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バトルステーツ・リベレイション〜若き番の叙事詩〜  作者: 騎士誠一郎
ランウェイの上できらめく影で、悪の笑いがこだまする
75/80

EP75 ふくろうと侍の映画鑑賞会

激しい死闘を繰り広げる稲毛アウルズと仙台晴天軍。

善戦も虚しく、稲毛アウルズは初めての敗北を期す。

今後の課題に向けて、義人と美浦は絆を深め合うのだった。

翌日。

稲毛アウルズと仙台晴天軍は “交流強化” を名目に、なぜか映画館へ来ていた。


「すまんね義人くん。席まで用意してくれて」


「いいですよ一刀斎さん。うちのじいちゃん、こういうの好きなんで」


 義人が軽く手を振る横で——。


「ひっ……ひぃ……!! な、なんでよりによって熊塚村シリーズなのよぉ……!」


 美浦は、上映前からポップコーンを握り潰す勢いで震えていた。


「え、美浦、ホラー平気じゃなかったのか?」


「1作目で心の何かを失くしてから無理なのよッ!」


 梢はというと、目をキラキラさせていた。


「いやー! 最新作ずっと観たかったんですよね!!」


 温度差がすごい。


 その後ろで霊子だけは、静かにニコニコしていた。


「楽しみやねぇ。フェミニストのお姉ちゃんら、どんな散り方するんやろ」


「お前はお化けより怖いわ!!」


 義人のツッコミが映画館に響く。


そして、場内が暗転する。



---


◆

「熊塚村2〜あるフェミニストの始末〜」




渋谷の喧騒。アイドルイベント。

その中に、ひときわ険しい目をした女性——佐藤美和子(30)。


「アイドル文化は女性搾取よぉぉぉー!!」


 毎度おなじみの抗議活動である。


その夜。

美和子のもとに届いた一通の封筒。


差出人——熊塚村役場。


「……クレームの“返礼”ってワケね。面白いじゃない」


こうして美和子は、仲間5名と共に、山奥の熊塚村へ向かうことにした。



---




バスが山道を登り切った瞬間、空気が変わった。


村全体が“静かすぎる”。


案内役の男が言う。


「ようこそ。熊の里へ」


 笑っているはずなのに、目だけ笑っていない。


美和子は腕を組む。


(田舎男の権威主義って、こういうところに出るのよね)


 しかし、同行メンバーは気づき始めていた。


——村人たちの視線が、明らかに“肉”を見る目だと。



---


◆


夜。


悲鳴。


 美和子は飛び起きた。


隣の部屋の扉を開けると——。


ドンッ!


巨大な影が壁を叩き割り、飛び出してきた。


暗闇でも分かる、異様なシルエット。


「く、熊……? い、いや、あれ生き物か……!?」


 腐った毛皮。光る赤い眼。

 人間の腕くらいある爪。


——熊のゾンビ。


美浦(現実)「うわぁぁぁああああああああ!!!!」


義人「いや美浦!? まだ序盤!!」



---


◆


村民たちは、熊の“化身”として生きる怪物だった。


昼は人間の姿を真似、

夜は獲物を狩る。


「熊を侮る人間には……、“お仕置き”が必要だ……!」


村の長が呟いた瞬間——


ズッ!


暗闇に何かが走る音。

樹が倒れ、影が跳び移る。


次々と悲鳴が上がる。


直接映さない。


ただ、“見えない何か”に命を奪われていく恐怖だけが伝わる。


美浦(現実)「やめろぉ……! 音だけで怖いのやめてくれ!!」


霊子「うち好きやわ、こういう『想像させるホラー』」


義人「お前の想像力のほうが怖いわ!」



---


◆


ついに美和子ひとりだけが残る。


月明かり。

彼女を囲む熊の怪物たち。


「こんなの……認めない……!

 私の“正しさ”は、誰にも折らせないッ!!」


その強がりが、森に響いた瞬間——


ズシャッ!


 影が走り、画面が一瞬、真っ赤に染まる。


暗転。


静寂。


梢「……え、ここで切るんですか!? 絶対アウトな描写あったでしょ今!」


義人「いや映画だから表現ギリギリ攻めてるんだろ……」


美浦「私、今日帰れる気がしない……!!」



---


◆


翌朝。団体本部に届く封筒。


中には——山ほどの熊の手形スタンプと一文。


「また来てな」


梢「ゆるキャラみたいな締め方だ!!」


義人「いや怖いに決まってるだろ!!」


美浦「ぜ、全然ゆるくないよぉぉ!!」


ホラーの恐怖と、ボケとツッコミが完全に噛み合わず、

場内は妙な空気になっていた。


「いやぁ〜、フェミニストのお姉ちゃんらの散り際……芸術点高いわぁ」


霊子は実に満足そうだった。


義人「お前の感想が一番怖いんだわ!」


——こうして、ホラー映画鑑賞会は大団円(?)を迎えた。

次回はTGBMGCにむけて、美浦は雑誌の撮影に!

そこのつきそいで何故か義人も?

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