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バトルステーツ・リベレイション〜若き番の叙事詩〜  作者: 騎士誠一郎
熱闘! 奮闘! デジタル体育祭!!
64/65

EP64 エリートと毒親は似て非なるものだが、思想の歪みは似てる

副将戦は攻撃のあずさ、防御の宍道という真逆の両者!

矛盾する二人のバトルは、宍道に軍配が上がった。

今後の課題が見えたと同時に、供花からデジタル体育祭のテコンドー会場が決まったみたいで……。

美浦は興奮し、供花に飛びかかる。


「明石さん! 今日の練習、動きキレてたじゃん!」


供花がニヤけて親指を立てる。


「後でスムージー“ジョッキ一杯”ね!」


「ぎゃあぁっ! あれだけは~っ!」


メタバース空間に笑い声が弾ける。



---


■八王子郊外──寂れた住宅街の奥


荒れ果てた鉄門の奥に、その学園はあった。


東京私立エリィト学園。


かつては「未来日本の中枢を担う天才育成機関」と謳われ、

今は時代の教育改革に置き去りにされた“誇りの亡霊たち”が通っている。


黒板に、教師がチョークを叩きつける。


「教訓、読み上げ!」


「一つ! 人生は勉強がすべて!」


声は揃っているのに、どこか虚ろだ。


「先生! 私たちエリートは“キラキラ世代”に虐げられています!」


「そうだ。今の時代、努力しても報われない! だからこそ──我らはシン・評議連合の村澤学園長に導かれているのです!」


「静粛に!」


その瞬間、廊下がどよめいた。


“あいつ”が来たのだ。



---


■学園長・村澤かずおの訪問


「やぁ、諸君。今日も“選ばれた者”として励んでいるようだね。」


入ってきたのは、紅蓮機関総監にして、評議連合の重鎮・村澤かずお。

柔和な笑みとは裏腹に、どこか底の見えない視線だった。


「先生! 今日だけでワクワク動画配信者を3人、論破して沈めました!」


女学生が誇らしげに胸を張る。


「うむ。だが──本番はこれからだよ。」


穏やかな声が、一瞬だけ冷えた。


「諸君。デジタル体育祭に参加しなさい。必要とあらば“強制終了”も辞さずに。」


教室に緊張が走る。


村澤かずおの言葉は、一つの伏線だった。

2年後に起こる“あの大事件”へと繋がる、恐るべき布石。


だが、その体育祭襲撃は“未遂”に終わる。

まだ誰も、それを知らない。



---




「明石さーん! 久しぶり!」


駆け寄ってきたのは、美浦のマネージャー、愛川光。

美浦の家庭事情も理解している、数少ない味方だ。


「今日の撮影、バッチリ決めちゃってよ。藤宮くんにも紹介してね〜、おばちゃんイケメン好きなの!」


「は、はい……」


今日はコスメブランドのCM撮影。

復帰作としては最高の舞台だった。



---




開始まで時間があり、美浦は電話をかける。


「よしくん、今どうしてる?」


『BSOの会議が終わって、次はテコンドー部のトレーニング計画作ってる。体育祭が近いからな』


「そっか。無理しすぎないでね。」


その時──


「明石さん、まもなく撮影入りまーす!」


スタッフが呼びにくる。


「じゃ、また後でね!」



---


動画CMの撮影が始まった。


美浦は新作リップのメイクで撮影に臨む。

胸元が大きく開いたフリル付きのビキニ。

ワインレッドの唇が、成長した彼女を象徴していた。


「この夏は──ぜんぶ、楽しも?」


「カット! 最高! 10分後にLP入りまーす!」


美浦はエナジードリンク『THE侍』をストローで啜る。



---




光が声をかけようとした瞬間、怒号が飛ぶ。


「なんでうちの子じゃなくて“あんな女”なのよ!!」


ネグレクト気質の母親が、監督に食ってかかっていた。


「うちの子は私の“人生の投資”なの! なんで明石みたいな子が選ばれるの!? 私の価値が壊れるじゃない!!」


美浦は、表情を凍らせた。


──これは“親のエゴ”の爆発だ。


「いますぐ撮影をやめなさい! じゃないと、うちはもっと苦しくなるのよ!!」


そのとき、美浦が一歩前に出た。



---




一瞬。

美浦の足が、空気を裂いた。


“飛び蹴り”──クリーンヒット。


「け、蹴ったわね!? 私、お母様にも蹴られたことないのよ!!」


「へぇ……じゃあ今日が初めてね。」


美浦は低く、ドスを効かせて言い放つ。


「自分が注目されないからって他人に噛みつくな。

恥を知れ、クソ親。」


「ク、クソ親ですってぇ!!?」


その瞬間──


「確保!」


複数の警官が飛び込んできて、母親を取り押さえた。


「離しなさいよ!! 私は被害者なの!! この女が、私の価値を壊したのよー!!」


スタジオは静まり返った。


カメラマンがぼそっとつぶやく。


「……これ、警察バラエティの密着収録いけるな。」


美浦は肩をすくめた。



---


撮影終了後。


兵庫県のホテルへ向かう車内。


「まいったよ……ネグレ母が来るとはね」


「仕方ないわ。キラキラ世代は彼らにとって“有名税の標的”だから」


光がため息をつく。


「“自己価値崩壊”に耐えられなくて、攻撃に走る親が増えてるのよ。」


「……でも私は大丈夫。藤宮くんがいるから。」


美浦の声には強さがあった。


「さて、高速乗るよ! シートベルト締めなさい!」


加速する車。

次回はテコンドー部がホテルで交流会!

しかし、体育祭の前にあるミッションがあるのでお楽しみに!!

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