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【第28話】3人組

「ふぁぁ」


(随分寝ちゃったかな)

 頭をこするといつもの長い髪の感触がソワソワと手のひらを無数の毛がくすぐるのに置き換わっていた。


(そうだ ・・・ 髪切ったんだった)


 ふと何やら外から人の話し声がするのに気が付く。


(あっ まっずい アッシュ怒らせる やーい)

 体が反射するかのようにテントの外に飛び出る。


 見慣れた男となぜかあの草原であった少女のような見た目の女性がパインの目に入ってきた。


「おはようございます え~と? 昨日羽根くれた方ですね?」


 寝起きで喋るのに慣れていないパインの喉から出てきた率直な言葉で2人は半秒ほど時を止めた。


『『ばごっ』』


「イボ骨パクったやつだよ しかもおめぇもっとやられるとこだったぞ」

 投石されたのかと思うほど硬いアッシュの拳にパインは殴られた。それを受け、悶える彼はやっと正常な思考を取り戻したかのように思われた。


「あっそうだ 昨日は遅くなってすいませんでした!」

 咄嗟にでたその言葉に再度2人の時間を止めてしまう。


(アホ ・・・) (やっぱバカだわこいつ ・・・)

 アッシュはもういいやと呆れ顔を作った。女性も目を細めてパインも見た。


 間をもって、アッシュはその場の空気を制すと彼女に何か言えと促していた。


「リンデルよ あんたのせい ・・・・ じゃなくて私もしばらくあなた達に同行させてもらうわ」

 パインは急な増員に理由も分からず、どぎまぎしてしまった。

「わぁ ・・・ パインです よろしくお願いし・・・・」

「おまえら責任とって今からイボアとってこい」

 最後までパインが挨拶を言い切る前にアッシュが言い放つ。

「「ええええ」」

 パインとリンデルの声が合わさった。

「こんな鈍くさいのとっ!?」


(鈍くさい? 嫌な事いう人だなぁ ・・・)

 パインはそう思いリンデルと名乗る女性を横目に見る。

「うるせぇ早く行け タコ殴りにするぞ」

 パインはアッシュにそう言われた。横目で彼女を見ると、急に体を硬直させているのが彼にはわかった。何かあったのかと少しパインは首をかしげてみた。


 まるでコントのようなやり取りを山の自然は平然と見守っている。


…。


(バイクがないな ・・・)

 パインがどうやってここまで2人が来たのかを知ったのはしばらく後だった。

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