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夕陽が落ちる頃の夢  作者: 朝宮ゆう
おばさんと言う職業

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16/17

愛とは?

その日の晩、夫に求められた。

正直乗り気ではないが、断る理由もない。

私の頭の中は、夫ではない男の事で頭が一杯だった。

目を瞑り頭の中で妄想する。

「結衣、今日はなんだか激しいね。」

夫は疑問にも思う事もなく事を終えた。

事が終わると、さっさと寝ついてしまった。

私は、呆然としてただ自分に罪悪感だけが残っているのを感じた。

してはいけない事をした。

反省しながらも、その甘美な感覚にまどろんでいた。

すると、スマホがなった。

とは言え、音はならない様に消音モードにしてあるので、振動だけが響く。

「結衣、昼間はどうしたの?」

高水君だ!

わかってはいたけれど、心が躍る。

「特に理由は無いんだけど、メッセージしちゃった。」

私はドキドキしながらメッセージを入れた。

「結衣、わかってるだろ?俺は結衣だけを愛してる。けど、結衣の家族を壊す気はない。あの時の約束の通り。会う事とかは出来ないし、電話も出来ない。俺は結衣が幸せになったのを確認してから結婚したんだ。」

頭から冷水を浴びる様な感覚を感じた。

裏切ったのは、私なのだ。

まだ、許される事はないんだ。

「なんでそんな事言うの?」

私は泣きそうになりながらメッセージを送った。

「一度好きになったら、一生好き。変わらないよ。ただ、今の俺を見たら結衣は夢から覚めてしまう。だから、メッセージだけの関係でいたい。」

私は高水君の気持ちもわかる気がした。

私も老いたおばさんなのだ。

若い頃の様にはいかない。

多分、会ったら、高水君の方が幻滅する位には太くなった身体を、やはり見られたくはない。

「わかった。おやすみなさい。」

私は萎えていく気持ちで、やっとの思いでメッセージを返した。

「おやすみ。愛してるよ。」

高水君は直ぐに返事を返してきた。

愛してる。

本当だろうか?

あの日たった一回の誤ちで、私達は壊れた。

そんな思いを頭の中が駆け巡る。

何故、夫といるんだろう?

成長して、僕から俺に変わった高水君の事を考え、時間は止まらないんだ。

と、心の中で強く感じた。

そう思いながも寝ついていった。



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