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恋、しません?  作者: 円間
第二話 襲撃。恋してないですが恋のライバル現る
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クロエ、暴走15

 菊子は、やっと、はっとして雨から距離を取る。

「な、何ですか……」

 何の冗談かと菊子は狼狽える。

 かぁっ、と顔に熱を感じる。

「ほら」

 雨が指先に摘まんだ物を菊子に見せる。

 菊子が目を細めてそれを見ると、それは桜の花びらだった。

「菊子にくっ付いてた」

 雨は指に摘まんだ花びらを風に飛ばす。

 高く飛ぶ花びらを雨は目で追う。

 菊子の両手に力が籠る。

「なら、なら、口で言って下さい! 自分で取りますから!」

 菊子の声は庭に響く。

「ん? うん」

 全くピンと来ていない雨の様子に菊子は思う。


 そういう所がだめなのよ。


 深いため息が菊子の口から漏れた。

「目黒さん、カップ」

「ああ、はい」

 菊子がカップを雨から受け取り、雨に別れの挨拶をしようとした時、菊子は急に顔を上げた。

「どうした菊子?」

 神妙な顔つきの菊子に雨が訊ねる。

「いえ、今二階から何か物音が聞こえた気がして」

「え?」

 雨は耳を澄ます。

「あ、聞こえる。何だか、どたばたと……日向の部屋から?」

 雨と菊子、二人して二階の日向の部屋の方に目を向ける。

 部屋の窓は開いていて、そこから、どたばたどすん、と音が漏れて来ている。

「何やってるんだ、日向のやつ」

 雨が言う。

「さあ、こっちが聞きたいです。日向さん、ボクシングの趣味でも?」

「無いよ」

「様子を見てきましようか?」

 菊子が言うと「別にいいよ。あいつも大人だし、妙な事はやって無いだろう」と雨。

「は、はい。じゃあ……私はこれで」

「ああ、また」




 菊子はキッチンに行き、カップを洗ってから昼食の支度を始めようとしていた。

 冷蔵庫を開き、炊き込みご飯だな、と即決。

 さて、支度をしようと菊子が腕まくりをした時。

 どたどたと階段を駆け降りる音がキッチンの扉越しに漏れて来た。

 一体なんぞや? と菊子が思っているとキッチンの扉が勢い良く開く。

「家政婦!」

 そう怒鳴り込んできたのは日向だ。

「何ですか、日向さん?」

 興奮している日向にびっくりしながら菊子は訊ねる。

「何ですか。じゃ無い! あんた、大変な事をしてくれたな!」

「え」

 一体何の事やらさっぱりの菊子。

「どういう事でしょうか?」

 訊いてみると日向は菊子に詰め寄り、「クロエだよ、クロエ!」と息を荒くして言う。

「クロエさんが何か?」

「クロエが、かんかん何だ!」

「何で?」

「何でって、あんた、あにきと下のデッキでいちゃついてただろ!」

「は、はぁ?」


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