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一般生徒Aの俺が学園のお嬢様達から好かれている。何で?  作者:
第二章

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第69話 顔は普通で良かった

「みんなを心配させてしまいますしそろそろ戻りましょうか」


「あ、ああ。そうだね」


 俺と竹之内さんは二人で別荘に戻ろうとする。すると竹之内さんは何故か俺に向かって手を伸ばしてきた。俺は意味が分からず首を傾げてしまう。


「もう、外暗いんですから手を握ってくださらないんですか?」


「ええっ」


 俺は困惑しながらもそう言われては弱いと思って伸ばした手を握る。なので俺達は二人手を繋いで歩く形になってしまう。え、俺の手汗かいてるんだけど大丈夫か。


 そうして俺達は別荘の眼の前まで行くと、扉の前で溝口が立っていた。


「……、二人していないから心配したのに随分仲良さそうねえ……」


「ふふ、私に峻君の話を聞いてだなんて頼むからですよ」


「くっ……」


 俺は慌てて竹之内さんの手を離す。すると竹之内さんは溝口の前に立ちお互い見つめ合っている。いや、ガン飛ばしあってるのか?俺はそそくさと室内に入ろうとこそっと屈んで進もうとする。


「何処行くのよ」


 当然、逃がしてもらえる訳はなく溝口に首根っこを掴まれる。そりゃそうですよね。


「今度は私と一緒に来なさい」


「いや、今から何処行くんだよ。夜遅いし危ないぞ」


「すぐそこの自販機までで良いから」


 俺は首根っこを掴まれながら連行される。竹之内さんはふっと笑いながら別荘の中に入ってしまう。え、俺見捨てられた?


「アンタねえ、私がああ言ったのにどの面下げて竹之内さんとイチャイチャしてんのよ」


「申し訳御座いません……」


 俺は今、溝口に見下されてながら説教を受けている。許してと懇願すると首を掴まれる感触がなくなった。どうやら離してくれたみたいだ。


「だ、だから私の手も握ってよ……」


「あ、ああ」


 羨ましがってたのかと思って俺は溝口の手を握る。二人共、俺の手なんか握って嬉しいのか?


「ねえ……」


「どうした?」


 手を握った途端、シュンと大人しくなった溝口から何か弱々しい声がした。溝口マジでこの旅行中様子がおかしいな。


「私より竹之内さ……」


「いや、さっきのは夜危ないから手を繋いだだけだぞ!!」


 何故か俺は弁明を始めてしまった。溝口の悲しい顔を見たくないという俺のエゴだった。俺が急に大きな声を出したからか溝口はきょとんとしている。引かれたか?


「ぷぷっ、何でそんなに必死なの」


 何故か溝口は笑った。やっぱり溝口には笑顔が似合う。


「い、いや、お前に泣いて欲しくないからさ……」


「ふふっ、ごめん。ありがとうね」


 溝口は握っている手を自分の頬の位置まで上げて目を瞑る。


「さっきは泣いちゃってごめんね。本当に気にしないでよ」


「い、いや、そう言われてもな」


 俺みたいな女性経験無いやつじゃ女の子に泣かれたらどうすれば良いのか分からんのだ。俺の答えに不満だったのか溝口は睨んでくる。いや、何でだよ。


「女子はちょっと不安になっちゃう時があるの。だから気にしないで」


「はい……」


 え、何で俺怒られてるんだ心配してるのにと考えた瞬間だった。溝口は俺の胸に顔を埋めた。俺はビックリして心臓がドキッとした。


「み、溝口……、どうした」


「……うるさい、ちょっとだけこうさせてよ」


 俺は緊張しすぎて溝口を直視できないので空を見上げることにした。あっ、星綺麗……。


「アンタさあ、女子にこんなに密着されて何呆けてんの」


「いやっ、緊張しちゃうんだよ。こういうの」


「私の方がドキドキしてるから!!」


 じゃあ何でそんな事しちゃったんだよ。俺を追い詰める為じゃないんだよな?


「峻って人を好きになった事無いの?」


「えっ」


 恋愛感情として見た事って事だよな?そう言われると無い気がする……。それこそ溝口と竹之内さんに対してしか考えたこと無い気がするんだが。


「溝口と竹之内さん……」


「えっ、二股しようとしてんの?」


 違うわ、人の話は最後まで聞いてくれよ。


「そうじゃないわ!!二人に対してしかそういう事考えた事無いってだけだ。俺モテた事無いし」


「現在進行系で二人から言い寄られてる男は言う事違うね」


 え、何でコイツそんなに攻撃的なんだよ。


「しかも他の二人にもさ……」


「他の二人?」


 他の二人って何のことだと思って首を傾げると溝口はまたイラッとしたのか苦笑いをしている。


「もうコイツの四股を認める方向で私が考えなきゃ駄目か……」


「お前、無茶苦茶言ってるって自覚あるか?」


 二股でも心外なのに四股って何のことなんだよ。そもそも俺の事を好きになってくれる人はお前と竹之内さんだけだろ。


「顔は普通なのにね」


「普通で悪かったな……」


 そりゃお前ら四人という美人揃いの中に俺というフツメンがいたら見劣りするっていう自覚はしっかりあるから安心しろ。


「ううん。アンタの顔までカッコ良かったら私が困る」


「お前、無茶苦茶失礼な事言ってるの分かってるか?」

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