74話 最悪のパーティー~3~
「黙りなさい。ヒステリックババア。」
陛下の言葉に疑問を持ったのも束の間、すぐに口を開こうとした。私はそれを制して言った。
三人の顔は笑いを堪えて引きつっていた。
もちろん、挑発的な発言にコーリアス夫人が乗っからないわけがなく、再び騒ぎ出した。
「ただの貴族令嬢ごときがなんて口の利き方をしてるのかしら!」
言葉遣いが少し乱れているなと面白がりながら、私は言った。
「それは夫人も同じなのでは?」
「あなたとは家柄が違うのよ。王家出身と平民出身では天と地ほどの差があるのよ。それが分からない?口の利き方には気をつけなさい。」
「気を付けるのはあなたの方よコーリアス夫人。」
私は凛と言い放った。
「なに?
爵位を受け取るのが決まってるからその態度なの?いい加減にしなさい!!
あなたとその家族を今この場で不敬罪として処刑してやるわよ。」
ヒステリックがどんどん酷くなっていく。
中々に見物だと思う。
「貴族同士の争いでは裁判になるだけで自由に処刑できないのではないかしら?」
さも何も知らないかのようにとぼけて見せた。
「ルミナリア子爵本人はそうかもしれないけど、あなたや兄弟はどうかしら。この場の全員が証人よ。
そもそもグレースに仕える私が正しくないわけないのよ。あなたが何と言おうと正しいのは私。全ての結果はもう決まってるの!」
結局、虎の威を借るキツネか。しょうもない。自分自身について何一つ語ってないじゃない。
「グレースが全て正しいということですね。」
「そうよ!」
「そして、夫人はその操り人形だと。そういうことを言いたいのですね。」
私は夫人ににっこりと笑いかけた。
操り人形という言葉に憤慨した夫人の顔はみるみる真っ赤になっていき、叫んだ。
「いい加減なことを!!」
「最後にもう一度だけ聞きます。グレースが絶対なのですよね?」
「だからそう言ってるじゃない!
グレースの名のもとにエレノア、そしてあなたの兄弟を死刑にします。
あなたもそうだけど、クラリスも一緒に消せるなんてようやく清々するわ。」
「エリーのお姉さんと夫人はどういう関係?」
ミリアがコソッと聞いてきた
「夫人が自分の娘と政略結婚させようとしていた相手がお姉さまと恋愛結婚したって。」
「派閥はどこいったの?クラリス様のお相手、確かアルジエル派よね。」
「そうなんだけど、派閥拡大のために手を広げようとしてたらしいの。」
「で、その邪魔をしたのね…9割9分逆恨みね。」
「ついでに夫人の娘がお姉さまと同学年だったらしくて…」
「ああ…」
何かを察したかのようにミリアはため息をついた。
「違うところはそれでも二位をキープし続けたらしい。」
「結婚も含めて何も勝てなかったってことですか。」
ミナの毒がさらにとんだ。
「要はそういうこと。」
「では、グレースの名のもとにミーシャ・フォン・コーリアス、あなたを捕縛します。」
夫人はポカンとして固まった。
「エレノア様はグレースである。エルセース教大司教フレールが宣言します。」
後ろからスッと出てきたフレール大司教が高らかに言った。
「ミーシャ様。グレースは絶対なのですよね?
でしたら私に従っていただけますよね?」
評価等をしていただけますと励みになりますのでどうぞよろしくお願いいたします。




