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夕陽が落ちる頃の夢  作者: 朝宮ゆう
おばさんと言う職業

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8/17

付き合ったらする事

思い出した。

高水君は、とても不器用な人だった。

あの日、2人でベッドに腰を掛け

「僕コレしか知らないんで」

と言うと、再度また押し倒して来たのだ。

「ちょっと違うと思います」

押し倒され、また目が合う。

このままセックスしても良かったのかも知れない。

ただ、セックスしたら終わる様な気もした。

「じゃあどうすれば?女の人はみんな僕の上に跨がり腰を振るよ?初めてだから怖いのかな?安心して直ぐに気持ちよくさせるよ?」

高水君は真剣な顔をして言った。

流されたい気持ちが込み上げてくる。

どのくらい気持ちのいい物が待っているのか、興味があった。

しかし、キスすらした事ない私は否定した。

「お勉強しましょう?」

にっこり笑い緩んだ手を解く。

「普通の恋愛について、2人でお勉強しましょう。」

私は言葉を続ける。

「先生も私も、普通がわからない。だったら、今してしまったら一生普通がわからないんではないでしょうか?」

そう言い終わるから終わらないかのうちに、私の唇は高水君の口に塞がれていた。

喋り掛けていた口は、ぱかりと開いていて、あっという間に口の中に暖かい物がぬるりと入ってくる。

キスされてる?!

理解するまでに数秒かかった。

私は快楽に流された。 

キスってこんな、気持ちいいんだ。

ふわふわと頭の中が馬鹿になっていくのを感じる。

そのまま押し倒され

「ね?気持ち良いでしょ」

と、悪びれず高水君は言った。

「まぁ、それなりに。」

認めるのが悔しかった私は素直に答えなかった。

「続きする?」

爽やかな笑顔で聞いてくる高水君。

「しない」

私は真顔答えた。

「結衣はガードが硬いんだね。友達に聞いた話だと女はヤルまでが大変だって聞いたけど、これが普通なのか。

僕は今まで女はみんな直ぐにやりたがるし、やったら自慢するものだと思っていたよ。」

ため息をつきながらも、新鮮そうに高水君は言った。

「じゃあ、何がしたいの?」

真っ直ぐに見つめ高水君は言った。

「デートがしてみたいです。」

私は言った。

「デート?それって何するの?何の為にするの?」

「それは、2人の仲を良くする為です。そうですね。場所はどこでも良いんです。ファミレスだったり、景色の良い所に行ったり。」

「ふーん」

高水君は真剣に考えているのか、よく分からない顔をしていた。

「わかった、明日学校まで迎えに行く。その後デートしよう。」

高水君はそう言うと微笑んだ。

「時間だ。」

アラームが鳴り響き、授業終了のお知らせが携帯にかかって来た。

2人で黙って部屋を出る。

リビングで母がTVを観て寛いでいた。

父の姿は無かった。

今日も、残業なのだろう。

「授業終了致しましたので、失礼します。」

高水君は母に向かって言うと、母は慌てて

「あら〜、ごめんなさい。気がつかなくて、どう?結衣は?勉強になった?英語は私は教えられないから〜。」

「娘さん、大変勉強熱心でしたよ。後はリスニングを頑張って貰わないと。」

と、全然勉強等してなかった癖に、口だけは良く回る。

頭は良いのだと、改めて高水君の事を思った。

「それでは、失礼しますね。」

玄関先で礼儀良く御辞儀して、高水君は帰って行った。


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