表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エレメンタルクロス ~精霊の剣~  作者: KEI
第7話 偽物を持ち逃げした男

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/45

(三)指示のない連携

◆ 光の壁を斬る


 セトは白炎を光の壁へ向けた。


 光も精霊術で作られている。


 白刃が、その流れへ食い込む。


 炎を強くする必要はない。


 刀身の形へ力を戻し、切断へ集中させる。


 白い壁へ縦の亀裂が走った。


 セトは白炎を振り抜く。


 光が左右へ割れた。


 向こう側にシアがいる。


 光の精霊術士は、すぐに次の術を作ろうとした。


 シアが指を振る。


 小さな火が、相手の杖へ向かう。


 光が火を撃ち落とした。


 その後ろから、二つ目。


 三つ目。


 すべて同じ場所へ向かっている。


「同じことを繰り返しても――」


 四つ目の火は、途中で向きを変えた。


 光の精霊術士の足元へ落ちる。


 相手が横へ避けた。


 そこへ、白い短剣が飛んだ。


 セトが光の壁を斬った直後に投げていたものだった。


 短剣は相手の杖を弾く。


 杖が宙を舞った。


◆ 指示のない連携


 光の精霊術士が杖を追う。


 シアは、その前へ小さな火を置いた。


 足が止まる。


 セトは走り込んだ。


 白炎を弱め、刀身を短くする。


 光の精霊術士の首元へ、白い刃を止めた。


「降参するか」


 相手は動かなかった。


 白炎はほとんど熱を持っていない。


 だが、光の精霊術士にそのことは分からない。


「……降参する」


 一人が舞台から下がる。


 セトはシアを見た。


「短剣を投げたのが分かったのか」


「見えた」


「なら、先に言え」


「火を置けば、セトが来ると思った」


「来なかったら?」


「わたしが倒していた」


「やっぱりそこへ戻るのか」


 シアはすでに、残った剣の男を見ていた。


「次は二人で倒す」


◆ 一人になった剣士


 剣の男は、相方が降参しても剣を下ろさなかった。


「まだ終わっていない」


「二対一だぞ」


「魔剣は俺が手に入れる」


 男は運営席の木箱を見た。


 その目には、セトもシアも映っていないようだった。


「相方は降参した」


「最初から、あいつは俺を優勝させるための後衛だ」


 舞台を下りた光の精霊術士が、顔を伏せる。


 シアが男を見た。


「二人で勝つのではなかったのか」


「勝つのは俺だ」


「二人一組なのに?」


「魔剣を使えるのは一人だけだ」


 シアは少し黙った。


「セト」


「何だ」


「わたしたちとは違うな」


「ああ」


 男が踏み込んだ。


 片刃の剣が、セトの白炎へ向かう。


◆ 前と後ろ


 セトが白炎で受ける。


 男は正面から刃を押し込んだ。


 シアが小さな火を放つ。


 男は見ずに横へ避けた。


 昨日から何度も見せている攻撃だ。


 火の置かれる位置も、ある程度読まれている。


「その程度の援護では止まらない!」


 男が白炎を弾く。


 セトの体勢が崩れた。


 片刃の剣が、その胸へ迫る。


 シアは大きな火を作らなかった。


 セトを助けるために、男を直接攻撃もしない。


 小さな火を、セトの足元へ置いた。


 セトは迷わず、その火を踏む。


 炎はセトを焼かなかった。


 足の裏から火が弾け、体を前へ押す。


 一歩分だけ、動きが速くなる。


 片刃の剣を紙一重で避けた。


「今のは何だ」


 男が振り返る。


「援護だ」


 シアが答えた。



※第7話「偽物を持ち逃げした男」は全五回です。

続きます。



作者個人サイトでは、人物相関図・各話アイキャッチ・用語メモなどの補足資料を公開しています。

※ネタバレ範囲にご注意ください。


https://www.simulationroom999.com/blog/elemental-cross-top/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ