EP70 激戦の幕開け
エキシビションを終えた稲毛アウルズとキタのおかんは大阪で食べ歩きを満喫。
大阪グルメを満喫した義人と美浦は明日からのテコンドーの試合に向けて調整を済ませる。
いよいよ、ふくろうスクールの戦いが始まった!
一夜明けて。
「みんな、準備はいい?」
キャプテン・美浦が選手控え室で全員を見渡す。
アリサ、エリカ、あかり、次々に拳を握りしめて答える。
「問題ないっす! 円周率も気合いもバッチリ!」
「いつでも行けます!」
「あたしも余裕だぁ!」
ここは神戸マリンフィールド。
今日から2日間にわたる“デジタル体育祭・超次元フィジカルスポーツ部門”がスタートする。
テコンドー会場へ足を踏み入れると――
爆音のような歓声が渦巻いた。
観客は全国から集まった応援団、実況席ではVTuberアナウンサー、SNSは既にトレンド入り。
そして会場中央に立つのは、30校が勝ち抜きで激突する巨大アリーナ。
<ただいまより、“デジタル体育祭・テコンドーの部”を開始します。
ルールは2名1組の勝ち抜き戦。30勝に届いた上位2校が決勝進出となります!>
高まる鼓動。
ふくろうスクールは、初戦からアクセル全開でいくしかない。
「じゃ、先陣頼むよ。アリサちゃん、エリカちゃん!」
「おっけー!」「任せてくださいっ!」
アリサ&エリカの即興タッグがコートに躍り出る。
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■1戦目:西郷ドン学園(鹿児島)
「おいどんらが――」
「相手でごわす!」
現れたのは、攻撃担当の浩一(細マッチョ)と、防御壁のまさお(巨体)。
パワーとスピードの相反する二人が、呼吸を合わせて一体化する“鹿児島流二枚岩コンビ”。
「守り崩しは私がやる! アリサちゃんは攻めの形作って!」
「了解!」
しかし開始直後――
「させんッ!」
浩一の飛び蹴りがアリサの蹴りと衝突。
互いに1ポイントが入る。
「うわっ、やっぱりこいつ厄介!」
「だから言ったでしょ。細マッチョは油断したらだめ!」
アリサが得意の“チェインガン・ラッシュ”を封じられ、焦りかけたその瞬間。
「アリサちゃん……ちょっと危ないけど、一つ作戦があるの」
エリカが耳元でひそひそ。
アリサの目がギラッと輝く。
「……外したら黒星スタートだね」
「その時はあたしの奢りで焼き肉だ!」
「……だから勝手に打ち上げ決めるなっての!!」
美浦のチョップが飛ぶ。
「いくよ、アリサちゃん!」
エリカがしゃがみ込み――
「乗った!!」
アリサが肩に飛び乗る。
セミダイブVRならではの“人間投擲システム”!
「な、なんだと!?」
「う、上に投げた!?」
エリカがアリサを天井すれすれまでブン投げる。
会場がどよめく。
「おおおおおおっ!?」
アリサが上空で身体をひねる。
急降下しながら叫ぶ。
「いっけえええ!!
必殺――
鉄鋼流星弾!!!」
流星のように光をまとい、アリサのかかとが巨体・まさおの肩に炸裂!
着地と同時に、電子スコアが一気に跳ね上がった。
一撃で大量ポイント獲得!
勝負あり。
ふくろうスクール1勝目ッ!
「ちょっと! 勝手に焼き肉の話、まだ怒ってるからね!」
「「はい……」」
美浦から説教を食らいながらも、二人はガッツポーズした。
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■2戦目:西の強豪・神戸おおわし支援学校
「さて。あかりちゃん、行こっか」
「キャプテンのご指名とあれば……本気出します!」
続いて、美浦&あかりペアが出陣。
対するは――
“東のふくろう、西のおおわし”と呼ばれる名門校。
キャプテン・ななえ。
そして分析担当のマイカ。
「行くでぇ! 東西決戦や!」
開始直後、あかりが仕掛けるが――
「読めとるで!」
マイカが完璧なタイミングで足払い。
あかりが体勢を崩した。
「え!? なんでパターンわかってるの!?」
「ふふん。ふくろうさんの試合データを使って、練習用AIプロンプト作ったんよ」
AI戦術!?
ふくろうスクール=プロゲーマー育成
おおわし支援学校=プログラマー育成
その特色が激突する。
「でもね……これはデータ外でしょ!」
あかりが――逆立ちした。
「は!? な、なんやその予想外動作!?」
そのまま高速スピン!
“逆立ち竜巻”がマイカを押し返す。
「なら……私も!」
美浦が一刀両断のように蹴りを放つ。
「サイクロン・ノヴァ!!」
「後ろ回し蹴り、苦手やったんとちゃうんかい!?」
「いいコーチがいるんですよ、私には!」
完全に読み勝ったふくろうスクールが連勝をもぎ取る。
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■控え席―よしくん登場
「おつかれ」
義人が美浦に麦茶を渡す。
「ありがとう、よしくん」
「ふくろうスクール、このまま勝ち続けて決勝だな」
――その言葉どおり、
彼女たちは怒涛の連勝を積み重ねた。
そして、決勝へ。
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■決勝戦の相手――天月学園
強豪・宮城県の天月学園。
総合武道を極め、部長を務めるのは――
天月一刀斎
“名将”と恐れられる戦術家。
その天月学園から、わざわざ通達が来ていた。
<稲毛アウルズとの試合を希望する>
「まったく……なんでアウルズを名指しで挑発してくるのよ」
「しょうがないよ。いま世界的に注目されてるからね、うちら」
だがこの体育祭で――
稲毛アウルズは重大な転機を迎える。
それは、誰も予想しなかった。
完全なる敗北によって。
次回、テコンドー決勝戦が開幕。
壮絶な死闘をぜひご堪能あれ!!




