EP62 陰謀交わる中堅戦
次鋒戦は知略のあかりと筋力のことりのミスマッチバトル!
軍配が上がったのは、あかりの知略!
中堅戦では、さらなる激戦が?
ふくろうスクールでは、中堅戦のメンバー選出が難航していた。
「中堅戦、相当キツいね」
美浦が眉を寄せる。
原因はただひとつ――
ウチナンチュ学園最強、菅生拓哉。
超攻撃的、超本能型、そして超実力主義。
その茶髪リーゼントが揺れるだけで一年生は泣くと言われる不良ファイターだ。
「俺は誰からの挑戦も受けるぜ!!」
吠える拓哉。
その気迫は、観戦席の空気までビリッと裂いた。
「菅生くん、やっぱり迫力すごい……」
「覚悟ナシの挑戦者は、秒で返り討ちだな」
義人の言葉に、周囲の部員も頷く。
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「私が出る!」
――小柄な銀髪アメリカン少女の立候補
そんな空気を切り裂くように、まっすぐ手を上げた少女がいた。
「私が、中堅戦に出ます!」
進藤エリカ。
13歳、銀髪セミロング、金の瞳――ひときわ目立つ存在だ。
体は発展途上。
しかし、足腰の強さは大人顔負け。
「エリカさん、大丈夫? 相手はウチナンチュの絶対的エースだよ?」
「だからこそ、私が戦いたいんです!」
その瞳に宿るのは、ただの意地ではない。
ーー覚悟。
そして、“会いにいくための戦い”。
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拓哉がエリカを見る眼差し、その理由が。
「お、進藤! ずいぶん腕を上げたじゃねぇか!」
拓哉が口角を上げる。
「……覚えてくれてたんですね」
「当然だろ。オマエと俺の始まりは、あの夏だ」
エリカは小さく頷いた。
胸の奥の何かが、熱くこみ上げる。
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◆――3年前、ハワイ。
あの日。
アマチュア格闘大会を控えた拓哉は、賞金100万円を目指してハワイへ来ていた。
生活費、寮費、そして――もっと強くなるため。
そんな時。
「きゃっ!」
幼いエリカ(10歳)が道路に飛び出した。
トラックが迫る。
「危ない!!」
拓哉は反射的に駆け出し、エリカを抱えて歩道へ飛び込んだ。
その後、運が悪いのか良いのか――
二人はハワイの不良グループに囲まれる。
「助けられちゃって残念だったなぁ?」
「お前が手ぇ出さなきゃ、そいつは死んでたぜ?」
囲む不良たち。
しかし拓哉は、目を細めただけだった。
「俺に喧嘩売るのか? 悪いな、大事な大会が控えてんだ。“雑魚狩り”は後にしろ」
気迫だけで不良を圧倒する。
「う、嘘だろ……トロフィーハンターのスゴー!?」
「やばい! 挑んだ奴、再起不能にされるって噂の……!」
一瞬で、全員逃げた。
「弱いものいじめすんなよー!」
「覚えてろよ!!」
捨て台詞だけは一丁前に残していった。
「怖かったか?」
「……すごく、かっこよかったです!」
その日から、エリカは拓哉を「ヒーロー」として胸に刻んだ。
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◆そして今ーー
ヒーローへの挑戦権を手に入れた少女。
「菅生さん! あの日の私とは違います。全力で行きます!!」
「上等だ。相手が誰だろうが、全力で倒す。それが俺の流儀だ」
舞台に立つ二人。
足が自然と前へ出る。
「行くぞ!」
「望むところ!!」
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互いの誇りが、激突!!!
スピードと熱意がぶつかる、白熱の中堅戦
拓哉の高速回し蹴り。
エリカは一瞬しゃがみ、風のようにくぐって正面蹴りを返す。
「いい蹴りだ!」
「あなたのおかげです! あなたがいなかったら、私はここにいません!」
エリカが笑う。
「……チッ、成長してやがる」
拓哉の口元にも笑みが浮かんだ。
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二人の視線は “弟子と師匠” を見る
「なんか、あの子……めっちゃ楽しそう」
「菅生もまんざらじゃねぇな。自分の“初めての後輩”ができたみてぇで」
二人は温かく見守る。
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◆ハーフタイム
拓哉が義人に声をかけた。
「藤宮、話がある。面貸せ」
「……あいよ」
二人は道場裏へ。
拓哉の表情が先ほどまでと違う。
戦士の顔ではない。
国家の闇を知る男の顔だった。
「なんだよ?」
「評議連合が……VR規制団体“人類健全教育機構”と接触したらしい」
「なっ……!」
「声がデカい!」
拓哉は声を潜める。
「情報源は親父だ。内務省の極秘ルートで流れた」
拓哉の父は、内務省のエージェント。
拓哉はそのカムフラージュとして“不良ファッション”を纏っているにすぎない。
「なんで俺に伝える?」
「お前だよ、藤宮。
寝台準急占拠事件を一人の死者も出さずに解決した“南天堂のテストプレイヤー”。
評議連合の連中が黙って見逃すワケがねぇ」
義人の背筋が冷たくなる。
「お前と明石は、これから“マークされる”。
キラキラ世代排除計画の“最上位ターゲット”にな」
「……了解だ。美浦にも話しておく」
「頼む」
短い会話。
けれど、その裏にうねる巨大な陰謀が、義人を飲み込む音がした。
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そして激化する中堅戦、
もう一度、舞台に光が戻る!
「本気で行くぞ!」
「はいっ!」
試合再開。
剛 vs 速
経験 vs 伸びしろ
二人の技が交差し、火花が舞う。
あの日の恩。
あの日の憧れ。
それぞれの“過去”を背負って。
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◆その頃ーー
評議連合本部・村澤の事務室
「先生、これはどういうことですか!?」
未華子が怒鳴る。
「デジタル体育祭に送り込む刺客が決まっていないって……どういうつもりですか!」
村澤はタバコをくゆらせながら笑う。
「未華子君、焦りすぎだよ。既に手は打ってある」
書類が渡される。
「……東京私立エリィト学園、ですか?」
「そうだ。優秀な“旧世代エリート”を育てるために作った学校だ。
今年の体育祭を中止に追い込むには、彼らがちょうどいい」
「相変わらず、先生の“キラキラ世代排除計画”は徹底してますね」
「当然だ。若者の輝きなど、我々の未来には不要だ」
村澤は笑った。
「さぁ、来たるべき改革のために……
キラキラ世代を、一匹残らず駆逐しようじゃないか」
灰皿にタバコが落ちる音だけが響いた。
次回はいよいよ副将戦!
両校誰が出るのか!?
こうご期待!!




