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夕陽が落ちる頃の夢  作者: 朝宮ゆう
おばさんと言う職業

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12/17

束縛

帰って来た紗和ちゃんは、明らかに様子がおかしかった。

おばさんの部屋で仕事をしてると、

「結衣ちゃん、ごめんね。ただいま。」

と言い、おばあちゃんの様に腰が曲がっていた。

「どうしたの?」

私は聞いた。

「鮎川さんに、旦那に見つからない2人になれる場所に行きたいって言ったら、ホテルに直行された。」

机に突っ伏して、涙声である。

「あぁ、それ誘われたと思ったのかもね。」

私は答える。

ふと腕を見ると、赤く紐で縛られた跡があった。

「どうしたのそれ?!」

「縛られた。どうしよう。旦那に見つかったら殺される。」

泣きじゃくる紗和ちゃんに

「ちょっと待ってて。」

と言い、キッチンでお湯を出しぬるま湯を作りタオルを浸す。

おばさんの部屋に桶を持って行き、紗和ちゃんの腕にしほばった暖かいタオルをあてる。

「これでどうにかなれば良いけど。手だけ?後は大丈夫?」

「足も」

そう言うと、スカートを捲り上げると膝から足首にかけ、赤い紐の跡がある。

どんなセックスして来たんだよ!

私は怒りが込み上げて来た。

「結衣ちゃんの言う通りにしとけば良かった。」

した事を後悔している様子だ。

「ずっと、やめてって言っても聞いてくれないし、痛いだけだった。」

私は頷きながら紗和ちゃんの話を聞いた。

「でも、まだ好き。」

意味がわからない。 

こんなひどい事をされているのに、まだ好きだと言う。

紐の跡は薄くはなったが完全には消えない。

時間も遅くなり、そろそろ帰らなければ余計に怪しまれてしまう。

「紗和ちゃん、今日はお弁当でも買って、体調悪そうにして寝ちゃいな。流石にこれは1日じゃ消えないよ。」

私がそう言うと、紗和ちゃんは黙って頷いた。

しばらく沈黙があった後、紗和ちゃんは言った。

「私、宮司の愛人になれとも言われてる。男の人はセックスばかり考えてるんだね。お金積まれて雇われたけど、宮司は立場があるから、遠回しにしか言わないから、鮎川さんは油断してた。」

私は頷きながら、紗和ちゃんの足を暖める。

「でも、好きなんだ。何でだろう。こんなにされてるのに。」

私は

「わからない。けど、良くない事だと思うよ。」

と、だけ伝え

「さぁ、もう時間だから帰ろう。」

と、キッチンに向かい。タオルを洗濯物に出し湯を捨てた。

「結衣ちゃんは、いつでも優しいね。」

紗和ちゃんは、そう言った。

だが、私の腹の中では怒りが収まらなかった。

あれだけ忙しい思いを私達がしているなか、2人は緊縛プレーを1日中して遊んでいたのだから。

「お先に失礼します。」

社務所に声を掛けて帰る。

今日1日のバタバタで残業が残っているのだ。

森君は剥れながら、

「お疲れ様でした」

と返す。

佐々木君は、私達の存在にも気付かず仕事に没頭していた。

鮎川さんだけにっこりと笑うと

「また明日。」

と、紗和ちゃんに告げた。

その異様な様子に、私は直ぐに帰りたくなった。

「お疲れ様」

紗和ちゃんは言った。

人の気も知らずに。

紗和ちゃんは車に乗り込むと、さっさと帰って行った。


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