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『半径1メートルの日常』  作者: 八神 真哉
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『秘密』

「外国人が感動した日本」「日本のここがすごい」という類の本が次々と出版されている。

WEBサイトに寄せられた外国人のコメントの紹介がメインなので作りやすくもあるのだろう。


学校教育にも関心が寄せられている。各国の「学校給食」あるいは昼食写真が並び、自国のメニューに対する不満が爆発。日本の給食の評価がダントツである。


わたしたちが当たり前だと思っていた「生徒による掃除」は世界の非常識だったようだ。

「そんなことさせたら、親が弁護士を連れて怒鳴り込んでくる」

「掃除のスタッフが仕事を失う」という意見もある。


だが、シンガポールでは日本にならって2016年内にすべての公立小学校が「生徒による掃除」を導入すると発表。教育省のフェイスブックには「よくぞ決断した」「人生の基礎を学ぶためにいいことだ」と肯定的な国民の意見が殺到したという。

サウジアラビアでもいくつかの小学校で試験的に取り入れているという。

イラクでは、日本の教育制度を丸ごと取り入れた私立小学校もでき、中学校の開校にも着手するそうである。


その本に載っている床に雑巾がけをする子供たちの写真を見て思い出したことがある。

トイレ掃除はともかく、教室や校庭の掃除は班単位で男女一緒だったのだが、なぜか理科室(昔のことで大机は動かせた)の掃除は男ばかりであった。


おそらく、わたしが仕組んだのだろう。というのも、わたしの発案でやっていたことがあるからだ。

ワックスがけは年に3回だったろうか。ワックスはバケツを倉庫前に持って行くと6年生が入れてくれる。1教室1杯ということだったが、素知らぬ顔をして3人がもらいに行く。3層塗りである。


仕上げは2チームに分かれ、足と手に雑巾を巻き、雑巾にくるんだタワシをボール代わりにアイスホッケーもどきの試合が始まるのである。手足を床から離してはならないルールなので、理科室の床は、これ以上はないというほど「見事」に磨き上げられる。


嬉しそうに掃除に向かうわたしたちが、女子から不信の目で見られたことは言うまでもない。


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