【第81話】2章エピローグ その2
ピーナツ号は航海を終えナンテコッタイの港に着いていた。そこには報道陣の群れが辺りに広がっていた。
『『わぁーーーー エゾマさん! 詳しいお話を!』』
『『だれだあの若いの! 冒険者か!』』
『『今回の討伐の任務について お聞かせください!!』』
『『パシャパシャ』』
シャッターの光が広がり、色んな声が船着き場で響いていた。
「あっ!」
皆で船を降りるとそこにマユミが立っているのがパインは分かった。
「やったわね ・・・・ パイン君 アッシュから聞いたわよ」
おそらくコーダンか船長かエゾマが彼に連絡を入れたのであろう、こうして報道陣が群れを成しているのにも納得した。
人ゴミから少し離れたところで彼女にあの事を伝える。
「えと ずっと好きだったって ・・・ あのサメを討伐した後に ・・・ 聞こえたんです」
「伝えてくれって ・・・」
「そう ・・・・」
マユミはその場で泣き崩れ、しばらく自分も動くことができなかった。
後から聞いた話で彼女達が最初にあのサメの被害にあったことを知った。
//////////////////////////////////////
速報です。今朝ナンテコッタイの港にピーナツ号が航海を終え、到着致しました。一連のタンカー船襲撃事変における怪物の駆除がなされた模様です。政府は極秘に討伐隊が編成され、この任務をピーナツ号に依頼していた模様です。
現場に繋げます。
「インタビュワーのAです お伝えしてまいります!」」
「あの!すいません! 金髪のあなた! 冒険者の方ですか! 今回の任務は如何でしたか!」
「あっ 俺? はい 皆で討伐しました!」
「「どっ どのように!」」
「「ちょっと パイン! 今はやめなって!」」
「「あれっ! あなた若い女性も乗っております! お聞かせ願えますかー!!!」」
あっ、中継が切れました。
ゴホンすいません、また最新の情報が入り次第お伝えしてまいります。
尚。現在多発しているその他の地域での怪物の被害の事件とこの件が関係があるのかも追って報道してまいります。
以上です。
--------------------------------------
「「ねぇ!なにこれ! あなたこれ見て!パインじゃないの!えええぇ!!」」
「なんだ? んぁああ!!?」」
パインに似た顔の夫婦が朝から彼らの家に悲鳴を轟かせていた。
//////////////////////////////////////
「ねぇ見てこれウケるんだけど ・・・・」
「えー いいなアタシも冒険者なろっかなぁ」
「いや無理でしょ ・・・・」
来月号の冒険者雑誌には恐竜ガラのパンツをはいた金髪の青年がピーナツ号にまたがる、マンガ調のイラストで、でかでかと表紙を飾っていた。
//////////////////////////////////////
「ねぇ ママ私も ・・・・ お母さんになるみたい ・・・・」
「そぅ ・・・・」
ある一家の屋根の下、抱き合う2人の女性の姿があった。
「ねぇママ ピーナツ号って知ってる?」
そう喋る女性の母親が「うん」と答える。
「じゃあなんで その名前になったか分かる?」
母親は顔を横に振る。
「あの船は何回も壊されて、それでも何回も修理しているんだって。
その内に船が継ぎはぎだらけになって、皆からバカにされるようにそう呼ばれるようになったのよ。でもね、私がそこに行った時、そんな継ぎはぎなんか一切無かった。あの船はとっても綺麗だった。みんなが一生懸命に働いて、船が白く輝いて見えたわ。そしてね、乗る人みんなが自信に満ち溢れていたのよ。私も本当は乗っていたかったんだけど……。」
マユミは涙をその母親の服で拭いていた。




