの様に柔らかな空気に満ちていて、忙しいけれども「(レナ)が充実していること」を 示している。


「  ふむ。   しかし。 ちゃんと、家へ帰っているのかね? まだ一応新婚じゃないの?」


「それはまあ、向こうも仕方無いと思ってるんじゃないの?理由も分かってるしね。」


「   そうだねぇ  あ、可愛いお皿。これ使っていい?」


「それはねぇ、こないだ向こう(デヴァイ)のお客様に貰ったのよ。………白だったっけな?何処だったっけ?なんか確か偉い方だと思ったんだけど…名前言ってもヨル、分からないわよね?」


「 うん」


「そこは一旦、考えなさいよ。まあいいけど。なにしろ素敵よね。うん、それをこっちに。いいわね、はいお茶もどうぞ。」


「 ありがとう 」


 「私の扱い」に慣れたレナは、テキパキとお茶の支度を整えて テーブルにはオヤツとお茶、そしてお代わり用のティーポットも完璧に用意されている。


これは 仕事中にも使える様にと、リュディアが作った「保温ポット」で 以前の物より高温が保てると人気の品である。


「   いいなぁ。 やっぱり私もこれ 買おうかな。」


「ヨルなら貰えるんじゃない?…て言うか、もう持ってると思ってた。」


「 そうなんだよ。 意外と持ってないの。  食堂では私は使わないし、魔女部屋だと一人だからそんなにお湯沸かさないしなぁ。 確かに「必要度」は、高くないから無いんだろうな。」


「………じゃあ、それはいいとして。聞いたわよ?ってか、「読んだわよ」?元々、レシフェから話は聞いてたんだけど、実物見たら笑っちゃって………」


「  あ。 アレ()か。 」


 レナが最初に笑っていたのは、どうやら例の本を読んだかららしい。


「そうそう。いや、面白い、とかじゃあないんだけど。ほら、書いてるのがトリルだから、その脚色具合が見事に嵌ってて。それが面白いって言うか。」


「   いや、アレは私も  なんか。 恥ずかしいもん。 いや、恥ずかしいんじゃ、ないな。 客観的に観ても、「ウケる」。」



  内情を 知ってる私達から観れば。


 「書いているのがトリル」という点が先ず面白いし、

 「神罰を与えているのが「なに」なのか」、

  明確に記されてはいないが

 実際「私」だと 知っているからまた面白い。


 まあ 実際神罰を与えた訳じゃあないけれど

 私が結局「神を演っている形になっている」のが、面白いのだ。


「笑い事じゃないのよ。確かに、「笑い事」じゃあ、ないの。でも、ここまでピッタリ予言に重なった事とか、今までのいろんな事?………なんか全部相まって、笑っちゃうのよね。なんか。」


「  いや、笑えるくらいが丁度いいよ。 だって笑えない人達の方が多いじゃん。」


「…………それは確かに。てか、これ美味しいわ。家の?」


「 うん。 今日はイリスが作ったって言ってたから 面白い味がするかもと思ったけど。 普通に美味しくなっちゃった。」


「………それでいいでしょう。」


「  まあね。 でも楽しみが  」


「確かに「予想を超えてくる感じ」は、無くなるわね。」


「  ふふ。  でも、だから やっぱりまだ忙しいのかな?」


「………そうねぇ………勿論、予言もあるけど。でも姉さん達の所にも影響あったしなぁ。それだけじゃなくて、やっぱり総合的に癒しが必要なんだとは、思うわ。」


「  姉さん達 ?」


 私達の話があちこちへ飛ぶのは いつものことである。


 だがしかし

 「姉さん達」という、新しいフレーズが出てきたことで

 明晰君が くるくると働き始めたから。


 とりあえずはカップを手に取り、

 レナの話に耳を傾けることにしたので ある。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ