レポート21ーアバターだとしても反則ですー
「こんにちはー」
ユミは聞いたとおりにアイの店に辿り着いた。
「あ、いらっしゃい。突然ごめんね」
「いえ、まあ暇だったんで大丈夫です」
店の中に案内されてレジカウンターの奥にある扉の部屋に案内される。
中には机と椅子がおいてあった。
「まあ座って」
「失礼します」
ユミは椅子に座る。向かい側にアイも座った。
「それで、頼みなんだけど」
「はい」
「このゲームって今は一本道みたいにボスを倒すと次の町みたいになってるじゃない」
「そうですね」
現在第1の町から王都に入り、第2と第3のダンジョンを攻略してボスを倒したユミ。その道筋は確かにダンジョンをクリアすると町にぶつかるというものだ。だが多くのプレイヤーは町にあるテレポート機能で王都に戻ってきて準備を整える。逆にクリアした町までは王都からテレポート可能だ。
「でもそれって途中までなの」
「え?」
「第10のボスの先に王都みたいな大きな拠点の街があってその先はオープンワールドになってるの」
「へぇ~」
ユミははじめてその話を聞いた。だがオンラインゲーム経験者のため話の内容にはついていくことができている。
「あ、えっとそれで話がずれちゃったけど。私が今ほしい素材があるんだけど第3のダンジョンの中にあるらしいの」
「それを手伝ってほしいってことですか?」
「そういうこと。まだオープンワールドじゃないからどうしてもダンジョンから撤退するのも一苦労だからできれば1回で済ませたくて」
両手を合わせてお願いするアイ。
「俺でいいなら手伝いますよ」
「ありがとう! 恩に着るよ!」
返事を聞くとユミの両手を握って嬉しそうに言う。
……年上な感じだけどこういう所は子供っぽいんだよな。ていうか可愛い。しかも美人ときてるのは反則だと思うんだよな。
「あれ? 顔ちょっと赤いけどどうかした?」
「い、いえ! 大丈夫です! なんでもありません」
「そう? それじゃあ準備するからちょっと待ってて」
そう言ってアイは準備を始める。ユミは店の外でそれを待ちながら心を落ち着かせた。




