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【第69話】航海 7日目 特製石弓

 時より揺れるベッドの中パインは物思いに更けている。外はまだ暗く、彼が見ている景色はゼンダが寝ているベッドの下の木の板だ。


…。


 ナンテコッタイから出航して今日は7日目、色んな出来事があった。この旅も少しではあるが慣れてきたように思える。


 夕方以降はほぼ毎日サクラの夕食の支度を手伝う。それも大分出来るようになってきた。サクラの教え方は非常に分かりやすかった。最初は食材のカットを、今はフライパンまで持たせてくれている。もちろんソースだけは全く教えてくれる気配は無かったのだが。他の漁夫達が彼に対する絶大の信頼を持っているのが何故なのか、なんとなく分かった気がする。


「「おい! 起きてるか!!! パイン」」

 上からゼンダの声がする。彼の周りにあまり人が居ないのも「申し訳ない」のだがそれも分かった気がした。


「あ 起こしちゃいましたか?」

「「アッハやっぱおめぇ起きてるんだな 下でモゾモゾ動いてるの分かったからよ「なに」でもいじってるかと思ったがそうじゃねぇみてぇでよかった」」

「「おめぇフナオーこれから獲るんだろ? やったことねぇんだよな!」」

「はい ないですね ・・・」

「「おれはわけぇころ よく獲ってたんだぞ」」

「あっ 言ってましたよね」

「「そうさよ アイツに乗った時の感覚は今だって覚えとるぞ どうだ? 聞くか?」」


(断っても 多分喋るんだろうな ・・・)


「どんなだったんですか?」

「「今みてぇにこんな羽振りのいい船じゃなかったからよ 冒険者なんて銭ゲバみてぇなやつら乗せねぇで航海するんだ」」

「「あいつら見かけによらず クジラでもシャチでもサメでもイルカでもなんでも喰っちまうんだ」」

「「だから船長が腹いせによ フナオー獲ってこいっていうもんでよぉ 俺は最初嫌だったんだが 皆の手前やるしかねぇだろ?」」

「は はぁ ・・・ はい」

「「スパイク靴なんてけったいなもん積んでないわけよ だからそれも自分で作ってよぉ」」

「さすがですね」

「「だろぉ? だがよ 最初は失敗したんだ ・・・ あいつに刺さった釘が抜けなくなって 焦って海に落っこちたんだ」」

「「もう 終わった そう思ったよ だがなんとか仲間が引き上げてくれたんだ」」

「「そっからあったまきてよぉ 改良に改良重ねていい靴敷仕上げたんだで 」」

「「そいつは ほんと自分で言うのもなんだが 安定しててよ やつの脳天銛でぶっさすことができたんだよぉ 何匹やったかな」」

「すごいですね ・・・ 」

「「もうそっからは フナオーばっか獲って 挙句の果てにその金で船の皆引退しちまってよぉ 全く ・・・ 誰のお陰だよってな」」

「「おれぁよ 別に金の為だけに乗ってるわけじゃねぇんだ ・・・」」

「「エゾマも言ってただろ? 航路を守るってな ・・・ 俺はそこまでは考えちゃいねぇが 近いもんはもってる」」

「使命感みたいなやつですか? 俺は ・・・」

「「そう それだよ使命感! いい言葉いうじゃねぇかよぉ んで今日作るあれだが ・・・」」

 パインの妄想する静かなひと時は彼の目覚めによって打ち破られてしまっていた。


…。


 ゼンダと一緒に朝食を済ませ寝室と同じ海上2Fの倉庫の奥にある作業部屋に足を運ぶ。そこには四角い箱を並べたような棚がいくつもあり、その中には様々な工具がキレイに置かれている。部屋の真ん中には大きな作業机があり、その机の中にもいくつもの引き出しや棚が取り付けられ、定規やらが所狭しと吊るされたり並べられている。そして奥には資材を置くスペースがあった。


「これ これだよこれ あの手すりと同じ部材なんだがよ 加工すんの大変だったんだぞ ほれ持ってくぞ」


 1.5mほどの長さの真っすぐな木の板であったが、手すり同様、厚みが7センチ幅が10センチほどあった。両端は細くなり、先端は細かく加工されている。随所に欠きこみや穴が開いており、彼の言うのも確かなんだろうと納得する。


(これが石弓の ・・・ そもそも石弓ってなんぞ?)

 おそらくそれのパーツであろう物もそれの隣に置いてあった。


「ボイラー室いくぞ それ持ってついてこいや」

 「はい」と返事をし、重いこの板をもって海上1Fまで足を運ぶ。おそらくそれの重さは20キロ近くあるんじゃないかと思った。


…。


「「おう お疲れさん ちとお湯かしてな!」」

 ボイラー室はありえないくらいの高温であった。そこで裸同然で作業をしている船員がいた。


(見えないところで頑張っている人も居るんだな ・・・)


 ゼンダはその船員に声をかけ、既に用意されていたこの板が入る大きさのいけすの中にジャアとお湯を注ぎこむ。お湯というよりもはや蒸気のようで、辺りが白く霞んだ。


「「ほら おめぇさんぼけっとしてねぇでそれ浸けろや!」」

 ゼンダにそう言われいけすの中にこの板を入れる。


 まるまる浸かった所でゼンダがバルブを閉めた。


…。


 作業部屋から大き目の工具のようなものを数点腕で抱えながら甲板に上がる。船首まで足を運びそこにそれらを下ろすよう指示を受けた。


「丁度よかったっちゃあ丁度よかったんだがな これ このベンチ外すぞ」


 コーダン愛用のマグロ釣り用のベンチを2人で外しにかかる。


「こいつ つけるために下に補強してあんだよ それ使うぞ」


…。


 外し終わると今度は持ってきたこの柱のようなものを甲板に直に取り付けていく。取り付け箇所はあらかじめ決められており、模造紙をゼンダが広げ、場所を鉛筆で印していた。


「芯で捉えろよ 目いいかおめぇ? ちげぇ芯だって 墨の芯だよ ・・・ ま ん な か!!!!」」

 気合が入ったのかどんどん語気が荒くなっていく彼に急かされどうにか作業をする。


…。


 作業部屋に戻り、今度は部品の加工を手伝う。


「臂仕上げるぞ」

「????」

「ひ じ !! 弾乗せるとこだよ 何も知らねぇんだなほんと ほれっ!」

 ゼンダに金属の何かを受け取る。

「「うわっ! ちょっ!!」」

「「あっはは なにびびってんだよ 火薬は抜いてあっからビビるこたぁねぇよ!」」

 おそらくロケットランチャーか何かの弾であった。いきなり投げるものじゃない。


「「お前の上司か誰かはわからんがとんでもねぇの作らせるよな まぁおもしれぇからいいけど!」」


 そもそもロケットランチャーがあればそれでよくないか?その疑問はさておき、作業に入る。

 この臂と呼ばれる部分のカットを任される。ノコで切るのだ。

 弾が入るようコの字の溝が掘ってあった。


「「おめぇ この木を足で抑えてノコで切るのか? できんのか? ・・・ ほれみろできるわけねぇだろ!」


 クランプ、先ほど甲板にも取り付けた挟むもので臂を挟む。


「う うそだろ!?」


 ノコを引くもまったく刃が入っていかない。物凄い硬さと粘り気のようなもので刃が両側から押され力が入りづらい。


「「だはは! そうだろ? 大変だろ!? 分かったかよ おら頑張れ!」」


…。


 半分まで刃が行くのに10分以上かかっている。ゼンダに教えられた通りにやっているのにだ。あの丸太椅子を切り出した時とは別の疲労感が全身を襲った。


「「ブレだよ おめぇはブレてんだよ 貸してみ」」

 ゼンダにそう言われノコを渡す。


(・・・ すごい ・・・)

 ゼンダはものの数分で最後までカットしていた。


「だぁ だめだこりゃ使えねぇ 随分斜めに切りやがって ほれ みてみろ」


 切り口をみると確かに斜めになっていた。しかもノコの通り方がゼンダと比較すると全く違っていた。彼が引いた跡はツルツルしており、断面はキレイな直線で垂直にカットされていた。


「だはは こうなるってわかっててかなーり長めんとこ切らせたんだよ ほら 次は本番だ 頑張れ ・・・」


(そういうことか ・・・ うし!)


…。


 時間はかかったがゼンダの動きと目線を真似してやり、どうにか切ることができた。


「ん-まぁ やすればなんとかなるな ・・・」


 ゼンダは切った所を電動やすりで綺麗に仕上げていた。


…。


 その他の部品はすでに完成されていた。それらと、ボイラー室で似ていた大きな木の板を甲板まで引き上げる。


「ここからが 本番だ 俺の頭ん中では上手くいってる 手伝いな」 

 ゼンダがそう言うと、あの煮たまんまのこの板の中央を甲板に固定されたクランプに挟み込む。


「おら おめぇの馬鹿力で そっち 端 上に持ち上げろ そう そうだ ゆっくり」


 ある程度持ち上げた所で次のクランプで挟み込む。


 物凄い力を必要とした。逆側も同じことをした。今は丁度緩やかなU字型になっている。


 次は板の両端に空いた穴にロープを入れ、今度は下に曲げていく。下の部分に歯車の付いた支柱にロープを渡し、そこを引き上げた。その支柱に付いたギザギザの刃でロープを固定した。


 逆側も同じことを行う。


 するとこの板の形状は緩やかなSを2つ並べた形状になり形を留めた。


「晴れててよかったな もし 曇ってたら乾燥室でこの治具から作るところだったぞ!」

※治具は工作物の作りに合わせた形状の台とでも言わせてください。


「おら これ塗るぞ 午後にゃ乾燥するからな ・・・」


 次は黄色と黒の危険を思わせる模様の描かれた容器に入った薬剤を2人で塗っていった。

 特殊なゴムの接着剤のようなものと言っていた。


「「くっそ高いんだぞこれ! こぼすなよ ・・・ おい! あぶねぇなぁほんと ・・・ 刷毛の毛はほら ・・・」」


 指導が入りつつもなんとかそれを慣行する。


…。


「おめぇの女 リンクルだったか? あの女 随分狙撃うめぇな ・・・」

 パインはゼンダと早めの昼食を食べに食堂にいる。


「リンデルです それにおれの女ではないです ・・・」

 彼の口からはいつだって冷っとする攻撃をしかけてくる。


「さっき 上がった時オンツバメ2匹落としてたべ あれ撃てる奴あんまいねぇぞ? いい女だしよ おめぇにゃ確かにもったいねぇな」

「ああ 確かに落ちてましたね ・・・ そうなんですね」

「これ結構珍味で有名だしな 俺はあれ食いたさにこうして船乗ってるってのもある ほれ これ」


 こうして食べているソテーを箸で掴み見せてくる。


(これがそうだったのか ・・・)


 厨房でやるときは既に解体されている肉だったので元の形状の事は知らなかった。


(そういえば ・・・ もぐもぐ うまいうまい ・・・)


 ここの所あんまりリンデルと会話してないなとふと思ってしまった。


「なんでい 急にしけたツラしやがって ・・・ 男かよおまえ」


(・・・)


…。


 その後ゆっくりと2人は休憩し甲板へと戻る。もちろん耳は休めなかった。


 支柱に付いたクランプを外し板を取り出す。


「「ほれみろーーーーー!! できてんじゃねぇかよ おれはやっぱ天才だな」」

 綺麗に弓なりにしなっている板が完成していた。

※フィクションです。おそらくもっと乾燥がいると思います。ご了承下さいませ。


 その板に他の部材を組んでいく。


「あのでかいおっさんの糸でよぉ たしかこれ ボンスパイダーの糸を加工したやつだろ ・・・ 一般人じゃ見るのも難しい ・・・」


 最後にあのコーダンの竿に使われていた糸を弦として用いる。よくわからない単語を言われたが半分それを無視してゼンダの仕事を手伝う。


「「うっし!! 完成だ!!」」

「すごい! これが石弓なんですね!」

「「なんでぇ おめぇ そんなんも知らねぇで作ってたんか? 本当はもっとちっこいけどな!」」

 怒られるかと思ったが、完成した気分のいいゼンダはそうはしなかった。

 それを手渡され持ってみると、かなりの重さであった。

「「ついでに的作ってやるよ おら手伝え」」


 支柱のあった部分に今度はもっと長い柱を取り付け、そこから逆L字に木を繋げそこに鉄板を細いロープで垂らした。


…。


--------------------------------------


(ふぅ ・・・)

 パインは火薬を抜いた弾丸、おそらく30センチはあるそれをゼンダ特製石弓に装填している。

 あの透明な丈夫な弦を引くのには大きなフォークのような物を使って持ち手側に引っ張る必要があるが。


「「んんっ ぐ ぎぃいいいいっぃ !!!!」」


(なんつー力使うんだ ・・・)

 この石弓を持ちながらそれを引くのはかなり重労働であり、本気を出さないと引くことができなかった。そしてこの、弦を張った弓から危険な物を感じてしまう。


(これ ・・・ はじけたら ・・・ 結構やばいことになるんじゃないか?)

 弦を抑える部分もかなり丈夫に作られているのにも関わらず音にならない振動が持ち手から伝わる。

 それを横でニコニコ顔のゼンダが見守っている。


(ホラーだ ホラーの顔だよそれ ・・・)


「や やりますよ ・・・」

 無言で頷くゼンダ。


…。


『   ッ   』


(!!!!    って!)


『『ブワッ !!!!!』』『『ガァーーーーーーーーーーーーーーーン』』

 臂が胸に食い込み「ング」と変な声がパインの喉から出る。


 持ち手から全身に物凄いエネルギーが伝わってきた。


 そして……。


 的の分厚い鉄板はロープを引きちぎり粉々に吹き飛んでいた。


「「お おほ こりゃ やべぇもん作っちまったな ・・・」」

「「弾見えなかったぞ ・・・ 音速どころの騒ぎじゃねぇぞそれ!」」


 風圧でゼンダのメガネはどこかに飛んでいたが、それに彼が気が付くのは少し経った後であった。興奮した彼に俺もやると言われ交代した。


…。


「「んがあああああぁ!!!」」

 あえなく彼は医務室送りとなった。反動に耐えることができなかったようだ。


(あああ ・・・ サンベルさんに後で絶対怒られるやつだ ・・・)

 しかし彼のやり切った顔はなんともいえない良い表情であった。


…。


「「オイ ナンダ カンセイシタノカ!! オイ パィィン!」」

 パインがこの石弓の装填をどの態勢で行うのか確認していると後ろからコーダンが話しかけてくる。


「「ミセテミロ!」」

 そう言われ手渡す。ジロジロとそれを「片手」で見ている。


「コイツハ ・・・ イイカンジダ! ・・・ トンデモナイパワー カンジル ・・・」

 そうです。半端ではないです。あなたも。


「オレニ ウッテ ミロ !!」

「 ・・・・・・ え?」


(頭おかしいのかな?)

 しょうがないので、言われた通りの事をしようとする。コーダンは的があった柱の前に立ち、あのパインをすっぽりと覆う形の盾を持っている。


(いいのかよ ・・・ うーん 気が引ける ・・・)

 チラと見張り塔を見ると女性陣もそれを見ていたようで、ミグーナが顔をコクと縦に動かした。

(大丈夫なんかなぁ ・・・)

「「ハヤクシローーーーー!!!!!」」

 船首からコーダンの爆音が響く。


(そんなに楽しみなのかよ ・・・ 知らないからな!)

「「行きますよ!!!」」

 石弓を下に向けながら重たいレバーを引く。


『『ガチッ』』

 どうにか装填は慣れてきた。

 コーダンの構える盾に狙いを定める。


(すぅ ・・・・・・・・・ )

『   ッ   』

『『バイィィーーーーーーーン』』

 鈍い音がパインの耳に入る。着弾した後にだ。


「「ウオオオオオオオオオオオォォォ!!!」」

 コーダンは興奮していた。1、2mほど後ろに下がっていたがこの弾を彼は盾で防いでいた。やばり、化物だ。


 盾は変形し、弾であったそれは溶けた金属になり、変わり果てた姿となっていた。


(・・・)

(見間違いか? 前に俺が殴った時の方が ・・・・・・)

「コノ ソクド ゼッタイヨケラレナイ イイモノツクッタナ パイン!」

 何事もなかったかのように船首から歩いてくる黒い化物。


 彼は不気味に白い歯を見せて笑っていた。


「「おいアンタたちーーーーー!! ヘルダイバー!!!!!!」」

 塔の上からミグーナの叫ぶ声が聞こえてくる。


(こうもタイミングよく 現れてくれるものか ・・・ 的が ・・・)


--------------------------------------


「パインたまには俺にも恰好つけさせろ!」

 後ろから今度はチャーギが顔を覗かせる。


(いや 俺は恰好つけて ・・・)


「コーダンさん 俺があいつ押さえます パイン アイツの頭狙えるか?」

「はい 大丈夫 です」

「チェッ ・・・」

 コーダンはどこか寂しそうにパインの隣に立っていた。


「「チャーギーー 気ぃ抜くんじゃないよぉ!!!」」

 ミグーナが塔から声を張り上げている。今度は彼女らの援護は無しのようだ。


「「大丈夫です!」」

 チャーギが剣片手にそう叫び返す。

「「こい!!!!ッ!」」

 チャーギが挑発し剣を振り上げる。


 挑発に乗ったヘルダイバーはグライダー攻撃をチャーギ目掛けて仕掛けられる!俗にいう一番危ないやつだ。


『『ズガガガガガッ』』


 巨大な爪で甲板に滑りこんでくる。

 それをチャーギは躱し、爪に剣劇を加えた!


(すごい ・・・ !)


 ヘルダイバーの動きは確かに昨日のそれではなかった。麻酔や翼にダメージを負っていない奴のスピードは目で追うのがやっとだった。


 それをギリギリのところで躱しながら、反撃の剣劇をお見舞している。

 羽毛が舞い、次第に魔獣の方が後ろに下がるようになってくる。


「「パイン そろそろよ!!」」

 ミグーナはすでに塔から降り、やや後ろから自分にそう叫んだ。


 ハッと気が付き、束で置いてある弾を1本装填する。


『『ガチッ』』

(なんか重い? 気のせいかな ・・・)

 チャーギの攻撃が魔獣の右翼を半ばから切り落とした。


「「今だ!!」」

『『ガァァァァァァ!!!!!!』』

 チャーギの叫びの後にヘルダイバーが苦悶の表情を携え上空に向け咆哮を上げた。


 狙いをつけトリガーを引く!

『    ッ    』

「「・・・・・・・・・・・・」」


(しまった外した!)


…。


 怒気を帯びたヘルダイバーがチャーギ目掛けて猛攻をしかける!


 チャーギはヘルダイバーの渾身の左翼攻撃を受け、吹き飛ばされる!


「すいません! もう一発!」

 パインがそう言った頃にはミグーナがさく裂弾をヘルダイバーに放ち胴に着弾。ヘルダイバーを後退させていた。しかし怒り狂った魔獣はそのまま腹部を破壊されるも前進しチャーギに攻撃をしかけようとしている。


 弓を放ち終わった彼女はそのまま前進し、チャーギの救出に向かっていた。


 ヘルダイバーがチャーギの所まで一気に進み渾身の口ばし攻撃を仕掛ける!


 それをミグーナがチャーギにタックルすることでぎりぎり躱す。


 勢いそのまま彼女は甲板を蹴りヘルダイバーの首に飛びかかる。


 しがみつかれもがき苦しむ魔獣を彼女は両手のナイフで彼の喉元をねじるようにして見事に切り落としていた。


--------------------------------------


「パィィイン ハズシタナァアア ・・・」

「 ・・・・・・ 」


…。


(チャーギさんがもう少しで ・・・ )

「どいて ・・・ 」

 ミグーナはチャーギを抱えて医務室に連れて行った。

「は はい ・・・」

 顔を俯け、パインはそれしか言うことができなかった。


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 塔の上からリンデルはそんなパインの様子を見ていた。

(・・・・)

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