その名はイザベラ・ベネット。
テイラーはひとまず、別荘へと向かう、もうすぐ夜になるからだ、テイラーは少女をおんぶしながら、移動を始めるのである。
テイラーはある事を気づくのであった、少女は理解している、自分が捨てられた事さえも、だけども、その理由を知らないだけで……。
テイラーには分かっていた、それは少女が親に捨てられた事さえも、大抵のホームレスに「戸籍」はない、役所窓口にいっても門前払いだろう。
テイラーは歩きながら、ある事を考えていた、それは「孤児院」に預けるべきかを、まだ間に合う、今からでも……。
テイラーは足を止めるのである、するとテイラーの背中に乗せてる少女から微かに手の震えが伝わってくるのが分かる、テイラー。
テイラーは、ある事を「決断」するのである。
再度、歩きだすテイラーである、そして少女に話しかけるように伝えるのである。
「私にはね「友」がいるのだがね」
「その「友」は人ではない、しかしだね」
「私と友は親友なのさ、人と人が争うとは」
「実に、くだらない事だと思わないかね?」
「私は……はは、喋りすぎたかな」
テイラーは少女に話しかけていた、少女は何を言ってるのか、さっぱり分からない事かも知れないが、テイラーは何故か少女に語る。
しかし少女にはテイラーの背中が「安らぎ」を感じていたのは確かであった。
病院から40分程度の距離を歩くテイラー、すると市内から離れた場所に、一軒家の家が見えてくる。
「お、見えてきたな、もうすぐだ、頑張ろう」
先にテイラーは買い物をする、少女の為に衣類を買ったからだ、テイラーと一軒家の家の距離は、まだ結構離れてる、30分程度で到着する距離であった。
歩きだして、それから30分が過ぎて、ようやく一軒家に到着した、テイラー。
その一軒家はテイラーの別荘であった、鍵で別荘の扉を開け中に入る、少女を降ろし、そしてハットとトレンチコートを脱いで掛ける。
テイラーは膝を曲げて少女の目線に合わせる。
「よいかな、今日から、ここが君の家なのだよ」
少女は何を言ってるのか理解出来てない、テイラーは再度「ジェスチャー」で伝える。
少女の瞳からキラキラが芽生えるのであった。
「妙だな、この子はアメリカ人ならば……」
「なぜ言葉が通じないのか?英語は共通のはずだが」
イギリスも英語である、正しくは「英語イギリス」になるが、少し発音が違うだけで、アメリカ語の英語と同じである。
「そうか、分かったぞ、心因性失声症なのだな!」
※心因性失声症。強い精神的ストレスだったり、トラウマが原因で突然、声が出なくなる病である。
テイラーは理解した、何故、捨てられたのかを。
「あまりのストレスで相手の言葉も聞こえないのか」
「あぁ、可哀想に、もう大丈夫だ、安心しなさい」
テイラーは強く強く、少女を抱きしめるのである。
少女は涙目になる、少女も抱きしめるのである。
始めに少女をお風呂に入れさせる為に、お湯を沸かすのであった、少女は1人で浸かる、表情が微笑む、そして夕食には「ベイクドビーンズ・オン・トースト」を作る、テイラー。
※ベイクドビーンズ・オン・トースト。これはパンをトーストしてトマトソースで煮た豆を乗せる定番な料理である。
しっかりと歯ブラシも新品なのを買っておいた、テイラーであった、そして寝る時はテイラーが側にいた、少女はテイラーの手を握り安心して寝る。
朝方は髪を整える為に美容室へと向かう、中に入り、順番を待つ、そして順番が回ってくる。
店員は少女をフルフラットシャンプーに寝かせ、少女に伝える。
※フルフラットシャンプーは既に説明してあるので省略。
「どんな風の髪型が宜しいですか?」
「……」
「娘は緊張してるみたいだ、お任せします」
「そうですか!ではショートカットはどうですか?」
「是非、お願い致します、先生」
「クスッ、先生だなんて、お任せください!」
店員は丁寧な手先で髪を切っていく、それを見てた、テイラーは舌を巻くのであった。
「うむぅ、上には上がいるもんだなぁ」
テイラーは待機する、そして髪の整えが終わり、少女は鏡を見て喜ぶのであった、少女は店員に頭をさげる、そしてテイラーにも。
2人は美容室から出て、別荘へと戻るのである、少女はツンツンと突いてテイラーを引き止める。
「む?どうしたのかね?」
「あ……あ……あー……」
「い、今、しゃ……!」
しかし、少女は途中で諦めるのであった、初めて言葉を聞けた、テイラー。
「よいのだ、よいのだ、ゆっくりと慣れよう」
テイラーは強く抱きしめるのである、少女は笑顔になるのであった、するとテイラーは「ジェスチャー」を使い。
「私には5歳の娘がいてね、いつか「友達」になってほしい」
少女は嬉しいそうに頷くのであった、2人は手を繋いで別荘へと帰る。
少女はテイラーと一緒に暮らす事になる、護身に格闘技術を教え込む、テイラーには家族がいる、そこで朝は少女と一緒に居る事に専念した、そして夜は豪邸へと戻るのだ。
こうして、いつの間にか「年月」が過ぎる、その少女は15歳になっていた、テイラーは別荘の中に入ると。
「おかえり!グラハム、食事が出来てるよ」
「イザベラの病が消えて嬉しい事だな」
「あれは恥ずかしいから言わないでくれ!」
「はっはは!そうであったな、すまんな」
「今日も、あのカポエイラを教えて!」
「イザベラ、手加減してくれ、私は歳だからな」
テイラーは苦笑いするがイザベラは笑う。
『これが、あたしとテイラーとの出会い』
『そして、最初に惚れた……』
あたしの名前はイザベラ・ベネット。
次回へと続く。(EP50)




