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バトルステーツ・リベレイション〜若き番の叙事詩〜  作者: 騎士誠一郎
熱闘! 奮闘! デジタル体育祭!!
62/65

EP62 陰謀交わる中堅戦

次鋒戦は知略のあかりと筋力のことりのミスマッチバトル!

軍配が上がったのは、あかりの知略!

中堅戦では、さらなる激戦が?

ふくろうスクールでは、中堅戦のメンバー選出が難航していた。


「中堅戦、相当キツいね」


 美浦が眉を寄せる。

 原因はただひとつ――


ウチナンチュ学園最強、菅生拓哉。


 超攻撃的、超本能型、そして超実力主義。

 その茶髪リーゼントが揺れるだけで一年生は泣くと言われる不良ファイターだ。


「俺は誰からの挑戦も受けるぜ!!」


 吠える拓哉。

 その気迫は、観戦席の空気までビリッと裂いた。


「菅生くん、やっぱり迫力すごい……」


「覚悟ナシの挑戦者は、秒で返り討ちだな」


 義人の言葉に、周囲の部員も頷く。



---


「私が出る!」


――小柄な銀髪アメリカン少女の立候補


 そんな空気を切り裂くように、まっすぐ手を上げた少女がいた。


「私が、中堅戦に出ます!」


 進藤エリカ。

 13歳、銀髪セミロング、金の瞳――ひときわ目立つ存在だ。


 体は発展途上。

 しかし、足腰の強さは大人顔負け。


「エリカさん、大丈夫? 相手はウチナンチュの絶対的エースだよ?」


「だからこそ、私が戦いたいんです!」


 その瞳に宿るのは、ただの意地ではない。


 ーー覚悟。

  そして、“会いにいくための戦い”。



---


拓哉がエリカを見る眼差し、その理由ワケが。


「お、進藤! ずいぶん腕を上げたじゃねぇか!」


 拓哉が口角を上げる。


「……覚えてくれてたんですね」


「当然だろ。オマエと俺の始まりは、あの夏だ」


 エリカは小さく頷いた。

 胸の奥の何かが、熱くこみ上げる。



---


◆――3年前、ハワイ。




 あの日。

 アマチュア格闘大会を控えた拓哉は、賞金100万円を目指してハワイへ来ていた。

 生活費、寮費、そして――もっと強くなるため。


 そんな時。


「きゃっ!」


 幼いエリカ(10歳)が道路に飛び出した。

 トラックが迫る。


「危ない!!」


 拓哉は反射的に駆け出し、エリカを抱えて歩道へ飛び込んだ。


 その後、運が悪いのか良いのか――

 二人はハワイの不良グループに囲まれる。


「助けられちゃって残念だったなぁ?」

「お前が手ぇ出さなきゃ、そいつは死んでたぜ?」


 囲む不良たち。


 しかし拓哉は、目を細めただけだった。


「俺に喧嘩売るのか? 悪いな、大事な大会が控えてんだ。“雑魚狩り”は後にしろ」


 気迫だけで不良を圧倒する。


「う、嘘だろ……トロフィーハンターのスゴー!?」

「やばい! 挑んだ奴、再起不能にされるって噂の……!」


 一瞬で、全員逃げた。


「弱いものいじめすんなよー!」


「覚えてろよ!!」


 捨て台詞だけは一丁前に残していった。


「怖かったか?」


「……すごく、かっこよかったです!」


 その日から、エリカは拓哉を「ヒーロー」として胸に刻んだ。



---


◆そして今ーー


ヒーローへの挑戦権を手に入れた少女。


「菅生さん! あの日の私とは違います。全力で行きます!!」


「上等だ。相手が誰だろうが、全力で倒す。それが俺の流儀だ」


 舞台に立つ二人。

 足が自然と前へ出る。


「行くぞ!」


「望むところ!!」



---


互いの誇りが、激突!!!


スピードと熱意がぶつかる、白熱の中堅戦


 拓哉の高速回し蹴り。

 エリカは一瞬しゃがみ、風のようにくぐって正面蹴りを返す。


「いい蹴りだ!」


「あなたのおかげです! あなたがいなかったら、私はここにいません!」


 エリカが笑う。


「……チッ、成長してやがる」


 拓哉の口元にも笑みが浮かんだ。



---




二人の視線は “弟子と師匠” を見る


「なんか、あの子……めっちゃ楽しそう」


「菅生もまんざらじゃねぇな。自分の“初めての後輩”ができたみてぇで」


 二人は温かく見守る。



---


◆ハーフタイム




 拓哉が義人に声をかけた。


「藤宮、話がある。面貸せ」


「……あいよ」


 二人は道場裏へ。


 拓哉の表情が先ほどまでと違う。

 戦士の顔ではない。

 国家の闇を知る男の顔だった。


「なんだよ?」


「評議連合が……VR規制団体“人類健全教育機構”と接触したらしい」


「なっ……!」


「声がデカい!」


 拓哉は声を潜める。


「情報源は親父だ。内務省の極秘ルートで流れた」


 拓哉の父は、内務省のエージェント。

 拓哉はそのカムフラージュとして“不良ファッション”を纏っているにすぎない。


「なんで俺に伝える?」


「お前だよ、藤宮。

 寝台準急占拠事件を一人の死者も出さずに解決した“南天堂のテストプレイヤー”。

 評議連合の連中が黙って見逃すワケがねぇ」


 義人の背筋が冷たくなる。


「お前と明石は、これから“マークされる”。

 キラキラ世代排除計画の“最上位ターゲット”にな」


「……了解だ。美浦にも話しておく」


「頼む」


 短い会話。

 けれど、その裏にうねる巨大な陰謀が、義人を飲み込む音がした。



---


そして激化する中堅戦、


もう一度、舞台に光が戻る!


「本気で行くぞ!」


「はいっ!」


 試合再開。


 剛 vs 速

 経験 vs 伸びしろ


 二人の技が交差し、火花が舞う。


 あの日の恩。

 あの日の憧れ。

 それぞれの“過去”を背負って。



---


◆その頃ーー


評議連合本部・村澤の事務室


「先生、これはどういうことですか!?」


 未華子が怒鳴る。


「デジタル体育祭に送り込む刺客が決まっていないって……どういうつもりですか!」


 村澤はタバコをくゆらせながら笑う。


「未華子君、焦りすぎだよ。既に手は打ってある」


 書類が渡される。


「……東京私立エリィト学園、ですか?」


「そうだ。優秀な“旧世代エリート”を育てるために作った学校だ。

 今年の体育祭を中止に追い込むには、彼らがちょうどいい」


「相変わらず、先生の“キラキラ世代排除計画”は徹底してますね」


「当然だ。若者の輝きなど、我々の未来には不要だ」


 村澤は笑った。


「さぁ、来たるべき改革のために……

 キラキラ世代を、一匹残らず駆逐しようじゃないか」


 灰皿にタバコが落ちる音だけが響いた。


次回はいよいよ副将戦!

両校誰が出るのか!?

こうご期待!!

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