↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エレメンタルクロス ~精霊の剣~  作者: KEI
第43話 鍵のかかった知識

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
263/422

(五)箱の周り

◆ 強い技ではない


 セトは、今出てきた三つを頭の中で並べた。

 精霊王が精霊剣の姿で死んだ後に残る魔剣。

 役割と知識を大地へ焼き付け、別の存在へ継承可能にする方法。

 空の剣状器へ巫女を入れ、柱や礎として力を引き上げる方法。


「変だな」


 セトが言った。


「何が?」


 シアが聞き返す。


「ヤバい知識って言うから、もっと強い攻撃とかだと思ってた」

「違いますね」


 ネアも気づいたように答える。


「少なくとも、今拾えたものは攻撃術そのものではありません」

「全部、精霊王とか人間とか、そいつ自身の在り方に触る知識じゃないか」


 シアが指を折る。


「剣になる。死んだ後に器が残る。役割を大地へ出す。人を剣へ入れる」

「共通点はあります」


 ネアは認めた。


「ただし、大地への焼き付けのように、実際に必要な目的へ使われた知識もあります。危険だから悪い、という分類ではありません」

「扱いを間違えると戻れないかもしれない知識?」

「その方が近いでしょう」


 セトは閉じた箱を思い浮かべる。


「じゃあ箱の中も、そういう知識なのか」

「そこまでは言えません」


 ネアがすぐ止める。


「近くにあるというだけです。共通点を見つけたことと、箱の中身まで同じ種類だと断定することは別です」

「分かった。そこは保留」


 それでも、「置き場所が悪い」というシアの表現には、以前より具体的な意味が生まれていた。


「強いから危険じゃないんだな」

「はい。力の大きさより、使った後に元へ戻せるかどうかの方が問題になる知識もあります」


 ミレナへ続いた風の継承は成功例だった。

 だからこそ、同じような知識を軽く試してよい理由にはならなかった。


◆ 箱の周り


「箱の中に、危険な知識が入っているのか」


 セトが改めて尋ねる。


「それも分かりません」


 ネアは首を振った。


「箱の中身そのものが危険だから、閉じられたのかもしれません」

「違う可能性も?」

「はい。先に開かない箱があり、後の精霊王が、その周囲へ危険な知識を寄せていった可能性もあります」

「近づきにくい場所を、危ない知識の置き場にした?」

「考え方としてはあり得ます」


 シアが口を挟む。


「逆もある?」

「逆?」

「ヤバい知識へ行けないように、その入口を箱へ入れて閉じた」


 ネアは少し考える。


「否定できません」


 つまり、順番が分からない。

 危険だから箱が作られたのか。

 箱があったから危険な知識が集められたのか。

 別の目的で閉じたものの近くへ、たまたま危険な知識が残ったのか。


「柱とか礎も、箱と関係あるかは分からない?」

「はい」

「大地へ残す方法も?」

「同じです」


 分かるのは現在の配置だけだった。

 何が箱の中にあるのか。

 箱の周囲に何が置かれているのか。

 それらに直接の関係があるのか。

 何が先で、何が後なのか。


「理由も中身も分からない」

「分かるのは、箱が閉まっていて、周りに危険な知識が多いことだけ」


 シアがまとめた。


「箱の外の知識は取れるのに、中だけ取れないんだよな」

「はい」

「周りへ置いた誰かがいるなら、その誰かは箱を目印にした可能性もあるか」

「あり得ます。ただし、それも仮説です」


 箱は原因かもしれない。

 結果かもしれない。

 単なる境界標識として使われただけかもしれない。

 現時点では、そのどれも捨て切れなかった。



※第43話「鍵のかかった知識」は全八回です。

続きます。



作者個人サイトでは、人物相関図・各話アイキャッチ・用語メモなどの補足資料を公開しています。

※ネタバレ範囲にご注意ください。


https://www.simulationroom999.com/blog/elemental-cross-top/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。