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12『始祖さんの元気の理由』

 

「曇天もいいが、こうしてみると雨も悪くない。体にまとわりつくこのジメジメ感。まるで水の底に誘われているようだ。素晴らしい」


 雨が続いていた。私は始祖さんをどうにか説得して、お花を軒下に避難させた。

 もうそれはそれは、長い時間をかけて説得した。


 ここ最近、始祖さんは相変わらずベッドから動いていないけど、少しだけご機嫌だ。


 水の底で死ねる夢を見るらしい。

 起きるたびに正夢になってくれと祈っている。


「そうだ! それはいい!」


 まるで誰かと話していたみたいに、始祖さんが叫ぶ。ついでに起き上がった。え、怖い。


「ジザクはいるか!? いるだろうな!?」「うん、多分いると思うけど」


 そういえば二人が話しているところは、私が生まれてから一度も見ていない。

 ジザクにはこの前、女性にモテる方法を教えておいた。それを聞いて、早速どこかに行ってたんだけど。


「幽霊種を呼んで、パーティーを開こうと思う」


「……どうして?」


 え、なんで? どこからそこにたどり着いたの?


「幽霊種なら、あらゆる死に方を知っているはずだ。そうに違いない」


 それはそれでどうなのかな。でも元気出たみたいんだし、いいのかな。 私は始祖さんのご機嫌を損なわないように、ジザクを呼びにいくことにした。

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