表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の守護者 〜地上に降り立った最強の龍皇女は、神具に選ばれた少女を守り抜く〜  作者: 森人
第二章 迷宮編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/77

第060話:迷宮都市エデルナ

翌日も、旅程は滞りなく進んでいった。

揺れる馬車の中、少しずつ三人の雰囲気に慣れてきた冒険者の一人が、好奇心を抑えきれない様子で尋ねてくる。


「エデルナは王国東部の要衝であると同時に、名高い『迷宮都市』でもあります。皆さんのような手練れが向かうということは……やはり迷宮へ?」


その問いに、アイラが迷いなく答えた。


「ああ。そこが私たちの目的地だ」


すると、別の冒険者が顔を寄せ、声を潜めて助言する。


「それなら、気をつけた方がよろしいです。最近、正体不明の奇妙なパーティが迷宮を荒らしているって噂があります。その……かなり特殊な連中らしくて」


「そう。情報に感謝する」


アイラはさほど気にする様子もなく受け流したが――また厄介ごとか、とステラは微かな懸念を覚える。だが、それを表に出すことなく、静かに窓の外へ視線を向けた。


そして三日目の夕刻。

朝から走り続けた駅馬車の前方に、ついにエデルナの重厚な城壁が姿を現した。

王都ルアスには及ばないものの、かつて立ち寄ったオニキスより一回りは大きく、堅牢な造りをしている。


「着いたわね……」


「はい。大きなお城みたいです!」


城門では衛兵による検問が行われていたが、乗員全員が正規の通行証を所持していたため、滞りなく門をくぐることができた。

停留所に到着すると、乗客たちは一斉に地面へ降り立つ。

アイラは真っ先に、道中を支えた護衛の冒険者たちのもとへ歩み寄った。


「長旅の護衛、大儀であった。貴殿らの尽力のおかげで、無事に辿り着けたわ」


王女時代からの習慣なのだろう。

労いの言葉をかけられた冒険者たちは、恐縮しながらもどこか誇らしげな表情を浮かべていた。

その様子を傍らで見ていたステラは、「根っからの王族なのね」と、アイラの持ち前の気配りに感心する。道中の商人たちもまた、アイラへ深々と頭を下げて去っていった。


初めて訪れる街の活気に、リィンは目を輝かせながらあちこちを見回している。

しかし、ステラとアイラは「まずは拠点作りが先決」と、浮き足立つリィンを優しく促し、中心街へと歩を進めた。

夕暮れの街を歩けば、やはり三人の姿は嫌でも人目を引く。

向けられる好奇の視線を柳に流しながら、三人は冒険者向けの宿を見つけ、その扉を叩いた。


「三名、冒険者だ。部屋を頼めるか」


受付にギルドカードを提示し、三人はエデルナでの最初の一夜を迎えることとなった。


「さて、宿も確保できたことだし、街へ繰り出すか!」


「アイラ、貴女ね……。少しは王族としての自覚を持ちなさいな」


ステラから見ても、アイラから溢れる気品は、荒くれ者の集まる酒場では浮いてしまうのが目に見えていた。


「何を言っている。今の私は一介の冒険者だ。気後れする必要などない」


「そういう意味で言ったのではないのだけれど」


かえってやる気を見せるアイラに、ステラは小さくため息を吐く。

やがて辺りはすっかり暗くなり、魔導灯が夜の街を照らし始めた。

賑わう酒場へ三人が足を踏み入れると、案の定、場違いなほど美貌の三人組へ視線が一斉に集まる。

アイラとステラは気にする様子もなく空いているテーブルへ向かい、リィンは周囲を気にしながら、おずおずと後に続いた。


席に着くとすぐ、一人の男が注文を取りに近づいてくる。


「ご注文は?」


無愛想な声。

しかし、その直後――ステラの脳内に別の声が響いた。


【――お待ちしておりました、ステラ様】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ