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自称「平凡」の家柄最強Sランク高校生は、大企業の陰謀を完膚なきまでにぶっつぶす  作者: マナシロカナタ(かなたん)★ネコタマ3巻&恋AIフラグ1巻★発売
第5章 ダーダネルス電機の陰謀

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第58話 多層磁界における磁力制御の装置に関する特許

「でも特許の資料くらいあってもいいはずなんだけどな。桃花のお父さんと話をした時もそんな特許を持っているなんて話は出なかったし」


「普段の仕事にはあんまり関係ないからじゃない? たしか大昔に1回だけ仕事に繋がりかけたことがあるんだぞって、お父さんは言ってたけど」


「裏を返せば今まで仕事に繋がったことはなかったのか。なら最初から関係ないと思って話さないのにも納得だ。とりあえずどんな特許か確認したいから、特許庁のサイトで検索してみるか」


「そんなのネットでわかるんだ?」


「特許庁のサイトで全ての特許は公開されているからな。でないと開発した技術が、他の特許を侵害しているかどうかわからないだろ?」


「へー、便利なんだね。ちなみに特許ってどれくらいあるの? 1000個くらい?」

「たしか日本国内の特許だけで200万個を超えていたはずだ」


「に、200万? 2万じゃなくて? なんか桁がおかしくない?」


「日本は技術立国だからな。それくらいはあるさ」

「わーお!」


 大げさに驚いてみせる桃花に苦笑しながら、俺は持ち込んでいる作業用のパソコンを開いて特許庁のサイトにアクセスすると、花宮と入れてみる。

 するとすぐにこの町工場がヒットし、該当特許を見つけることができた。


「えーっとなになに、『多層磁界における磁力制御の装置に関する特許』……? ふむ、ふむ……」


 俺は高速で特許の内容を読み込んでいく――。


「なんだこれ。つまりフェライト磁石を使った同期リラクタンスモーターの磁力制御に関する特許ってことか? おいおい、なんの冗談だよ?」


 特許の文面と図面を高速で読み解きながら、俺は驚きを隠せないでいた。


「ごめん、正道くん。さっきも言ったけど、日本語で話してくれないかな? かな? っていうか、これ難しすぎて1行目から読む気にならないんだけど……なにこれ本気で無理ぃー! 宿題の方が100億万倍マシだしー!」


 横からのぞき込んでいた桃花が、さじを投げたように言った。

 そんな桃花に、俺はなるべくわかりやすく説明してあげる。


「つまりこういうことだ。レアアースで作られた強力なモーターを作りたいがレアアースが不足している。だからレアアースを使わない通常の金属のモーターを複数個、組み合わせる必要があるんだが」


「はぁ……」


「その時にモーター同士の磁場が干渉して、モーターが本来の性能を発揮できないって問題があるんだ」


「へぇ……」


「これはその時に磁場を制御して干渉をなくすことで、モーター本来の性能を発揮させるための技術で――」


「ふーん……」


 桃花が途中からまったく話についてきていないのを見て、俺は細かい説明はポイして結論だけを述べた。


「……まぁ要するにレアアース代替技術に関する特許だよ」


「レアアース? なんだっけそれ? 聞いたことあったかも」


 OK、そこからな。


「レアアースは希少な鉱物資源のことで、現代文明には必須なんだ。たとえばこのパソコンにも、自動車にも、桃花のスマホにだってレアアースは使われているんだぞ」


「わおっ! レアアースすごいじゃん!」


「すごいんだよ。だけどレアアースは日本ではほとんど採れなくて、大半を輸入に頼っていてな。輸入が止まると日本はパソコンもスマホも自動車も何もかも作れなくなるんだ」


「た、大変だね……?」


 わかっているのか、わかっていないのか、微妙な反応を見せる桃花。

 まぁわかっている前提で話を進めよう。


「だがレアアース代替技術を使えば、普通の鉱物でレアアースとほぼ同じ性能を発揮する代替製品を作ることができるんだ。これはそのために必要な技術に関する特許なんだよ」


「つまりすごいってことだよね?」

「すごいかすごくないかで言ったら、めちゃくちゃすごい」


「へ~、そんなにすごいんだ。お父さん、やるぅ!」

 

 父親がすごいとわかって純粋に喜ぶ桃花。


 だが俺は喜びよりも、衝撃の方が大きかった。

 まさか一介の町工場に、こんな最先端特許が眠っているなんて思ってもみなかったからだ。


 同時に俺は強い確信を抱く。


「ダーダネルス電機が欲しがっていたのはこの特許だ」



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