メッセージ
午後からは、暇だった。
とは言え、来客がないだけだ。
仕事は山の様にある。
でも、紗和ちゃんは今頃遊んでるのに、不公平な気がした。
魔が差した。
「高水くん?今暇?」
私はメッセージを自分から送ってしまっていた。
いけない事だと分かっている。
旦那と娘と関係は、良好。
メッセージのやり取りなんて、してはいけないのだ。
そんな事を考えていると、高水君からメッセージが来た。
「暇ではないよ?今小学生クラスを教えてる。いつも夜10時位までは仕事してるんだ。終わったら、またメッセージ入れるよ。」
忙しいのだ。
ふとため息を吐き、夜10時にメッセージが来るのを内心楽しみにしている自分が怖かった。
夜は、子供も旦那も寝てる時間だ。
返信を返そうと思えば出来る。
そんな小狡い考えばかりが頭の中を過ぎる。
紗和ちゃんが帰って来るまでの間。
札を折っては、ため息を付き、ぼんやりとする。
仕事が手に付かないなぁ。
そう思ってると、紗和ちゃんが帰ってきた。
「ただいま!」
昨日と違って元気いっぱいである。
「お帰りなさい。楽しかった?」
私が聞くと
「結衣ちゃん、昨日は私が嫌がっただけ。今日は普通にしてきたよ。」
と、生乾きの髪を縛り始めた。
「髪解いてる方が、可愛いって言うから。」
仕事の都合でいつも纏めている髪を解いていた。
「大丈夫なの?そんなに連日でして?」
私は紗和ちゃんが心配だった。
「もうね。好きになったらするでしょう?うちは旦那が厳しいんだから、仕事中にするしか無いじゃん。それにあゆちゃん、離婚するから一緒になろうって言ってくれたし。」
常套句な気がする。
心の中で、紗和ちゃんは騙されるんじゃないか?
と思って
「離婚する気なの?」
と聞いた。
「もー、結衣ちゃんたらしないよ?私はモテるから、色々な人に言い寄られてきたけど、旦那からは逃げられないよ。直ぐ殴るし、殴った後は仲直りのセックスするのが、いつもの流れだから。多分、見つかっても、またストーカーに遭ってる位にしか思わないって。まぁ、まさか、付き合って、やってるとは思わないよねぇ。」
にこにこしながら言ってきた。
悪気はないのだろう。
ただ直ぐに燃え上がる恋は恐ろしい。
私は身をもって体験していた。
「あんまり、やり過ぎない様にね。」
私はそれだけ言うと、紗和ちゃんの心配をするふりをした。
仕事中にセックスしまくってる。この女が憎い。
そう思ったのだ。




