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エレメンタルクロス ~精霊の剣~  作者: KEI
第16話 二つの極大技

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(五)二体目の停止

◆ 二体目の停止


 兵士たちは、倒れた古代兵器を見ていた。

 一体目より短い戦いだった。

 それでも、予定どおりではない。

 極大技・絶光で、周囲一帯の原光を完全に断った。

 その間に、極大技・極炎で機体を真っ二つにした。

 核まで斬るつもりだった。

 しかし、核の防御壁が最後まで残った。

 結局、白炎と黒月を使わなければ、核を破壊できなかった。


「倒したのか」


 隊長が尋ねる。


「核は壊れています」


 ネアが答える。


「もう再生しません」

「次は?」


 隊長が発掘坑を見る。

 奥では、再び淡い光が動き始めていた。

 極大技・絶光で断たれていた原光が戻り、地下の古代兵器へ流れ込んでいる。


「すぐに次が来るのか」

「まだ地上へは出ていません」


 ネアが言った。


「ですが、動き続けています」

「今の戦いを、あと何回できる」


 隊長が尋ねる。

 シアは地面へ座り込んでいる。

 ネアも普段より呼吸が深い。

 セトも、二人の極大技を同時に扱った直後だった。


「すぐには無理だ」


 セトが答える。


「なら、休んでいる間に次が出てくる」

「ああ」

「どうする」


 誰もすぐには答えなかった。

 極大技・絶光で原光を完全に断ち。

 極大技・極炎で機体を真っ二つにし。

 白炎と黒月で核を破壊する。

 この方法なら、一体を短時間で倒せる。

 だが、三人が力を使いすぎる。

 古代兵器が何体いるのか分からない以上、同じ方法を繰り返すことはできない。

 ネアは、二つに分かれた古代兵器を見る。

 大きな問題は二つだった。

 核へ至るまでの分厚い装甲。

 核を覆う、精霊力の防御壁。

 逆に言えば、その二つさえ取り除けばよい。


◆ 極炎だけでできること


「セト」


 ネアが言った。


「何だ」

「あなた一人が、すべてを終わらせる必要はないのではありませんか」

「どういう意味だ」

「極大技・極炎だけでも、核を露出させることはできます」


 最初の古代兵器との戦いでも、核までの装甲を破壊することはできていた。

 ただし、極大技・極炎だけでは、機体を完全に真っ二つにはできない。

 破壊した装甲が再生し。

 生成された部品が炎の進路へ入り。

 極大技・極炎の力を削るからだ。

 先ほど機体を上から下まで斬り分けられたのは、極大技・絶光によって周囲一帯の原光が完全に断たれていたためだった。

 装甲も内部構造も再生しない間だけ、極大技・極炎は機体の下部まで一度に斬り進むことができた。


「絶光を先に使わない場合は?」


 セトが尋ねる。


「極大技・極炎で、核を覆う装甲を破壊します」

「核の露出までか」

「ええ」


 ネアは二つに分かれた古代兵器の中央を見る。


「核を守る防御壁までは破れません」

「その防御壁へ、極大技・絶光を使う」

「そうです」

「周囲一帯の原光ではなく、壁だけを消すのか」

「ええ」


 ネアは自分の手を見る。


「通常の絶光でも、防御壁へ切れ目を入れられました。極大技として力を集中させれば、防御壁全体を完全に無効化できるはずです」

「原光を全部止めなくても?」

「防御壁だけに力を集中させます」

「その間に、俺が核を壊す」

「それを、セトが行う必要はありません」


 ネアは隊長を見る。


「大砲がありますね」

「ああ」

「極大技・極炎で装甲を破壊し、核を露出させます」

「次に、極大技・絶光で核の防御壁を消す」


 隊長が続ける。


「そうです」

「その後で、大砲を撃つのか」

「核そのものは、装甲ほど頑丈ではありません」


 一体目も二体目も、攻撃が届けば核には亀裂が入った。

 難しかったのは、核までの装甲と、その周囲の防御壁だった。


「大砲なら、周囲の原光がなくても使える」


 セトが言った。


「ええ」


 ネアが頷く。


「火薬で砲弾を飛ばしますから」

「術士はどうする」


 隊長が尋ねる。


「極大技・絶光で防御壁を無効化している範囲では、精霊術を維持できない可能性があります」

「使えないのか」

「絶光の範囲外で使えばよいでしょう」

「範囲の外から核を狙う?」

「投石術を使います」


 ネアは発掘坑の周囲を見る。


「範囲の外で岩を加速させます。飛び始めた後で絶光の範囲へ入れば、術が消えても岩そのものは進み続けます」

「原光ではなく、飛んでいる岩が核へ当たる」

「ええ」



※第16話「二つの極大技」は全六回です。

続きます。



作者個人サイトでは、人物相関図・各話アイキャッチ・用語メモなどの補足資料を公開しています。

※ネタバレ範囲にご注意ください。


https://www.simulationroom999.com/blog/elemental-cross-top/

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