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一般生徒Aの俺が学園のお嬢様達から好かれている。何で?  作者:
第二章

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第68話 竹之内さんの気持ち

 俺はリビングでテレビを付けながらぼうっとしている。先程の溝口とのやり取りを考えてしまう。


「……」


 俺は溝口も竹之内さんも大切に思っている。それこそ友達以上に大切な人達だ。だが俺は二人と恋人になりたいのかと問われれば分からないと答えてしまう事だろう。


 そんな事を考えていると、風呂場ではみんなで盛り上がっているのか、なんだか賑やかだ。何となくいたたまれなくなってベランダの椅子に座って上を向いて星空を眺める。


「はあ……」


 何分眺めていただろう。自然とため息が出ていた。


「どうしたんですか?」


 声の方向を見るとパジャマ姿の竹之内さんがベランダの窓を開けて俺を見ている。


「風呂上がったんだ?」


「はい、みんなもう上がると思うので峻くんもどうぞ」


「……、了解」


 俺は椅子から立ち上がる。風呂に入ってスッキリした方が良いよな。


「……、いえ、やはり私と少し散歩しませんか?」


「え?良いけど。折角スッキリしたのにまた汗かくよ」


「少しだけですから大丈夫ですよ」


 俺は促されるまま一緒に玄関から外へ出る。七月ということもあり夜でも暑い。何処へ行くのだろうと思ったら海の方へ向かっている。どうやら買い物という訳ではなく俺と話をしたいということか。海までの道は人間を感知して自動で電灯が付いている。


「この辺りなら良いでしょうか」


「どうしたの?俺に何か話でも?」


 わざわざ別荘から離れたということはみんなに聞かれたくない話があるのだろうか。


「いえ、先程峻君と溝口が話している様子をチラッと見てしまいまして」


「なるほど……」


 ということは溝口が泣いていた所も見て、心配になって俺と話をしにきたということか。


「何を話していたかは聞いていませんよ。ただ様子は気になってしまいまして」


「まあ、そうだよな」


 とはいえ溝口の事を勝手に話さない方が良いだろうし困ったな。


「はい。峻君が悩んでいるようでしたから」


「ん?俺?」


 てっきり溝口の事を心配して俺に話を聞きに来たのかと思った。


「溝口さんから峻君の様子を見てあげてと頼まれたんです。自分のせいで悩んだりしたら嫌だからと……」


「……」


 溝口は自分が不安な癖に俺の心配なんてしなくていいのに。まあアイツがそういう優しい奴だっていうのは知っている。


「私達の気持ちって迷惑ですか?」


「っ、そんな事ない!!」


 俺は夜だというのについ大きな声が出てしまう。竹之内さんは慌ててシッーと人差し指を口元にやって注意をする。俺は「ごめん」と謝る。


「峻君は優しいからそういうと思ってました。ですが私達は峻君に辛い思いをして欲しくないと思ってるんです」


「お、俺なんかより……」


 二人の方が自分が望んだ答えが来るかも分からないのだから辛いだろう。俺だってそれくらいは分かる。


「私達はフラレたのに勝手に諦めていないのだから自業自得ですよ」


「そっ、そうなのか?」


 まあそう言われるとそうかも?と思えてくるがでも俺の答えを待ち続けているのは確かだろう。


「まあそれでも不安になってしまうことはありますよ」


「……、ごめん」


 俺は下を向く。二人はこんなに俺の事を好きだと思ってくれているのに。


 するとデコに痛みがあった。何だと思って眼の前を向くと竹之内さんがデコピンをしたようだ。


「謝る必要は無いです。惨めになるので溝口さんにやらないほうが良いです。すねを蹴られますよ」


「ぷっ、確かに。あれ痛いから止めてほしいんだよな」


 俺達は笑いあう。


「峻君は優しいのは良いところなんですけどみんなに優しいのが駄目ですね」


「ん?皆に優しい方が良いんじゃないの?」


 親から色々な人に優しく親切にしなさいと教わっている。だからという訳ではないがそういう風に生きてきた。


「そうなんですけど。でも女の子は自分に優しくしてもらいたいんです」


「なるほど?」


 あまりピンと来ないが女性は男性に大事にされたいみたいな話だろうか。


「女の子は嫉妬深いんですから。私だって峻君と溝口さんがイチャイチャしてる所を見るとちょっとイラッとするんですよ?」


「俺イチャイチャなんてしてる?」


 竹之内さんを見ると青筋がピクピクしている。あれ、もしかして今もイラッと来てるのか?


「オホホホ」


「怖い……」


 あからさまなお嬢様キャラみたいな笑い方をするの怖いから止めて欲しいなあ。俺が困っていると竹之内さんはぐいっと俺に近付いた。眼の前、十センチくらいで顔と顔がくっつきそうな距離だ。


「峻君はそのままで良いですよ。私を選んで貰うように自分が頑張るだけなので」

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