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バトルステーツ・リベレイション〜若き番の叙事詩〜  作者: 騎士誠一郎
熱闘! 奮闘! デジタル体育祭!!
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EP66 An infiltration operation of love and friendship

無事にホテルに辿り着いた美浦は、義人とともに交流会へと向かう。

しかし、そんな時間にもエリィト学園の魔手が……!

交流会が終わった夜。

 義人と美浦は、ホテルのレストランで静かに夕食をとっていた。


 神戸牛ステーキの香りが立ちのぼり、テーブルには煌びやかなコース料理が並ぶ。

 なのに、二人の表情にはどこか影があった。


「……やっぱり、私たちがこんな贅沢してていいのかなって、ちょっと思っちゃうよ」


「まぁな。俺たち、最近“有名税”がえげつないし」


 稲毛アウルズは、毒親勢力にとって『もっとも邪魔』『もっとも憎い』存在になりつつあった。


 だから届くメッセージは──


「“とっとと解散しろ”」

「“世界的に注目されるやつは死ね”」

「“うちの子の未来のために断罪してやる”」


 そんな醜悪なものばかりだった。


「でも……爆弾の件、どうするの? 開会式で爆破なんてされたら……!」


「平気。すでに公安に依頼済みだ」


「えっ、いつの間に?」


「永瀬さんたちと連絡交換しておいて正解だったよ」


 義人がさらりと言うと、美浦はほっと息をつく。


 夕食を終え、二人はホテルのネオスフィア座席に座り──


「じゃあ……」


「BSOで軽く汗流しますか!」


 二人は《BSO》へログインした。



「んん!? あれ、アウルズの二人やんか!」


 ログイン直後、キタのおかんの二人──たまも&きりかが駆け寄ってきた。


「たまもさん! きりかさん!」


 久々の再会に、ヨシトもフォーミンも思わず笑顔になる。


「デジタル体育祭で暴れまくるって聞いたさかい、ログインして待ってたんよ!」


「うちらは部活で出場する《ドローン・エアレース》や!」


 デジタル体育祭はVRスポーツだけでなく、ドローンのタイムアタックレースや、ARカードバトルまで盛りだくさん。


「ドローンエアレースは花形競技やて! 全国のフリースクールの自慢のドローンが集まってくるんや!」


 胸を張る二人に、義人は興味深そうに頷く。


「ほな、久々にバトる? うちら、西日本で最強って呼ばれとるで」


「望むところ!」


 こうして、稲毛アウルズ VS キタのおかんの再戦が決まった。



 戦場は《森林が呑み込んだ廃墟都市》。


 <稲毛アウルズ VS キタのおかん──試合開始!>


「たまも!」


「任せぇ!」


 二人がプラズマナイフ《イカヅチ》を構えて突撃する。


「フォーミン、援護!」


「了解っ!」


 フォーミンの《ゲイボルグ》が閃き、たまもたちの進行を射撃で牽制。

 攻防のテンポは、初対戦の頃よりはるかに洗練されている。


「フォーミンちゃん、狙撃だいぶ精度上がってるやん!」


「へへっ、先生に鍛えてもらってます!」


 フォーミンは恥ずかしそうに笑って──


「でも、蹴り技も進化してますよ!」


 《サイクロン・ノヴァ》を叩き込む!


 一方で、義人ときりかは真っ向から斬り結んでいた。


「ヨシと、強なったな?」


「当然! 伊達に鍛えてないんで!」


 一旦距離を取り、互いに笑みを交わす。


「ほな、こっちも本気出すで!」


「──こっちもだ!」


 四人が本気をぶつけ合う白熱のファイト。

 しかし結果は──


「……サドンデスでも決まらんか。ええ勝負やった」


 引き分け。

 悔しさよりも、互いを称え合う爽やかな空気が残った。



「そういえば……エリィト学園、知っとるか?」


 バトル後、ロビーでたまもが声を潜める。


「没落貴族の受け皿だとか、今の時代の“犠牲者”を名乗って妨害してくるって噂の……」


「公安にはもう伝えてある」


 義人の言葉に、二人は目をむく。


「警視庁と繋がっとるんか!?」


「どんな縁つないどったん……!」


「まぁ、詳しくは大会当日にわかるよ」


 挨拶を交わし、それぞれログアウトした。



 ログアウトした直後。


「よしくん! 公安から緊急連絡!

 “テコンドー会場へ至急来てほしい”って!」


「了解。行くか、美浦!」


「メイクも落としたし──公安のお仕事モード、オン!」


 二人はホテルを飛び出し、《神戸マリンフィールド》へ急行する。


 そこはプロフットサルチームの本拠地で、さまざまな大会にも利用される巨大施設。


 しかし今は──


「永瀬さん!」


「義人くん、美浦さん。状況は最悪です」


 永瀬の顔は緊迫感に満ちていた。


「会場周辺に……エリィト学園のドローンが飛び回っています。

 警察が近づけば、確実に“反応”するでしょう」


 義人が暗視望遠鏡で見ると──

 不自然にホバリングし、監視行動を取っている複数のドローン。


「遠隔操作か……!」


「ええ。家元が逮捕された過去を理由に、我々を“敵”とみなしているのでしょう」


 永瀬は義人たちの携帯に、爆弾の位置を転送する。


「爆弾は会場内に4箇所。

 警察の動きは読まれている……だからこそ──」


「──私たちが潜入するってことですね」


「頼みます。時間がありません」


「任せてください!」



 会場裏口。

 二人はドローンの死角を縫うように移動していた。


「よしくん、これ……完全に《スニークヘッド》第8面だよ」


「だよな。VR版で死ぬほどやったし、やることはわかってる」


 そのとき──


「あ、裏口の近くに誰かいます」


 小声で美浦が告げる。

 様子を伺うと、そこにはエリィト学園の学生が三人。

 ドローンの制御卓を操作しながら監視していた。


「永瀬さん、ドローン制御所を発見」


 <了解。そこを潰してください。

 渡しておいた麻酔銃を使えば、静かに制圧できます>


 義人は腰に装備された対人用麻酔拳銃を確認した。

 射程20m、しかし効果は強烈。


 三人。

 制御卓はひとつ。

 見つかればアウト。


「……やるしかないな」


 

次回は爆弾解除に美浦と義人が奔走!

タイムリミットは、消灯時間まで!?

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