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【第80話】2章エピローグ その1

…。


「「おい! パイン起きろ! おめぇよ これ! 直せってのか!!」」


「「わぁっ!!」」


「わぁっ!じゃねぇ! こっちのほうが「わぁ!」だよ どうしてくれんだよこれー!」

 ゼンダがヤンキー座りで顔を近づけそう喋りかけていた。


 飛び起きると空一面に青い空が広がっていた。そして「コツコツ」と何名もの人が歩く振動がお尻から伝わってきていた。


「ね 寝ちゃってました ・・・ ね」

 アハハと頭をぽりぽりと掻いてやった。


「んはっ 寝ちゃってましただとよ よくこんなとこで寝れるな お前頭おかしいだろやっぱ」

 早口でそう言ってくる。


 甲板にはこの船の乗組員たちがぞろぞろと集まってきており、サンベルまで医務室から顔を出していた。


「終わったのだな ・・・?」

 エゾマがコーダンにそう聞いていた。


「オワッタヨ トウバツ カンリョウダゼ!」

 コーダンが全員に向けガッツポーズを披露していた。


『『ワァァァァーーー!!!!!』』

 船員達は帽子やらなにやら空に向け投げていた。


「「静粛に!!!諸君!!! 我々はこれより帰路に着く!!」」

『『ワァァァァーーー!!!!!』』


 ふと人ゴミの中、サクラが顔を下に向け涙を手で拭っているのが見えた。

(良かった ・・・ 本当に ・・・)


「何が討伐完了だよ! こっちはこれから大忙しじゃねぇか!」

 ゼンダだけ、不貞腐れたようにそう言っていた。だが、彼もまた目にうっすら涙を浮かべ、口元が笑っていた。


「おい パイン ・・・ これお前らが お前がやったのか?」

 サクラが自分に近づいてそう言ってきた。


「はい ・・・ その皆で ・・・ 頑張りました」

 「そうか」と言われガシと肩を掴んできた。


「ありがとう ・・・ パイン ありがとう ・・・」

『『ありがとう! パイーーーーン!』』

 漁夫の皆もサクラの後に続きそう労ってくれていた。


「「静粛に!!! 討伐の任は成されても尚この海は危険じゃ! 気を引き締めるように!!」」

 エゾマがそう話すも辺りはまだ熱気が収まっていなかった。


「パイン君 君は ・・・」

 サンベルが今度は近づいてそう話しかけてきていた。


「君は一体何者なんだい? なんで君だけ無傷なのかい?」

 彼だけが自分の正体を探るべくそう言ってきていた。


…。


「俺も ・・・ よくわかりません ・・・ ただ ・・・」

 サンベルがその言葉の続きをゴクと唾を飲み待っている。


「ただ ・・・ これが俺の生き方なのかもしれません ・・・」

 その言葉にサンベルは哀しみの表情を作っていた。


「なら 僕からはもう何も言えないな ・・・」

 そう言い彼は医務室まで戻っていった。去り際にみんな無事だと伝えてくれた。


(何か悪い事でも言ったかな ・・・)

 そう思いながらも、この歓声の中の居心地は非常に良かった。


…。


「「おらぁ オメェら次があるぞ!逃げるんじゃないぞ! おい!」」

 片付けが終わると今度はゼンダ主導の下修理作業が始まる。


 彼の怒号の中、医務室のドアがガチャと開いた。


 そこからリンデルが飛び出し、自分めがけて走ってくる。ピンク色の髪を青い空になびかせ走る彼女の姿は誰もが目を見張っていた。そして彼女の目には涙を携えていた。


 掃除道具を手放し、飛び込んでくる彼女を胸で受け止める。


『『ヒューヒュー!!!』』


「「おいお前ら からかうなよ!! おら仕事しろ!」」

 珍しくサクラが怒号を飛ばしていた。


 皆が見ている中2人してしばらく抱き合っていた。


『もう終わりにしよう ね 帰ろう』

( ・・・ )

 しかし、その彼女の言葉にパインは軽く頷くことしかできないでいた。

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