夢の中の夢
その日見た夢は幸せだった。
あの日、展望台の上て約束した後、高水君の家に招かれた。
両親に紹介される。
「お前が女の子連れて来るの初めてだな。ガールフレンドか?」
高水君のお父さんが言うと
「違うよ。フィアンセだ。」
と、言い家に招かれた。
「大事な人が来るから、ご馳走を用意しといてって、こう言う事だったの。」
高水君のお母さんは言った。
お父さん似なんだ。
そんな事を考えて、家に上がらせてもらった。
夢はいっぺんに悲しい思い出になった。
別れた日の事だ。
あの日、いつも通り勉強を教えてもらっていたが、同時にセックスにのめり込んでいた私は、勉強中我慢が出来なくなって言ったのだ。
「Hしたい。勉強やめようよ〜。」
「結衣、勉強しないと大学行けないよ。結衣の目指してる大学は難しいんだから。」
真剣に考えてくれてるのはわかる。
でも、その時、私達はまだ子供だった。
「じゃあ、別れる?」
思わず言った言葉だ。
本心では無い。
「一度好きになったら、一生好き。でも、結衣に一回でも、そう思われたのが僕には耐えられない。ごめん。」
そう言って出て行ってしまった。
後から追いかけても、間に合わない。
何で?
それから、連絡が全くつかなくなってしまったのだ。
高水君の代わりに女の家庭教師が付き、黙々と勉強をする日々。
嫌だ!
嫌だ!
心の中で、悲しさで目が覚めてしまった。
もう、寝れないな。
白っぽくカーテンから、陽が入る。
今日は巫女が来る日だ。
のんびりなんてしてられない。
そう思い起き上がると、涙が溢れ出して来た。
夫と娘を起こさない様に、そっとキッチンで泣いた。




