↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しのパラディン様 —美貌の騎士は懐も肝っ玉も極小。見栄と気合で死線を凌ぐ顔面国宝を、限界オタク女子が見守ります—  作者: あめたす
第2章 光の勇者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/41

第11話 光の勇者

第11話 光の勇者


「アタシのすべて、アナタに捧げるわぁぁッ!!」


 ヒカリが歓喜の声を上げ、ハルの前に仁王立ちした。

 身長二メートル、体重百キロ超。その圧倒的な質量と「ガタイ」は、まさに巨大な防壁そのもの。


「よし……!」

 ハルは奥歯を噛み締め、インベントリから【光彩の屈折盾】に付与するための予備オーラ(余剰光子)を素手で鷲掴みにした。

 そして、熱を帯びたその光の泥を、ヒカリの分厚い胸板へと強引に押し当てた。


「ひゃんっ!?」

 ヒカリの野太くも裏返った悲鳴が坑道に響く。

 ハルの無骨な指先が、布の服越しに大胸筋の谷間を滑り、光の被膜をねっとりと塗り込んでいく。


「ああっ……騎士様……そんな、激しく……っ」


 死闘の最中だというのに、ヒカリの脳内は完全にピンク色の事後展開(R-18)へと突入していた。

 耳元で聞こえるハルの荒い吐息。必死な眼差し。自分の胸を力強く撫で回す(※オーラを塗布しているだけ)、熱を帯びた指先。


『……カシャシャシャシャシャッ!』


 (あああ……っ、限界! アタシ、もうここで死んでもいい……♡)

 腰が砕けそうになるヒカリ。

 だが、限界童貞のハルは、オネエの甘い吐息に全身の毛穴から冷や汗を噴き出しつつも、脳の処理リソースの100%を「反射角の計算」に全振りして現実逃避していた。


 (分厚い脂肪とこの大胸筋の面積……完璧だ! これなら反射の終着点(アンカー)として、絶対に光が漏れない!)


-----------------------------------------

【SYSTEM MESSAGE】

▶ 対象プロセス『ヒカリ』の表面に高密度光子被膜を定着。

▶ 対象の質量(112kg)および脂肪弾性率を反射クッションとして利用。

▶ 【光彩の幾何学ループ】の終端アンカーが設定されました。

-----------------------------------------


 直後。

 空間で乱反射を繰り返し、幾重にも増幅されていた「アスタロトの放った致死の閃光」が、逃げ場を失い、一斉にヒカリの巨大な胸板へと殺到した。


「えっ……? ちょ、ちょっと待って! なんかスゴイ光がアタシに向かって――」


 ズドォォォォンッ!!


「アッハァァァァァァンッ!!?」

 直撃。

 だが、ヒカリの肉体は消滅しなかった。ハルが塗りたくった光のオーラが鏡となり、さらに彼女の「分厚い脂肪」が衝撃波を完全に相殺したのだ。


 光のエネルギーは、ヒカリの巨大な腹と胸(物理反射板)で鋭角に跳ね返り、ハルの構える『白銀の盾』へと一極集中する。


「んっ……カ・イ・カ・ン♡」


 ハルは、盾(ヒカリ)の角度をコンマ一ミリの精度で「アスタロトのコア」へと向けた。


-----------------------------------------

【SYSTEM MESSAGE】

▶ 物理演算過負荷(オーバーロード):極大乗算ループを確認。

▶ 対象『ヒカリ』を経由し、位相の揃った【同位相レーザー(コヒーレント光)】へと昇格。

▶ 射出します。

-----------------------------------------


 ヒカリという最大の「面積」を経由したことで、乱反射していた光は一つに束ねられた。

 ハルの盾から撃ち出されたのは、もはや魔法ですらない。純粋な物理演算の果てに生み出された、極太の『光学レーザー』。


「な……非、効率な……私の、計算に、こんな……ッ」

 アスタロトの機械的な関節が、ギギギと悲鳴を上げる。

 最適解しか知らない計算の神にとって、死にスキルと「デカいだけのオカマ」を利用した泥臭い反射ループは、完全に理解不能のバグだった。


「……ウチらの盾を、舐めんなや!!」

「クゥッ……供給の、お礼です……ッ!」


 レーザーの閃光に合わせ、ぽんずの幻影矢とクロイツの呪いがアスタロトの退路を完全に塞ぐ。


 ズバァァァァァァンッ!!!


 絶対の計算式が、圧倒的な暴力(レーザー)によって物理的に消し飛ばされた。

 アスタロトの純白の装甲がバターのように溶断され、ノイズ混じりの絶叫とともに空中で爆散する。


「……っはー……」

 光の粒子となって消滅する幹部を見届けた瞬間。

 ハルの虚勢の糸が完全に切れ、ガシャンッと泥と汗に塗れた坑道に倒れ込んだ。


「……ポーション代……浮い、た……」


 それが、美貌の騎士の最後の言葉だった。

 気絶したハルめがけて、ぽんず、クロイツ、そして胸板から煙を上げているでっかいオカマの三人が、「アタシの騎士様!!」と同時にスライディングで駆け寄っていくのだった。


---

【プレイヤー専用外部掲示板スレッド抜粋】


402: 匿名のスカラー

【緊急速報】バラム鉱山のアスタロト、討伐確認!!


403: 匿名の魔法使い

は!? 嘘だろ、あいつ回避不能の即死魔法使ってくる理不尽AIだぞ!?


404: 匿名の暗殺者

討伐したの、あの『コミケで空き瓶拾ってた白銀のパラディン』のパーティらしい。


405: 匿名のスカラー

目撃したんだが、マジで意味不明だった。

パラディンが産廃の回復魔法を連打して目眩ましにしたかと思ったら、『クソデカいオッサン』の胸板に光塗って、それを物理反射板にして極太レーザー撃ち返しやがった。


406: 匿名の剣士

オッサンを物理反射板……? なに言ってんのお前?


407: 匿名の魔法使い

脂肪で衝撃相殺して反射角を固定したってことか!? AIの処理落ち狙いの演算ハック……中身絶対運営のデバッガーだろ!!


408: 匿名の遊び人

しかもそのパラディン、戦闘後に女の子二人とでっかいオッサンに同時に抱きしめられてた。


409: 匿名の剣士

許さんぞチーターァァァァァァァァッッ!!!いや…オッサンは勘弁…

---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。