No.1 黒猫
僕、エドワード・クランゲイン。9歳です。
「エドー!」
今、僕を呼んだのはアシュワード・クランゲイン。
お母さんである狼が死んだ後に、僕を引き取った義理の母親。
僕は人間を憎んでる。けど、母様は良い人だし、お母さんの最後の言葉は「助ける者になりなさい」だって。
こんなの憎めないよ。
だから僕は医者になる事にした。
魔物も人間も治す凄腕のお医者さんに!
――ポカ!――
「エド。あなた、また書庫で読み耽って!」
そう、母様が言う。
「ごめんなさい母様。でも、僕医者になりたいんだ!」
「でも…あなたは魔法が使えるのよ。魔法が使える人は皆、明日に王都にある王立魔法士学校に行かないと…」
「じゃあ、学校に行きながら医者になる!」
「…それがどれ程の事かわかってるの?」
「分かってるよ!」
僕が何もせずこの5年を過ごしていた訳じゃない。
《劣化"火"+劣化"雷"》
「どう?凄いでしょ!」
魔法の二重詠唱! これなら母様も認めてくれ――
「凄いじゃない!やっぱりうちの子は天才ね!」
しまった...母様の溺愛スイッチを押してしまった。
そうして小1時間頬擦りをされる...因みに、二重詠唱のお陰か認めてくれた。
―――――
や...やっと着いた......
小1時間馬車に揺られ、辿り着いた王都クレイディア。
僕は早速学校へ向かった...と思いきや、道中で恐らく僕と同じ新入生であろう男女が揉めている。
揉め事は良くない!
そう思い僕は止めに入る。
「ちょっとそこ!何してるんだ!」
「あぁ? こいつがオレ様にケチつけやがったんだよ!」
「わ...わたしはただ動物さんを虐めてはいけないと...」
「いじめてねーよ! 遊んでやってるだけだ。」
成程。両者の言い分は分かった。
その上で…
「いじめは良くないよ。やってて何も楽しくないし。」
「んだと?!」
その時、古時計の様な大きな鐘の音が鳴る。
まずい! もう入学式の時間じゃないか!
少年の方を見るとこちらには目もくれず学校へ向かって行った。
僕も早くしないと遅れてしまう。だが、目先の猫ちゃんの方が大事だ。
「ほーらおいで。」
「ニャー... 」
見ると足から血を垂らしている。これは魔法の出番だ。
《治癒》
出血がみるみるウチに治っていく。
「立てる?」
「ニャー!」
さっきと違い、返事に元気がある。もう大丈夫だな。
そろそろ学校へ行こうと立ち上がったら足首に温かい感触が触れる。どうやら懐かれてしまった。
「うちに来るか?」
「うにゃーん」
ゴロゴロと喉を鳴らしながら差し伸ばした手に頬擦りしてくる。
恐らく肯定の意味だろう。僕の後ろを黒猫が着いてくる。
黒猫じゃあ今後呼びずらいな...「くー」で良いか。
そうこうしている内に入り口へたどり着く。
...遅れてしまったけど大丈夫かな?
名前:エドワード・クランゲイン
家族:アシュワード くー
種族:人間
固有魔法:治癒魔法




