表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夕陽が落ちる頃の夢  作者: 朝宮ゆう
おばさんと言う職業

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/17

疲れてたんだと思う

帰宅後、メッセージが来ているのに気がついた。

高水君だ。

「結衣?今何してるの?結婚はした?働いてるの?」

?ばかりのメッセージである。

私は直ぐにメッセージを返す。

「今は神社で働いてる。結婚はした。高水君は?」

「俺も結婚して、子供が2人いる。男の子だよ。仕事は親の後継いで英会話教室やってる。」

「そうなんだ。じゃあ忙しいね。奥さんどんな人?」

私は高水君の奥さんが気になった。

「仮面夫婦だよ。愛してない。」

胸がギュッと締め付けられる思いだ。

「そんな事言って、子供2人いるなら幸せじゃない?奥さんも自営業手伝ってるの?」

「奥さんは看護師。今日も夜勤で居ない。」

私は話したい衝動に駆られたが、娘が居る。

もう直ぐ、旦那も帰って来る。

「そっか、うちも冷めた家庭だから、たまにはメッセージしてね。」

嘘をついてしまった。

「そっか、またね。」

高水君のメッセージは、そこで途切れた。

「お母さんが、スマホいじってるの珍しいね。」

娘は鋭い。

「あぁ、神社で色々あったから。」

「ご飯どうするの?こんな遅くなって、お父さん帰って来ちゃうよ。」

娘に、そう言われる間もなく、旦那が帰って来た。

「ただいま。」

「お帰りなさい。ごめんなさい。まだ食事の準備が出来てなくて。」

旦那は怒る事なく

「何かあった?」

と、ダイニングテーブルに腰掛ける。

「私、リストラにあうかも。」

高水君の事は言わず、最近の出来事で言われた事を話す。

「良いんじゃない?結衣が家にいる方が俺は嬉しいよ。働いて疲れて家事が手抜きになってる。」

嫌味を言われた。

ネクタイを外しながら旦那は言った。

「俺の稼ぎじゃ足らない?一応、これでも年収中央値より遥かに高いけど。」

「不満は無いよ。ただお母さんが働けって。」

旦那はため息を、吐くと

「結衣はいつも、自分の意見じゃないんだな。」

そう言い立ち上がると着替えをし始めた。

私は旦那の脱いだスーツ等を受け取り、ハンガーに掛けて行く。

旦那は微笑むと

「良いよ。たまには、今日はピザでも取ろう。」

「やった〜!ピザとか久しぶりじゃない。」

浮かれてスマホからメニューを眺める娘。

滅多に外食もしない、デリバリーもしない我が家。

娘は久しぶりのピザに夢中になって、

「あ。これ美味しそう。んー、デラックスとかあるんだぁ。」

と興味深々である。

旦那の会社は社食付きなので、外食を好まないのだ。

「ごめん。」

私は謝っていた。

「良いよ。結衣は無理しなくて、仕事もこの機会に辞めたら?」

そう言うと、旦那は抱きしめて来た。

今日の忙しさを考えると、私も辞めたい気持ちになった。

抱きしめられ、旦那は暖かく優しい。

本当にそう思えた。

ただ。嘘をついた、さっきのメッセージがチクリと胸を刺す。

ごめん。

心の中で。旦那に思う。

「もー、二人共本当仲良いよね。」

娘が茶化す。

「うん!やっぱりデラックスにしよ。」

娘はスマホでモバイルオーダーをしながら、私達の様子を見ていた。

何も知らない2人に、私は後ろめたさだけ残った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ