No,15 2重
翌日、朝早くに部屋に入り荷解きをする。
「お、懐かしい。」
出てきたのは、拾われて初めて貰ったぬいぐるみだった。
まだ人間不信が抜けなかった頃、このぬいぐるみだけが唯一の家族だったな。
思い出に浸ってるうちにいつの間にか荷解きが終わっていた。
「あとはこれだけだな。」
禁書の魔人
心の中で呼ぶだけで手元に飛んでくる。便利な本だ。
「我をお呼びでしょうか。」
「あぁ。今日から本格的に学校生活が始まる。それで、お前の体を作ろうと思ってな。」
「成程。核となる魂を使わない肉体の形成。欠損部位への移植...といった所でしょうか。」
「話が早くて助かる。僕の実験の手伝いもお願いしたくてな。」
そう言いながら肉体形成を始める。
素体は...僕でいいか。ただ、それだと見分けがつかなくなるから性別と顔、あと身長を弄るか。
暫く弄っていると別人になった。これでいいか。
人形にディークの精神を同期させる。
「動けるか。」
その問いに、ディークは行動で返した。
動作良好。成功だな。
「僕、これから学校だけどディークはどうする?」
「ここで主の作った魔法の勉強をしています。」
「ん。おっけー。」
―――――
「今日の授業は一般魔法についてです。」
その言葉に、生徒達は一斉に教科書を開く。
「一般魔法にはそれぞれ下級中級上級に分けられており、メインの詠唱式や魔法式は変わりませんが、階級によって前置詞が違います。」
「上級に分類される魔法は他の階級に加えて特殊な技術が入ります。その例が付与魔法です。」
付与魔法。物に魔法を文字通り付与する事で物体の強化をする魔法。
これにより、多角的魔法攻撃が可能になる。
多角的...そういえば、何故魔法の同時発動はできないのだろうか。後で実験する必要があるな...
―――――
「イオラさん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど良いですか?」
「ん〜? いいよ。どしたの?」
そこで僕は疑問に思っていた事を話した。
「なんで魔法の同時発動ってできないのかなと。」
その言葉にイオラさんらは少し考える様な素振りを見せる。
「んー...実際、やってる人は居るんだけどね。」
「居るんですか?」
「うん。猫組だとハリーちゃんとか。」
あの人、そんな凄い事ができたのか。
「じゃあ、エドくんもやってみたら?」
確かに。
そう思い実践する。
《下級火+下級水=霧》
辺りに霧が充満する。
「成功ですね。」
名前:ディーク
家族:――
種族:???
固有魔法:混沌魔法
備考:―――――




