表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の守護者 〜地上に降り立った最強の龍皇女は、神具に選ばれた少女を守り抜く〜  作者: 森人
第二章 迷宮編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/82

第063話:迷宮都市の喧騒

翌朝。三人は、エデルナの中心街に佇む冒険者ギルドへと向かった。


行き交う冒険者たちの姿は、整然としていた王都とはまるで異なる。無骨な革鎧を纏った者、異国の紋様が刻まれたローブを羽織る者。そして何より目を引くのは、エルフや獣人といった多種多様な亜人たちの姿だった。


屈強な虎の獣人とすれ違った際、リィンはその迫力に圧倒され、思わず視線を釘付けにされてしまう。


「王都とはまるで雰囲気が異なるわね。まさに『世界の縮図』といったところかしら」


白銀の鎧を揺らし、白いマントをなびかせて歩くアイラは、物珍しげに周囲へ目を配っていた。荒くれ者たちがひしめく中で、凛とした気品を放つ彼女の姿はひどく浮いていたが、ステラはフェンリルから聞いた「諸国から多くの冒険者が集まっている」という言葉を思い返し、「そうね」と短く同意した。


ギルドの重厚な扉を押し開くと、内部は熱気と怒号にも似た活気に包まれていた。その多くは迷宮へ潜るための手続きを待っているようで、『迷宮受付』と書かれた窓口には長い列ができている。


「私たちは、まずはこちらね」


アイラが指し示した『一般受付』の窓口へと並ぶ。自分たちの前では、獣人族のパーティが到着の手続きを受けている最中だった。リィンは、間近で見る獣人たちの筋骨隆々な体躯を見上げ、息を呑む。


「……狼獣人と、あちらは熊の獣人ね」


アイラがリィンの耳元でそっと囁いた。


「……本当に、色々な種族の方がいるのですね」


圧倒されながらも、リィンの瞳には未知の世界に対する好奇心の光が宿っていた。


しばらく待つと、ようやく彼女たちの順番が回ってきた。


「『紅蓮の絆』の三名よ。王都ルアスから到着したわ」


代表してアイラが登録を行う。受付担当は魔道具で情報を照会すると、迷宮探索の基本手順を淡々と説明し始めた。


入念な準備を怠らないこと。各階層に設置された転移陣を使用すれば、次回以降はその階層から探索を再開できること。ただし、転移陣の登録には有効期限があり、長期間放置すればリセットされるため注意が必要であること。


(フェンリルに聞いた通りね……。目的の祭壇があるのは、最下層の第五層か)


隣で説明を聞いていたステラは、脳内にある迷宮の構造図を更新する。


「迷宮へ入る前には、隣の『迷宮受付』で入場証を受け取ってくれ。入り口の封印を解くのに必要だ。それと……最近、迷宮内で収穫物の横奪おうだつ事件が多発している。くれぐれも背後には気をつけることだ。迷宮内でのトラブルに、ギルドは一切関知しない」


「なるほど、了解したわ」


「説明は以上だが、何か質問はあるか?」


アイラがステラの方を見ると、彼女は落ち着いた声で尋ねた。


「宝箱から出たアイテムや武具の買い取りは、こちらの窓口でいいのかしら?」


「いや、アイテム類の換金は隣の迷宮受付だ。夕方は非常に混雑するから、翌朝に回すのが賢明だろう」


「そう。わかったわ」


「他に質問は? ……特になければ、一つ追加だ。『紅蓮の絆』の諸君が到着したら、ギルドマスターへ即座に繋ぐよう指示が出ていてな。あそこのテーブルで待機していてくれ」


受付担当は、カウンターから少し離れた場所にある待機席を指し示した。アイラたちが席へ向かうと、入れ替わるように次の冒険者が窓口へと詰め寄る。


混雑するロビーの熱気の中で三人が待っていると、ほどなくして一人の受付嬢が近寄ってきた。


「『紅蓮の絆』の皆様ですね?」


アイラが「そうだ」と短く答えると、彼女は深々と一礼した。


「ギルドマスターがお待ちです。奥の執務室へご案内いたします」


三人は顔を見合わせると、喧騒を離れ、ギルドの奥へと続く重厚な扉の先へ足を踏み出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ