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--ある勇者の記録 転
自分でも分からなかった、あの気持ちの正体が分かったというのに!
それなのに、どうしてだ。なんでなんだ。人の気持ちも知らないで!
でも、駄目だ。いろいろなことが起こりすぎて頭が混乱してしまう……
とにかく状況を整理しよう。気持ちを殺して考えるんだ。
だけど、頭に血が上る。胸が高鳴り心がざわついてしまう。
だって、魔王だなんて。あいつが魔王だなんてことを信じろというのか。
友達だと思ったのに魔王だっていうのか。
あの関係は全部嘘だったって言うのか?
止めなければならない。こんなこと絶対に許してはならない。
そうだ。魔王の野望を止めるのが勇者の役目なのだから。




