微量な光を 展開しながら
♪
♫
それからも「日常」は 変わらず素敵に 過ぎている。
「 ♪ 」
そして「そんな なんでもない日々」を満喫している私のハートは「なにをしていなくとも」、満ちていて
だからこそ、今 自分の元には順調に「可能性が溜まり始めている」のが わかる。
「 そうね。 確かに。 」
この頃の「下っ腹に感じる心地良いムズムズ」「充足感」はきっと「可能性」で
日々 微量な光を溜めている私がこれから顕現することの 「成る前の状態」なのだ。
「 ふむ。 」
確かに実際、
日々「私の積んでいる光」は 「微々たるもの」で。
だけど「それ」は 「大きさ」じゃなく「質」だから、
「適切な時に ピタリと効いて」
「大きなかたちと成り 帰ってくる」。
「 そう、思えば。 すべてはやはり、「無駄」じゃあ 、ないんだよね 。 直ぐに結果が見えないから そう思ってるだけで。 だからこそ、こうしてなんでもない日々を楽しむのが「吉」だわ。 ♪ 」
先日、「子供達へ差し込んでいる話の結実」を
想像してから。
やはり「生活に織り込むこと」の大切さを再認識した私は 今日も今日とて、「自分」を眺めつつ
晴れた空の下を元気よく、歩いていた。
"結局 やることなんて なにもない"
そう心底わかった主であるが、「自分を浄めながら」「やりたいことを元気にやる」のは必要である。
もし、本当に「やることがないから」と言って
「もう終わったし?」なんてダラけていたら
必然的に世界の空気もダラけて。
私も段々 澱んでくるだろう。
「 よい しょ、 と 」
そもそも、「1の扉」に居た時から
休みの日に丸一日籠っていると 調子が出なくて「自分のリズム」に支障を来たすのはわかっている。
だからこうして 「いつもの日常」に「微細な光を織り込むだけでいい」と知って。
目的の「納品」ついでに運動しながら、テクテクと灰色の道を 歩いているのだ。
「 ふぅむ ? 」
祭祀の度に、少しずつ変化を遂げてきた灰色の島であるが この間の「大きな節目」からは
目に見えて「環境」が変わってきた「感じが」、する。
これは「感じ」だから
きっと全ての者が感じる訳じゃないだろうけど
変化の波に乗るのが上手い人であれば、きっとそれを感じ取って「いい予兆」を上手く招き入れている筈だ。
「 ふふ」
だから 風から感じる芽吹きの気配と
以前よりも濃く、所々に覗く緑の鮮やかさ
そして それを支えながら力強く息づく土の色を
しっかりと 感じて。
その、微細な変化をしっかり留めると
「ピョン」と小川を越えて見える、屋根を目指し
カバンの中でカチャカチャ鳴る小瓶と共に
フンフン歩いて行った。
「いらっしゃい。…フフ」
「 えっ、なに? なんで??」
なんでか 出迎え開口一番、堪え切れない笑いを漏らしているレナは 肩を振るわせるくらい、笑っている。
「 そんな? そんなに、笑う? 逆に気になるわ。」
だから とりあえず
ジェスチャーで「奥へどうぞ」と言っている彼女より先に、いつもの部屋へと向かうことにする。
やっぱり。 「光」が、
前より明るくなってるよね
ん?
でも「晴れが増えた」所為 か。
今日も
「雲」、少なくなってたしなぁ
蔦の緑が見える、並んだ窓が 明るい廊下を通って。
突き当たりの部屋が レナの休憩室でもあるいつものお茶部屋で、扉を開けると少し前にリクエストされて創った簡易ベッドが「使われている形跡」が 観える。
「 やっぱり。 まだ、忙しいんだ?」
「そうねぇ。ひところよりは、落ち着いてるけど。…やっぱり始めた頃よりは断然忙しいわね。ほら、癒しの店の話もしてたじゃない?だからマシになると思ってたんだけど…それに……まあ、座りなさいよ。色々聞きたいこともあるし。」
「 えっ なんだろ?」
「まあ、聞きたいことって言うか?言いたいことかもだけど。とりあえずお茶淹れるから待ってて。」
「 ありがとう、じゃあオヤツ出しとくね。」
「はぁい。いつもありがとう。」
湯気の香りがする部屋の中は いつもの様に柔らかな空気に満ちていて、忙しいけれども「主が充実していること」を 示している。
「 ふむ。 しかし。 ちゃんと、家へ帰っているのかね? まだ一応新婚じゃないの?」
「それはまあ、向こうも仕方無いと思ってるんじゃないの?理由も分かってるしね。」
「 そうだねぇ あ、可愛いお皿。これ使っていい?」
「それはねぇ、こないだ向こうのお客様に貰ったのよ。………白だったっけな?何処だったっけ?なんか確か偉い方だと思ったんだけど…名前言ってもヨル、分からないわよね?」
「 うん」
「そこは一旦、考えなさいよ。まあいいけど。なにしろ素敵よね。うん、それをこっちに。いいわね、はいお茶もどうぞ。」
「 ありがとう 」
「私の扱い」に慣れたレナは、テキパキとお茶の支度を整えて テーブルにはオヤツとお茶、そしてお代わり用のティーポットも完璧に用意されている。
これは 仕事中にも使える様にと、リュディアが作った「保温ポット」で 以前の物より高温が保てると人気の品である。
「 いいなぁ。 やっぱり私もこれ 買おうかな。」
「ヨルなら貰えるんじゃない?…て言うか、もう持ってると思ってた。」
「 そうなんだよ。 意外と持ってないの。 食堂では私は使わないし、魔女部屋だと一人だからそんなにお湯沸かさないしなぁ。 確かに「必要度」は、高くないから無いんだろうな。」
「………じゃあ、それはいいとして。聞いたわよ?ってか、「読んだわよ」?元々、レシフェから話は聞いてたんだけど、実物見たら笑っちゃって………」
「 あ。 アレか。 」
レナが最初に笑っていたのは、どうやら例の本を読んだかららしい。
「そうそう。いや、面白い、とかじゃあないんだけど。ほら、書いてるのがトリルだから、その脚色具合が見事に嵌ってて。それが面白いって言うか。」
「 いや、アレは私も なんか。 恥ずかしいもん。 いや、恥ずかしいんじゃ、ないな。 客観的に観ても、「ウケる」。」
内情を 知ってる私達から観れば。
「書いているのがトリル」という点が先ず面白いし、
「神罰を与えているのが「なに」なのか」、
明確に記されてはいないが
実際「私」だと 知っているからまた面白い。
まあ 実際神罰を与えた訳じゃあないけれど
私が結局「神を演っている形になっている」のが、面白いのだ。
「笑い事じゃないのよ。確かに、「笑い事」じゃあ、ないの。でも、ここまでピッタリ予言に重なった事とか、今までのいろんな事?………なんか全部相まって、笑っちゃうのよね。なんか。」
「 いや、笑えるくらいが丁度いいよ。 だって笑えない人達の方が多いじゃん。」
「…………それは確かに。てか、これ美味しいわ。家の?」
「 うん。 今日はイリスが作ったって言ってたから 面白い味がするかもと思ったけど。 普通に美味しくなっちゃった。」
「………それでいいでしょう。」
「 まあね。 でも楽しみが 」
「確かに「予想を超えてくる感じ」は、無くなるわね。」
「 ふふ。 でも、だから やっぱりまだ忙しいのかな?」
「………そうねぇ………勿論、予言もあるけど。でも姉さん達の所にも影響あったしなぁ。それだけじゃなくて、やっぱり総合的に癒しが必要なんだとは、思うわ。」
「 姉さん達 ?」
私達の話があちこちへ飛ぶのは いつものことである。
だがしかし
「姉さん達」という、新しいフレーズが出てきたことで
明晰君が くるくると働き始めたから。
とりあえずはカップを手に取り、
レナの話に耳を傾けることにしたので ある。




