第14話「じ、自分で!? 自家発電ってこと!? はうぅん!」
「う、うん。わたしが使えるのは身体しかないし……」
「まぁ身体は使ってもらうかな?」
家事仕事だからな。
身体を使ってなんぼだろう。
「だ、だよね。わたしも覚悟はしてたからっ!」
「いや、覚悟がいるなら、別にやってもらわなくてもいいよ。元々は自分ですべきことだし」
「じ、自分で!? 自家発電ってこと!? はうぅん!」
桃花の顔が今日イチで真っ赤になった。
「自家発電? さっきから何の話だ?」
「そんなのオナ――やだもうっ! 女の子に恥ずかしいこと言わさないでよねっ! 正道くんのえっち!」
「ええと? なにか俺と桃花の間で、小さくない解釈違いがあるような気がするんだが……? 俺としては一人暮らしをしているから、家事をやってもらえたら助かるなって、そう思っただけなんだけど」
「……え? 家事って……?」
桃花がきょとんとした顔で尋ねてきた。
「家事っていえばそりゃ部屋の片づけとか、掃除とか、洗濯とか、料理とかかな。ハウスワーク。そういう身の回りの世話をしてもらえたら助かるなって」
「あ、お世話ってそういう――」
「他に何かあるか?」
「そ、そんなのありませんですぅ! ちゃんとわかってましたもんね~! 邪推するのはよくないと思うな~!」
「そ、そうか? ならいいんだけど」
「いいんですぅ!」
桃花がなぜか鼻息も荒く言った。
なにをそんなに興奮しているんだろうか?
「でもさ。そんな家政婦みたいなことを、クラスメイトにはさせられないだろ?」
家政婦は家事作業のプロで、それでお金をもらうお仕事だ。
クラスメイトの女子高生に、借金返済のお礼と称して無償奉仕させるものでは決してない。
それじゃあまるで、俺がクラスメイトの女の子を金で買ったみたいじゃないか。
俺は何様だ?
だけど――
「家事ってことならわたしに任せてよ。こう見えて、料理も洗濯もお掃除も得意なんだから。最近はずっと工場のお手伝いに出てたお母さんに代わって、わたしが家を切り盛りしてたんだからね」
桃花はすっかり乗り気な様子で、両の拳を胸の前でギュっと握ってやる気アピールを見せてくる。
「だからクラスメイトに、そんなことはさせられないってば」
「正道くんは家事が苦手で、手伝って欲しいんでしょ? そしてわたしは家事が得意。だったらお礼としてわたしが家事を手伝うのって普通じゃない?」
「それ、さっき俺が言ったみたいな言い方だな?」
「だって正道くんの真似をしたんだもーん♪ 期間は……そうだね、最低でも5カ月かな?」
それは借金を払うのに必要だった、俺のおこづかいの期間だ。
「5カ月には5カ月で返すってことか」
理にかなっているといえば、理にかなっている……んだろうか?
ともあれ桃花はもうすっかりその気なようで、
「そうと決まれば早速、正道くんの家に行こうっ♪」
完全に乗り気で言うと、桃花は席を立って俺の手を握ってきた。
朝の校門でも手を握ってきたし、桃花って割とナチュラルにスキンシップしてくるよな。
桃花は可愛いのもあって、なんだかんだでドキドキしてしまう俺だ。
もちろん桃花との間に恋愛関係はない。
俺はただの恩人で、桃花は恩を返そうとしているだけだ。
そこだけははき違えてはいけない。
でなければ俺はクラスの女の子を、本当に金で買った男になり下がってしまう。
それは俺の進むべき「正しい道」ではないのだから。
そして桃花の中ではもう、俺のお世話をすることが確定事項になっているようだった。
「そこまで言うなら、5か月間――もしくは桃花の気が済むまで、お世話してもらおうかな」
「任せて、正道くん。もう一から十までぜ~んぶ、お世話しちゃうんだから♪」
自信を示すように、握った桃花の手にキュッと力が入った。
「止めたくなったらいつでも言ってくれな。クラスメイトに――友達に強要だけはしたくないからさ」
「うん、わかった」
というわけで。
『お嫁さん検定1位』のクラスメイトが、俺のお世話をしてくれることになった。
なんだかお金で女の子を買ったみたいで、少し気が乗らないところもあるものの。
桃花本人はすっかり乗り気だし、気が済むまでは好きにやってもらおうと思って、俺は深く考えるのをやめたのだった。
これにて第2章が終了となります。
次回はついに正道の「親ガチャSSRハウス」がお披露目です!
気に入ってくれたらぜひぜひブックマークと「★★★★★(評価)」を入れてくれたら嬉しいです♪
今作は超自信作でランキング上位入りしたいので、なにとぞ~~!(>_<)




