No,4 怒り
あの後、舞い上がった母様を説得し、シャーヴェリアを家に帰し、やっと安息が訪れた。
なにせ、相手が王女様だ。気を遣い過ぎる。
「はぁ〜...」
今日は気が疲れた。
「ご主人疲れた?」
「あぁ。少し休ませ――」
ベッドから飛び起きる。
今のは誰だ?
辺りを見回すと、黒髪全裸の女性が手の甲を舌で舐めている。
「ま...まさかくーか?!」
「うん! くーだよ、ご主人!」
まさかとは思うが...くーは人獣種だったとは。
というか...
「くー、服を着てくれ。目のやり場に困る...」
「なんで? くー、いつもこれだよ?」
「だからって人の姿でまで服を着ないのはダメだ。」
そう言い、僕はメイドを呼ぶ。
「お呼びでしょうか。」
「ウィル、この子に服を見繕ってくれ。」
「はっ。承知しました。」
「くー、ウィルについてって服を貰え。」
はーい!と元気良く返事をし、2人は僕の部屋を後にした。
にしても...くーが人獣種だったとは。
―――――
深夜、自室を抜け出し、地下書庫でのいつもの勉強をしている。
ふと、昔に母様に言われた事を思い出した。
『地下書庫には禁書の棚があり、そこには魔人が住んでいると』
禁書の棚...どうも気になる。
勉強の手を止め、本棚に手を染める。
この書庫は無き母様に婿入りした父様の趣味らしい。
ここには歴代の国家法務書、おとぎ話、魔導書、様々な本が置いてある。
無き父様...会ってみたかったな。
書棚を辿る。
ふと、床が少し外れている事に気が付く。
下にはハシゴが続く。
降りてみると封をされた本が連なっている。
これが禁書庫。
1冊、手にして分かる。こいつに染み込んだ魔力や魔術師の経験を。
ふと、封を解いてしまった。
――ズオオォ!
中から漏れ出る闇の魔力。這い出る魔人。
「そなたか...忌々しき我が封印を解いたのは...」
何かやばいの出てきた〜!
やばいやばいやばい! えっと封印は...
まごまごと戸惑って居ると魔人は空気を揺らす。飛び出す本の数々、壊れる母様と父様の思い出。
その数々に僕は静かに怒りを抱く。
「やめろ」
その後数分の記憶が無い。
後に残ったのは元通りの書棚と魔人だった。
「ごしゅじ〜ん!」
「おわぁ?! くー、どうしたの?」
「ご主人怒ってない?」
「お...怒ってないけど...」
「よ゛がっだ〜...」
泣きついてくるくーを横目に魔人を見るとマスコットの様な見た目になっていた。
「申し訳ありません。」
「いや、良いんだ。どうやらちゃんと直してくれた様だし。」
「それで、何をお望みでしょう?」
「ん? 望みって?」
「魔導書を開く者は須く何かを求めて開くもので...」
生憎、今は欲しいものが無いからな。
「じゃあ、お前の時代の魔法を教えてくれ。」
名前:シャーヴェリア・セントリクス
家族:母 父
種族:半妖
固有魔法:光属性光魔法




