EP63 矛と盾の副将戦、そして決着
中堅戦は、かつていじめから救ったエリカがその恩人である拓哉に挑む形となった。
その一方で、評議連合本部ではキラキラ世代を排除するために、密かにある計画を進めていた……!
「いやぁ……今回は引き分け、か」
「でも! めちゃくちゃ楽しかったよ!」
エリカと拓哉が笑って拳を合わせた。
中堅戦はAIすら判断不能の白熱ぶりで、タイブレイクの末“強制終了”。
これで1勝1敗1分け――勝負は振り出しに戻った。
「さあ、副将戦だ。出られる者は――」
「はいッ! わたしが行きます!」
義人の呼びかけに応えたのは、
橙のポニーテールを揺らすテコンドー部最年長・黒宮あずさ(18)。
鋭くしなやかな体躯。
跳躍するたびに空気がたわむ“空撃脚”の使い手。
「黒宮さん、いける?」
美浦が期待を込める。
「もちろん。あの守護神、崩してみせます」
相手はウチナンチュ学園の最後の砦。
山のように動かず、近寄る者を“一撃の鉄鎚”で叩き落とす守りの天才――
川本宍道
彼が副将戦に出るということは、その戦いが事実上の決戦であることを意味していた。
「僕の守りは硬いよ? 崩せるかな」
「崩すよ。私の全部で」
互いの視線が火花を散らす。
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■ 開戦 ――矛と盾の衝突
「始め!!」
あずさは一瞬で距離を詰めた。
鋭い踏み込み、前蹴りが閃光のように走る。
だが宍道は――微動だにしない。
「ッ……!」
迎撃される。
中段回し蹴りが鉄壁の壁のように立ちはだかる。
「くそっ! さすがに穴はくれないか!」
「簡単には通さないよ」
笑いながらも視線は真剣そのもの。
矛と盾、どちらが折れるか。
そのとき。
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その一方で、
「ねぇ、よしくん。“アウルズが評議連合にマークされてるかも”ってどういう意味?」
あずさの戦いを見つめながら、美浦は首を傾げる。
「仮の話だが……可能性はある、と拓哉から聞いたんだ」
「どうして私たちが?」
「トレインジャック事件の件で、アウルズはもう“ただのスクール”じゃない。内閣府や皇室から表彰も控えてる。それに――」
義人と美浦。
いま全国で最も注目される“新世代のスター”だ。
美浦はコスメCMの出演が決定。
義人は南天堂の新作ゲーム“Ace of Dragons”のイメージボーイ。
もはや“国家レベル”で動かざるを得ないほどの存在感。
「マークされるのも……時間の問題かもしれないな」
「うわぁ……私、明日リップCM撮影なのに……。よしくんもゲーム実況あるでしょ?」
「そうだ。ロードオブドラゴンズのβ版、今夜解禁だし」
「寝る時間、ないじゃん!」
「あ、試合! 終わりそう!」
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守護神、真の姿を見せる
場内が震える。
宍道が四股を踏んだ――それだけで地面が鳴った。
続いて胸を叩く。
ゴリラのようなドラミング。
だがそれは不正プログラムではない。
精神を“限界突破”させる伝統のルーティン。
「行くよ、黒宮さん」
守護神がついに動いた。
重機のような回し蹴りが連続で襲いかかる。
「うそっ……速っ!」
「これが――僕のフェイバリットドライブ」
野生の暴風のように。
「ヴァナンザ・ラッシュ・ダンス!!」
守りの象徴だった男が、一転して“暴れ狂う野猿の王”へ変貌する。
その猛攻は“圧”そのもの。
あずさはついに――
完敗した。
「これで……決着だね」
副将戦はウチナンチュ学園の勝利。
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だが、敗北は終わりではない
「あ……宍道!」
敗れたあずさが、それでも笑って手を差し出した。
「今回の試合でわかった。
あたし、まだまだ強くなれる!」
あずさの瞳には火が灯っていた。
幼い頃からの武道一家。
韓国のいとこに手ほどきを受けた“本格派”。
全国ジュニア優勝の実力者。
しかし、彼女の殻を破ったのは――美浦だった。
「あんた、テコンドー有段?
じゃあ勝負しろよ」
無謀な挑戦。
そして返り討ち。
それが出会いだった。
「課題は出揃ったな」
義人はコーチ端末にデータを打ち込む。
敗北も成長も、すべて次に繋げる。
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■
「ねぇみんな!
今年のデジタル体育祭、テコンドー部は――」
供花が声を上げる。
「兵庫県の“神戸マリンフィールド”で開催だよ!」
世界遺産となった甲子園球場のすぐ近く。
海辺に建つ巨大競技施設。
「甲子園……! 行ってみたい!」
「当時の若者たちの想い、感じてみたい!」
そして、
稲毛アウルズの未来を揺るがす戦いは
ここから始まる。
次回はエリィト学園登場!
彼らの教育理念がわかるかも?




