【第83話】3章プロローグ
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ニュース特集の時間となりました。
「我が国で現在発生している事件及び事変、災害情報を専門の方をお呼びして議論させていただきます。
まずは各地で発生しております疫病の件です。現在全国的に体に発疹をきたす疫病が蔓延しております。ご高齢の方や乳幼児に関しましては死傷者も少なからず出ております。
調査や治療を政府機関や医療機関が進めておりますが、その点をお聞かせ願いますでしょうか。」
「はい、検疫組織の管理及び細菌の研究をしておりますAと申します。よろしくお願いいたします。
調査は進めておりますが、原因は不明です。衛生管理など徹底しております我が国におかれまして何故そのような事象が起きたのか謎で仕方がありません。
対策としたしまして検疫体制の見直しを図っております。また、発生個所に法則もないことから非自然的現象ではないかと思われます。
まぁ個人的な考えですがね。」
「Aさんどうもありがとうございます。」
「非自然的とはどのような事だとご推測されますでしょうか?」
「ああ、はい。個人的な考えなのであまり言いたくはないんですよ。だからさ、天候とかそういったことで起こる細菌やらウィルスやらの増殖ではないってことですよ。」
「ええと、すいません。そうでしたら原因はなんだと思っておられるんでしょうか?」
「ああ?はい。どうしても聞きたいんですか?これは何かの意図的な…」
『ざぁぁぁぁぁ』
「失礼いたしました。CMが入ります。」
「なんなんだよ おい!」」
…。
「「ついに出るってよ!!! 」」 「「なになに!?」」
「「これだよ! みなぎってくるわぁぁぁぁ!!!!!」」
「あんたそれじゃ 勉強になんないじゃあーん!」
「「だはは! 新体力剤 ! みなぎりゼリー!」」
『『シン はつばいぃーーーーーん!』』
…。
「はい、失礼致しました。Aさん、および視聴者の皆さま大変申し訳ございませんでした。
続きましてはBさんにもこれら疫病の件のお話をお聞きしたいと思います。
Bさん、よろしくお願いいたします。」
「Aさんは真面目だからなぁ、俺が思うにはね、あれは河童のせいだと思うんですよ。」
「「はい?」」
「各地で目撃者がいるんですよ。
その方々に直接取材しましてね、大体川の近くに住んでるんですよその方たち。
面白いよね。
犬の散歩中に見たんだって。犬が吠えるから川の方を見てたら人のような姿の何かが川から頭出してたって。そっちに物凄い勢いで吠えて走って、引きずられるようにしてその近くまでいった方もいるんですよ。ただ、その後そいつに気が付かれて川に潜っていったんだって。
あとは地方の大きな公園で2人の子供が行方不明になった事件、あったでしょ?1人は自力で帰ってきたようなんだけどね、その子が奇妙な事言っててね。もう1人の子を丸呑みしたって。間違いないよあれは河童。」
「失礼いたします、Bさん、河童と疫病の関連性はあるのでしょうか?」
「それはわかんないけどさ、不吉じゃない?そうゆう目撃情報今まで何件かはあったけど、ここ最近急に増えてるしさ。
あとあれだよ、山からサルの、なんだっけあの獣……。」
「Bさんありがとうございます。オラータンが住宅に侵入する事件ですね。
これも最近多発している事件です。
Aさんお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「ええっとゴホン。先ほどは失礼致しました。
獣に関しては専門ではないのですが、明らかに異常行動を示すようになってきております。
尚、冒険者の方がそれらの対策に乗り出しておりますが、正直手が回っていないように思われます。早急な対策を講じている最中だと思われます。」
「はい、Aさんありがとうございます。では最後に隣国で発生したスリバーチ号の件に関するニュースですが、討伐が見事なされたと政府からの発表もございました。
現在近海や沖合の海を探索しその他の船がそのような被害があったかどうかを調査中とのことです。
また、わが社が独自で入手したスクープ映像でピーナツ号の入港から冒険者の方々の撮影に成功致しました。
あの方々の情報をこれ以上は入手することができませんでしたが、その点お考えを持っている方はいらっしゃいますでしょうか?
ええ、はいBさん。」
「あの大きい人、ええっと確かコーダンさんだね。界隈じゃ有名ですよ。彼が討伐に加わっていたってことを考慮すると。かなり重大な事件だったと思いますね。
実際に生の声聞いて討伐成功だなんて言われてないもんだから、わからないことだらけですけどね。
ただ、今こうして巷で流行っている疫病やら獣やらの事件と関係がない訳じゃないと思うなぁ。知らんけど。」
「「知らんけど?」。Bさんもう少し真面目にお願いできますか?」
「いやだって、そうでしょう。個人でどうこうできるレベルじゃないなら被害にあわないようにするくらいしかできないっしょ?」
「ゴホン、Aです。そうですね、山や広い森の近辺の方には任意で避難を呼びかけております。」
「Aさんありがとうございます。そうです、Bさん、皆様大変失礼致しました。
みなさん危険が迫っている可能性がございますので是非追ってニュースを見てください。
では、これからは高級スイーツ特集です。」
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背の高いガラス戸から青空が見渡せる。広い空間に白いふかふかのソファ。磨かれたフローリング。豪華な装飾が施された額縁の中に入った宗教画が白い壁に飾られている。
壁に埋められたTVをソファから見ている何者かと、暖房が効いた床にだらしなく寝そべる者、そして奥で料理をする者。
趣味や嗜好が全く違う3人が優雅な生活を送っているように見える。ここはどこなのか…。
「ん?? なぜ奴が鍵を ・・・」
『計画を変えねばな ・・・』
ソファに座る男がTVを見ながらそう言う。
「ああぁ ・・・ 眠いナァ ずっとここで寝てられる」
床で寝ている男がそう言う。
『『カンカンカンカン』』
包丁を走らせる音がTVの音に交じってこの部屋に響き渡っていた。




