【第43話】白い夢
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『ゴオオオオオオオオ』
もの凄い突風が吹き荒れる。
白い丘のような大地。ここはパインの夢の中なのか?
大地はつるんとしていて、気を抜いて歩いてしまうとあらぬ方向に転んでしまいそうだ。その上空にはきれいな青い空が広がり、雲一つない。不気味なまでに単色の空である。それらをゆるりと見上げたり、見下ろしたりしている。
その大地に人がすっぽり両手両足を広げられるほどの径の穴が開いている。滑らかな曲面が穴の先へと続いており、その穴の中は漆黒の闇が続いている。
時折その穴から「ブオオ」だか「ブシュー」だかの音、そうだ呼吸のような音が細かい水しぶきと共に鳴り響いている。
その場所自体が生きているかのようだった。
その丘を転げるように下へ下へと下っていく。
…。
すると今度は水中へと場面が変わった。
まだ陽が射す明るい水中へとその大地は急な曲面をなし、深い水中へと続いていった。
今度は巨大な瞳が水中の丘に現れた。
金色と黒色の瞳は、どの生物の瞳ともいえぬ3重の円で描かれている。円に沿ったひし形の模様は水中に轟く鼓動に合わせ脈を打っていた。
それぞれの円を併せ持った瞳がこちらを見ている。ピントをこちらに合わせ「ギュル」と収縮する。
水中を離れ再度白い丘を登り、穴までやってくる。
そして穴の深淵を覗き込んだ。
そこから黄色い球が底から打ち上げられた。球を避けるとそれは大空に打ち出されていった。
美しいそれは大きさを変えこの丘を跳ねるようにして深い青色の海に向かっていった。
球は絶えず大きさを変えながら広い海原の上を跳ねていく。
球は岸に着いた。
誰もいない大地を跳ね、街を跳ね、ビルを跳ねる。
すると白い大きな鳥の爪がその球を捕らえる。
その鳥は凛とした表情で空を駆ける。次第に玉の色がパールのように輝きだす。
爪が開かれパール色になった玉はさきほどの穴の中へと落ちていった。




